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  (……落ち着くんだ僕。この場で最も警戒すべきは【心世一体】を使用する可能性がある、ヤン・リオットただ一人!)


 フェルメは一斉に向かってくるコナーたちの中から致命傷を与えることができるヤンのみに警戒を絞ることでダメージを抑えようとしていた。


 (まずはチャクさんか……!)


 ワープでの逃走を警戒したチャクが誰よりも速く動き、フェルメに怒涛の攻撃を始めた。右から左へ左から右へ何度も殴り飛ばされるフェルメの様子はまるでピンボールのようだった。


 (やはり、この程度のダメージ。チャクさんに鱗の再生が間に合わない程の速度はない!)


 チャクによる連打を受けていたもののフェルメには大したダメージを与えられていなかった。


  (追撃をやめた……?)


 「ファイアランス!」


 チャクの攻撃が止まったと思うと、測りしれない威力の炎がフェルメの体を包んだ。


  (彼女らは目が見えないはず!一体……何故!)


 クロエは自身とシルヴィの視界を覆うフェルメの闇の魔力を支配することに成功していた。仮にも闇の神の魔力、通常ならばできないが、『見る』ことで闇を支配するクロエでしかなせない所業だ。


 (……だが、この程度の威力!……ヤン・エリックはどこだ!)

 

 見失ったヤンを視認しようと焦るフェルメを水の牢が閉じ込めた。


 「油断大敵ってね!」


 もう一頭の海の守護者【フロワ・ラ・メール】その姿を模したシルヴィの指には大きな牙のような爪が備わっており、使用用途を容易に想像させた。


 (クソ!思うように動けない!)


 シルヴィは両手のひらを勢いよく絡ませて、水中から逃れようとするフェルメの体を攻撃した。


 「ジル王子!」

 

 名前を呼ぶと同時にシルヴィの体を光の結界が包み込んだ。


 (その程度の光の魔力で僕の攻撃を防げるとでも……)


 傷つけられた怒りでシルヴィの方へと向き直り結界に触れようとするフェルメを次の攻撃が襲った。


 (感電……!!こいつら連携を……)


 上空から落雷が水の牢を貫きフェルメの体に直撃した。体全体に激しい痛みが走りながらもフェルメは何とか立ち上がり冷静を装った。


 (こいつらを甘く見すぎた……認識を改めなくては。)


 フェルメは損傷した箇所を【シェイプシフト】により細胞ごと作り替えた。


 (ダメージは残るが……これで体は動く。)

 

  ━━━━━


 「二人には悪いけど僕にできるのはここまでだ。」 


 フェルメと仲間たちが戦っている中、大地の魔力で作り出した小さな壁の後ろでコナーとヤンはジル王子による治療を受けていた。


 「充分です。ありがとうございました。」


 ジル王子は微量だが二人の回復とフェルメの闇の魔力による身体能力の低下を短時間でできる限り行った。


 (君たちは父上と同じく、尊敬できる人間だ。無事に帰ってきてくれよ。)


 ━━━━━


 「そこにいたかヤン・リオット!」


 フェルメはどんな攻撃がきても対応できるようヤンに意識を集中させた。だが、ヤンの速度はフェルメの想像を超えるほど速く、そして力強くフェルメの防御を容易に破った。


 (これほどか……ヤン・リオット!……しかし!)


 ヤンの【心世一体】の時間はそう残されていなかった。ダメージを与えても、致命傷を与えることのできない拳ではフェルメを殺すことはできない。


 (耐えれば勝てる!……こいつ……腰の剣はどうした?)


 フェルメは為す術なく壁に叩きつけられ、即座に再生した鱗もヤンの拳により剥がれ落ちた。


 (コナー・エイベル……まさか貴様!)


 コナー・エイベルの剣はフェルメを斬りつけた時に破損した。コナーは治療を受けている際にヤンの剣を預かり、フェルメが壁に叩きつけられ、ヤンの攻撃により鱗が剥がれ落とされるのを待った。


 (ヤン・リオットだけじゃなかった!クロエ・ラシーヌもシルヴィ・バルべもジル・ドランもチャクさんも全員が私の脅威になりえた……!そして最後はやはり貴様か……コナー・エイベル!!)


 全ての鱗が剥がれ落ちた瞬間。ヤンはその場から一瞬で離れ、コナーの剣がフェルメの体を真っ二つに斬り裂いた。


  


 


 

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