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戦う覚悟



 「無様ですねぇパぺティア。」


 コナーがパぺティアから距離を取り、黒い羽が飛んできた方向を向くと、そこにはパぺティアを嘲笑うエクレレの姿があった。


 「エクレレさんですか……余計なことを。」


 「余計なこと?私はルミエル様……改めフェルメ様からの天命に従ったのみ。あなたにはフェルメ様の声が聞こえてはいないのですか?」


 「…………」


 パぺティアはエクレレの言葉にバツの悪そうな表情を示すと、強大な光の魔力で腕の出血を一瞬で塞いでみせた。


 「勘違いも甚だしい。私が隙を狙っている所をあなたが邪魔したのです。」


 「負け惜しみだな。フェルメ様からの命令だ、私たち二人でコナー・エイベルを始末する。異論は無いな?」


 「えぇ……異論はありません。」


 コナーが雷の魔力を集めるきっかけとなった二人の魔人。その二人を前にコナーの怒りはピークに達していた。


 「……人の心を弄んだお前たちのことは絶対に許さない……!!」


 「知らなかったとはいえ、確かに申し訳ないことをしました……フェルメ様も満足したようですし、もう貴方は必要ありません。お眠りなさい。」


 (攻撃手段のないパぺティアは無視だ……まずは……)

 

 エクレレが両の羽で自身の体を隠し、羽を飛ばす動作に入った瞬間。エクレレの反応できない速度でコナーは詰め寄り剣を振りぬいた。だが、振りぬいた剣は鋼鉄を打ったような音とともに弾かれた。


 「貴方の速度は脅威ですが、この状態に入った私に斬撃は届きませんよ。」


 エクレレは近づいたコナーに羽を飛ばして攻撃を仕掛けると、そこには剣だけが残されておりコナーの姿はなかった。


 「……どこへ」


 エクレレがコナーの姿を見失ったと同時に、エクレレの背に激しい衝撃が走った。


 「……なっ!」


 エクレレの鋼鉄の羽は背後からのコナーによる一撃で何本かが抜け落ち、そのまま壁へと吹き飛ばされた。


 「パぺティア!」


 「…………」


 エクレレがパぺティアに声をかけると、エクレレの飛ばされる先に黒いモヤが出現し、モヤの中に入ったエクレレは別の場所に配置されたモヤへと移動していた。


 「……まさか拳で殴るとは……貴方の拳へのダメージだってあるでしょうに……正気じゃないですね。」


 コナーはエクレレの言葉に耳を貸さず、ゆっくりと歩いて近づいた。


 「いいでしょう……今度はこちらの番です。全方位への攻撃貴方に避けられ……「うるさい」っ!」


 エクレレの口を塞ぐように、またしてもコナーの拳がエクレレの体を捉えた。


 「パぺティア!ゲートを!」


 パぺティアがモヤをエクレレの飛ばされる方向へ作り出すが、コナーの追撃がエクレレを襲った。


 コナーがエクレレを殴り飛ばし、パぺティアが飛ばされた方向へゲートを構える、ゲートのない場所へコナーが打撃を加える、その繰り返し。


 「パ……ぺティ……ア」 


 エクレレがコナーの攻撃から逃れる頃には、コナーの拳もエクレレの体もボロボロになっていた。


 「無様ですね……エクレレさん。」


 エクレレの体には黒く染まった綺麗な羽はほとんど残っておらず、既に鉄壁の鎧はなくなっていた。


 「これで剣が通るな……」


 「く……来るなぁぁ!」


 剣を握れるくらいには温存しておいた右手で剣を拾い上げ近づくコナーに、エクレレは苦し紛れで残った羽を飛ばした。コナーはエクレレが飛ばした羽を剣で撃ち落とした。


 「やめろ!来るな!来ないでくれ!」


 エクレレには戦闘の経験がなかった。ドラン王国で生まれ、従順な信徒として光の神に仕えていた彼は、目の前に現れたフェルメに忠誠を誓った。


 それからは、フェルメの言葉を人々に届けることをメインに遂行した。そんなエクレレは、戦う者なら誰しも持っているものを持ち合わせていなかった。


 「パ……パぺティア!私をどこか遠くへ飛ばしてくれ!お前ならできるだろ!」


 「まったく……これだから貴方たち魔人はわかっていない。」


 「な……なにを……」


 パぺティアは高くあげた足でエクレレの体を踏み抜いた。


 「私たち……!悪役は……!散り際に……!最も華がある……!なのに……!お前は……!私の……!散り際を……!邪魔した挙句……!助けを乞う……!」


 パぺティアはウクレレの体を何度も何度も踏み抜いた。エクレレは踏み抜かれてる間、声にならない声をあげていたが、その場にいる二人からかけてもらえる慈悲など存在していなかった。


 「ハァ……ハァ……ハァ……。いい事を思いつきました。エクレレさん、あなたの望み通り飛ばしてあげます。」 


 「……!ほんほうか!あびがどう!あびがどう!」 

  

 エクレレは腫れた顔で何度もパぺティアにお礼を言った。


 「さぁ、このゲートに入ってください。」


 「そんなことさせな……」


 止めに入ろうとしたコナーに、パぺティアはエクレレに悟られないよう、顔の前に人差し指を持っていき「シー」というジェスチャーをしてコナーを止めた。


  (いいのかコナー。逃げられるぞ。)


  (チャク様。あいつはエクレレを許したりなんかしてませんよ。)


 「ではエクレレさん、さようなら」


 パぺティアがエクレレの背を押してゲートの中へと押し込んだ。


 「…………!!!」


 エクレレが転移した先は雲の上だった。


 「バベディアーーーーーーー!」


 羽のなくなった天使がどうなったかは語るまでもない……。

 

 

伏線というか……設定を全て回収できるか怪しくなってきた……

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