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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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テレビゲーム対決 前編


「お嬢様!私はこの子にします!」

最初にキャラを選んだのはフラン。

ピンクで丸い主人公。

ちっこい。可愛い。かっこいい。

三拍子揃ったその姿は確かにフランに似合う。


「あたしはこいつにする。強そうだ。」

小鳥はガノ※ドロ※を選んだ。

たしか火力特化のキャラ。

小鳥の大雑把な性格には似合うかもしれない。


「めぐるちゃんの子は綺麗だね。知らない子だ。」

めぐるちゃんはベ※ス?ってキャラを選んでた。

「この子が出るゲームが大好きなんです。

 キャラによっては同性婚もできるんですよ。」

めぐるちゃんが目を輝かせた。

布教したくてしょうがないという顔をしている。

「じゃあ今度やらせてもらってもいい?」

私がそう言うと、めぐるちゃんは小さくガッツポーズをした。


「じゃあ俺なー!俺の好きなキャラ当ててみて!」

正直、使うキャラは完全に予想できてる。

新しいキャラについては分からないけど、鈴は絶対にこのキャラを使うと。


「Mr.ゲーム※ウォッチ、でしょ?」

高火力、低耐久。

さらに運任せの技。

鈴の好きな要素しかない。

「へへっ。あったりー!」

鈴がボタンを連打する。

『ミ『ミ『ミ『ミスターゲームアンウォッチ』

キャラ選択音が高らかに鳴った。

そして鈴は私にデコピンしてこう言った。


「ご褒美だ。てめぇからぶっ殺してやるぜ。」

「ぁ゙ぁ゙ん?」


おっと、小鳥みたいな声を出してしまった。

私はお淑やかなんだから。

そんな挑発には乗らないぞ!


「じゃあ罰ゲームはどうしよっか?」

鈴をボコボコにして謝らせてやる。

「ば、罰ゲームですか??」

めぐるちゃんが慌て始めた。

「大丈夫。めぐるちゃんには酷いことしないよ。

 1位の人が最下位の人に好きな命令する。

 それでいい?」

小鳥とフランが呆れたような溜め息をついた。


「お嬢様?勝算はあるんですか?」

「大丈夫。秘策はあるよ。」


ほんとは鈴にそこまで強さを期待してない。

鈴は絵を描いたり、機械を弄るのは得意。

でも勝負事はあまり強くない。

だから今日も速攻で倒して、あとはフランに1位を取ってもらう。

それでフランに頼んで、鈴に謝らせる。

完璧な作戦だ。


「ところでお嬢様は誰を使うんですか?」

「あ、ちょっと待ってね……。この子にする!」


私が選んだのはペル※ナってゲームの主人公。

ジョーカーって名前らしい。

よく知らないけど、すごくイケメンだ。


「王子様はこういう子が好きなんですか?」

「ん?違うよ。最強キャラで調べたの。」


だって勝たなきゃだし。

私は好きなキャラより勝てるキャラを選ぶよ、そりゃ。

みんなの視線がちょっと冷たいけど、そんなの気にしない。


「ふっふっふっ。はーはっはっはっ!!」

鈴が高らかに笑い出した。

まるで映画の悪役のように。

「その程度で俺に勝とうとは!片腹痛いわ!」

黙っていれば綺麗な顔なのに、それをひどく歪ませて笑う。

もうそこに鈴の可愛い姿は微塵も存在していない。


「みんなは手を出さないでね。」

もう鈴は手遅れだ。

私が元に戻してあげないと。

「鈴は私が躾するから。」

広いステージを選択。

戦いの時は近づいてきている。


「行くよ鈴。私に歯向かったこと、後悔させる。」

「来いよ雑魚。俺が勝ったらてめぇは下僕だ。」


戦いのゴングが鳴った。




「あたしらは普通に遊ぼうぜ?」

「はい、そうですね。みんな仲良くです!」

「う、うん。王子様もテンションおかしいです……。」


3人は私と鈴を避けるように、ステージの端っこへと避難した。

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