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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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焼き肉はいつもと違うメンバーと


「では今日は皆さんお疲れさまでしたー!

 かんぱーい!」


そんなこんなで焼き肉で打ち上げだ。

疲れた身体にお肉が染み渡る。

とっても美味しい。


「お嬢様。焼けてますよ!どんどん食べてください!」

フランがどんどんお皿にお肉を入れてくれる。

私はそんなに大食いじゃないけど、フランの分まで食べなければ。


「今日は年甲斐もなくはしゃいじゃったわ……。

 迷惑じゃなかった……?」

「いえいえ!プロの方に胸を貸してもらえるなんて!

 いい経験になりました!」


近くでは店長さんとキャプテンさんが座ってる。

あんまり話したことない2人。

だけど店長さんは懐が深いし、キャプテンさんは礼儀正しくて爽やか。

すごく居心地のいい席だ。


「なぁ、俺もう帰ってもいいか……?

 疲れすぎて食えねぇよ。」

「駄目。鈴はこのあとお説教だから。」


ただすごく居心地悪そうにしてる人も1名。

りんは途中参戦で、1番最初にダウンした。

多分みんな、この人何がしたかったんだろうって思ってる。


「せっかく来たのに、小鳥っちとは敵だしさ。

 小鳥っちが居るなら勝てると思って来たんだぜ?」

鈴はブツブツと独り言を言ってる。

旅行すっぽかすは、全然連絡は寄越さないわ。

打ち上げ終わったらお説教コースよ。


「そういえばそちらの方はどなたですか?

 手助けしてくれてありがとうございました!」

キャプテンさんが小鳥に声をかける。

まあ気になって当然だ。

ピンチの時に急に現れて、特に意味のない助っ人だったんだもん。


「俺は兎子尾としおりん

 こいつと小鳥っちの親友だぜ。」

謎のドヤ顔。

「なぁキャプテンちゃん?

 良ければ俺の彼女にならない?

 めっちゃ可愛いと思ってぃだっっ!」

頭を思いっきり叩いてやった。


「???」

キャプテンさんはめっちゃ困惑してる。

当然だ。

「ごめん、鈴はすごくバカだから。

 気にしないで。」

鈴の馬鹿が一切治ってない。

まだこいつはこんなバカなこと言ってんのかよ。


「なんで止めるんだよ!」

怒る鈴を無視して、キャプテンさんと会話を続ける。

「こいつ、本当に見境なしだから気にしないで。

 私も小鳥も昔、ナンパされたから。」

そう言うとキャプテンは爽やかに笑った。

「小鳥さんと同列ならちょっと嬉しいですね。

 ちなみに鈴ちゃんは何歳なんですか?」

そう言ってキャプテンは鈴の頭を撫でた。


「聞いて驚くなよ、俺は20なんだぜ」

「え?」


キャプテンさんはすごく驚いてるように見える。

気持ちは分かる。

鈴は中学生くらいにしか見えないもん。


身長は150センチくらいだし、口調もそれ相応。

礼儀もなってないし、考えなし。

どう見ても20歳には見えない。


「肌も中学生くらいの綺麗さよね。

 羨ましいわ。」

「店長さんもめっちゃ綺麗じゃないすか!

 どうです?俺の彼女になりません?いだっ!」


凝りなさすぎる。

今日だけで何回叩かなきゃいけないんだろう。


「ごめんね、私は自分の王国を作りたいから。」

そう言って店長さんは鈴の申し出を断った。

自分の王国?ちょっと気になるワードだ。


「可愛い子に可愛い制服。

 最高に可愛いでしょ?

 あのお店は私のためのお店なのよ。」


店長さんがメイドカフェを営む理由が分かった。

欲に塗れた理由すぎる……。

まあでも手を出してる訳じゃないからいいのか。


「フランちゃんも成長したらぜひ働きにきてね。

 もちろん、新入りさんも一緒に。」

店長さんがウィンクしてきた。

手慣れたウィンク。

多分、この人はこれで何人も落としてきてる。

そう感じるくらい、少しドキッとしてしまった。


「店長ちゃ~ん。一緒に食べよ〜。」

ちょっと離れた席からそんな気の抜けた声がした。

「可愛い子たちが呼んでるから行ってくるわね。

 お店の名刺、無くさないでね!」

そう言って店長さんは席を移動した。

「それでは私も皆のところに行ってきますね!

 また試合するの楽しみにしてます!」

キャプテンさんもサークルのメンバーの元へ。


代わりにいつものメンバーが私たちの席に移動してきた。

小鳥、みゆちゃん、めぐるちゃん。


日常が戻ってきた。



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