↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
PR
8/396

誕生日パーティー


お散歩を終えたあと、私たちは一度解散した。

それぞれの役割の準備とプレゼント選び。

「しばらくは別行動ですね!

 お嬢様はお酒に近づいちゃ駄目ですよ!」

フランもそう言ってぴゅーっとどこかへ行ってしまった。

「あたしも一旦家に帰るわ。

 また後でな。」

小鳥も駅に向かって歩きだす。

バイクで来たみたいだけど、それは停めたままにしていた。

(そこまでして家にビールを残したくなかったか……)

途中から気持ち悪そうにしながら飲んでたもんな。

すごく心配されていることは分かった。


「さてと。」

軽く伸びをしてショッピングモールへと歩きだす。

フランと小鳥へのプレゼント。

なにがいいかな。





プレゼントを買って、部屋の準備もできた。

2人も帰ってきて、そこからはフランが料理するのを待った。


そしてお誕生日会が始まった。


「お誕生日おめでとうございます!」

フランが口火を切って、私たちはクラッカーを鳴らす。

テーブルの上にはケーキとローストチキン。

フランは食べないから2人分。

でもフランは早く食べて欲しそうにキラキラした目で私たちを見ていた。

「いただきます!」

私と小鳥、2人手を合わせて食事に手をつける。

やっぱりすごく美味しい。

味見もしないでどうやってこんなに美味しく作るんだろう。

「味見もしないでどうやって美味しく作るんだ?」

思ったことを小鳥が聞いてくれた。

「お嬢様とお姉様への愛です!」

フランはふふんっと自慢げにそう言った。

私たちもそれを聞いて口元を緩めた。

本当の理由なんて何でも良かった。

ただ愛を込めてくれるのが嬉しかった。


のんびりとご飯を食べてひと満足。

でも今日の楽しみはここから。

「そろそろプレゼント交換しよっか。

 2人も準備はいい?」

買ってきたプレゼントを手元に用意する。

喜んでくれたらいいな。

「まずはあたしからだな。ほらよ。」

小鳥が取り出したのは封筒だった。

「3人分のチケットだ。今度3人で行こうぜ。」

中を開くと夢の国のチケットが入っていた。

「ここ!知ってます!

 東京なのに東京じゃないところですよね!」

フランも目を輝かせている。


「3人分なんて太っ腹だね。」

「あたしも一緒に行きたかったからな。」

「ありがとうございます!!

 すごく楽しみです!!」

「せっかくだし今度映画も一緒に観ようぜ。」

「はい!映画も楽しみです!」

小鳥のおかげでフランもすごく楽しそう。

それにテーマパークの予定と映画鑑賞会の予定。

2つも楽しみが増えてしまった。


「次は私だね。」

私は一度立ち上がり、押し入れを開く。

「これが小鳥へのプレゼント。」

押し入れの中には布団や枕が詰められているだけ。

小鳥はいまいち分かっていないようで首を傾げている。

「小鳥用の布団と枕買ったから。

 いつでも泊まりにきてね。」

私はそれだけ言って押し入れをぴしゃりと閉めた。


「じゃあ次はフランにだね。」

フランへの小包を手元に用意する。

「……まじかよ。」

小鳥がすごく嬉しそうにしてる。

恥ずかしいからフランへのプレゼントに移りたい。

「めっちゃ嬉しいわ。ありがとな。」

そう言って小鳥は歯を見せて笑った。

小鳥にそういうこと言われるとすごく照れる。

私は小鳥から顔を背けて小さく頷いて返した。

「小鳥お姉様が泊まりに来てくれるの私も嬉しいです」

フランもすごく嬉しそうな笑顔を浮かべた。


「……今度こそフランにだね!」

恥ずかしい空気を切り上げて、フランへの小包を手元に出す。

「開けてみて。」

フランがワクワクしながら小包を開けた。

「これって……」

絶対に気に入ってもらえる確信があった。

「懐中時計!!」

フランが大きな喜びの声をあげた。

星の意匠を散りばめた懐中時計。

執事らしさを求める彼女。

時間の大事さを知る彼女。

きっとフランにとって必要なものだと思った。

「お嬢様!ありがとうございます!!」

フランは今にも踊りだしそうな笑顔を浮かべている。

「喜んで貰えて良かったな。

 お前のそんな笑顔見れるなんて思わなかったよ。」

どうやら私も相当な笑顔を浮かべていたらしい。

フランと顔を見合わせて、お互いの顔を見てまた笑った。


「それでは私からお二人にです!」

フランは細い腕輪のようなものを2つ机の上に並べた。

「つけてみてください!」

自信ありげにフランが言う。

腕に嵌める。

「うわっ!」

腕輪は着けた途端に見えなくなった。

「これは私の星の人気商品なんですよ。

 壊れていたのを修理しました!」

私も小鳥も目の前で起きた超常現象をまだ理解できてない。

少し目を泳がせてしまった。

「……もしかしてお気に召しませんでしたか?」

フランが心配そうな顔を浮かべた。

「悪い。初めて見るものだったからびっくりした。

 これが何か教えてもらってもいいか?」

小鳥が仕切り直してくれた。

「はい!これは思念追跡機です!

 ちょっと試してみましょうか。

 2人とも目を瞑って私のことを考えてください。」

言われるがままに目を閉じる。

するとちょっと変わった感覚があった。

目を閉じているのにフランがどこに居るのかすぐに分かる。

「考えた相手の場所が分かる。

 自分のことを考えている相手の場所が分かる。

 そんな機能があります!」

フランはちょっとドヤっとした笑みを浮かべた。


「これでお嬢様が遭難しても安心ですね!」

その言葉に小鳥が吹き出した。

「そっか!それでか!

 確かにそれは嬉しいわ!」

小鳥は大笑いしながら喜んだ。

「……ちょっと不本意。

 でもありがとね、フラン。」

私はフランの頭を撫でる。

フランも私に抱きついた。

そんな私たちの肩を小鳥が大笑いしながら抱えた。


20歳の誕生日会はそうやって終わった。

明日はどんな楽しいことが待ってるのかな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。