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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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部屋シャッフル


「せーの、ぐっぱーじゃす!」

全員で同時に手を出す

私とめぐるちゃんと雛乃がパー。

小鳥とフランとみゆちゃんがグーだった。


今日は雛乃も泊まって計6人。

たまには部屋をシャッフルしてみようというのが今日の遊びだった。


「ではめぐるお姉様と雛乃お姉様。

 お嬢様をよろしくお願いします。」

フランが一度お辞儀をして小鳥とみゆちゃんと一緒に部屋から出ていく。

フランが居ない夜って初めてかな。

ちょっとだけ寂しいけど、それは今は置いておこう。


「じゃあ今日は2人ともゆっくりしていってね。

 フランの一番弟子としておもてなしするよ。」

2人は小さくパチパチと拍手してくれた。

ノリが良くて助かる。


「ではお嬢様方。お茶を入れて参ります。

 しばしご歓談を。」

「私、紅茶がいいわ。」

「私はアイスでお願いします。」

「承知いたしました。」


フランの真似、けっこう良いかもしれない。

執事ごっこ楽しい。

私は鼻歌を歌いながら紅茶を淹れる。

次は執事カフェとかいいかもなー。


「ではこちらをどうぞ。

 あ、お茶の点数教えて!

 フランと比較してどんな感じか知りたい!」

ちょっと執事モード解除。


「飲めはするけど、フランちゃんと比べると駄目ね。

 フランちゃんは250点で、貴方は40点。」

「私もそれくらいかな〜って感じです。

 フランちゃん、どうやってあんなに美味しく淹れられるんでしょうか……?」


まあ赤点じゃないならいいかな。

それにフランが褒められるのは悪くない。


「なんでドヤ顔してるの?赤点ギリギリよ。」

「フランと合わせたら100点超えだよ。超嬉しい。」

「王子様王子様、次は私も淹れていいですか??」

「じゃあ私も。No.1メイドの力見せてあげる。」

「雛乃はホールしかしてないよね?」


結論。

めぐるちゃん75点。

雛乃0点。


「ごめんなさい、この借りは絶対に返すわ……」

雛乃は転んで私にアイスティーをぶち撒けた。

まさか転んで全部零すとか思わないって……。

ホットティーじゃなくて良かった。

いや、本当に。

「ううん、ジャージだったから良かったよ。」

ていうか思うんだけど……。


「雛乃のドジっ娘メイドって素だよね?」

「え?そんなことないに決まってるじゃない?」

雛乃は素で驚いた顔をした。

全く自覚ないんだ。


「今転んだのは?」

「うっかりよ」

「卓球で転んだのは?」

「運動不足」


「ドジっ娘は人気だから演じてるに過ぎないわ。

 本当の私はしっかりしてるもの。」

中々手強い。

意地でも認めないつもりだ。


「王子様。聞いてください。」

めぐるちゃんが話を遮る。

できればめぐるちゃんにも味方になってほしいけど、めぐるちゃんもぽやぽやしてるからなー。

でもめぐるちゃんは意外にも私の味方だった。


「雛乃さん、一緒に歩いてたらすぐ変なものと契約しようとするんですよ。」

めぐるちゃんにしては珍しくちょっと怒った口調。

「この前はウォーターサーバーを契約しようとしてましたし、見るからに怪しい宗教誌も取ろうとしてたんですよ。」

え、そこまでなの?

そんなにこの子やばいの?

雛乃の方を向くとちょっとむすっとしていた。

「でもウォーターサーバーはお得だと思うわ。

 宗教誌も私は深くはハマらないから大丈夫よ。

 配ってる人が可哀想だと思っただけ。」

でも何も考えてない訳ではなさそう……?

それならセーフ?

どうなんだろ?

「アウトに決まってます!

 王子様も言いくるめられないでください!」

めぐるちゃんにしては珍しくおこだ。


「ま、まぁそれは良いじゃない……。

 結局契約はしなかったのだし……。」

雛乃はしどろもどろになっている。

短い付き合いだけど、めぐるちゃんが怒ることのレアっぷりをもう分かっているらしい。


「雛乃だけで契約してるものとかない?

 大丈夫?」

「それは大丈夫よ……。何か契約する時は小鳥さんかめぐるちゃんかフランちゃんに相談するように言われてるし……。」


私がその中に入って居ないのは釈然としないが、それなら安心して良さそうだ。


「あとみゆちゃん?って子でも良いって言われてるけどその子はまだ有ったことないのよね。」

「その子、前に話した小学生の子だよ……。」

「えー……」


私と雛乃はみゆちゃんよりも頼りないらしい。

小鳥は私たちのことをどう思っているんだ。


「みゆちゃん、歳のわりにしっかりしてますよね。

 もう夏休みの自由研究終わってるみたいですよ。」

季節はまだ6月。

それはしっかりしてるって次元じゃないのでは?

「でもそれはすごいわね。

 やっぱり小学生なら植物の観察とかかしら?」

めぐるちゃんは曖昧な顔で答えた。

「一夫多妻制についての研究って言ってました。

 あの子、本気でハーレム狙ってますよ。」

私もその言葉に曖昧な表情で返した。


「明日の練習でみゆちゃんともようやく会えるのね。

 私はハーレムに加えて貰えるかしら?

 ちょっと楽しみね。」

「甘く見ない方がいいよ。

 なんたって私の彼氏候補だからね。」

「王子様ファンクラブの古参でもありますよ!」


明日みゆちゃんが雛乃を見た時、どうするかな。

一緒にハーレム入れたら楽しそう。


トランプ、恋バナ、修学旅行のような夜は更けていく。

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