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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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手のかかる2人


雛乃が帰ったあと、残された私たちはのんびりと駄弁っていた。


「まさかお前と雛乃が仲良くなってるとはな」

「いいでしょ。今はもうマブダチよ。」

「いいなー」

「雛乃に嫉妬してる?」

「いや、お前に嫉妬してる」


小鳥と雛乃はゼミの先輩後輩関係らしい。

上下関係がはっきりしてると、友達になるのは難しいもんね。

そう思ったけど、私もバイトの後輩だった。

よく分からないけど、仲良くなれてラッキーだったと思おう。


「小鳥から見て雛乃はどういう子なの?」

ちょっと気になった。

あんなに雛乃から小鳥は尊敬に溢れてる。

逆に小鳥から雛乃はどうなんだろう。


「うーん、そうだなー……」

ちょっとだけ考えてからひと言。


「危なっかしい後輩」

それは本当に雛乃のこと?

雛乃は頼りになるかっこいい先輩だったけど。


「雛乃、全然危なくないと思うけどなー。」

そう言うと小鳥は小さくため息をついた。


「お前、速攻で家に連れ込んでおいてよく言うよな」

「別に友達だし良くない?」

小鳥はちょっと過保護気味に思える。

なに?小鳥も雛乃のこと好きなの?


「……なんだよ、その目は?」

「なんでもないよ」


「でもお前にも気にかけて欲しいしな……。

 今から言うことは私から聞いたって言うなよ。」

小鳥はそう念押しして、雛乃のことを語りだした。


「あいつ、前にストーカー被害にあってんだよ。

 バイト先のお客さんから。

 私にあれだけサービスしてくれたんだ。

 きっと私に気があるに違いないって。」


あー、それで私に声をかけたのか。

ようやく辻褄が合った気がする。


「でも雛乃、今は大丈夫そうだよ?

 同じことしようとしてた私に注意してきたし。」

「あいつは対策取ると慢心するんだよ。

 自分のことをしっかりしてると思ってるから、尚更放っておけねえ。」

「そんなものかな……。」


お互いの雛乃像が違いすぎて、全然想像がつかない。

昔の雛乃はともかく、今は大丈夫だと思うけどな。


「ていうかお前と似てるんだよな。

 お前、自分のことしっかりしてると思ってるだろ?」

「?当然でしょ?

 いつも面倒みてあげてるの忘れたの?」


また小鳥は1つため息をついた。

なにその反応。心外。


「お嬢様はしっかりしてないですよ。

 遭難したの忘れたんですか?」

フランがお茶を淹れてきてくれた。

むぅ。フランまでそんなことを言うとは。


「フランまでひどい……」

そう言うとフランは頭を撫でてくれた。

「小鳥お姉様も私もお嬢様を心配してるんですよ。

 でも雛乃お姉様はもっとしっかりしてそうです。」

フランはちょっと首を傾げた。

雛乃に関しての意見は私と同じらしい。


「まあ多分そのうち分かるよ。

 お前も気にかけてくれると助かるわ。」

「よく分からないけど任されたよ。

 雛乃は大事な友達だしね。」

今ごろは雛乃のお家についた頃かな。

お泊りするめぐるちゃんがちょっと羨ましい。


「今日は小鳥もこっちに泊まりなよ。

 めぐるちゃん居なくて寂しいでしょ?」

「じゃあお言葉に甘えることにするよ。」

「やった。」

 

私たちは私たちでお泊り会をすることにしよう。

向こうには負けないくらい、楽しい夜を過ごしてやるぜ。

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