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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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フラン、ハイテンション


思えば昨日の夜から予兆はあった。


「お嬢様。今日は早く寝てくださいね。」

「お嬢様?……呼んでみただけです。」

「お嬢様。明日が楽しみですね。」


映画を観た後からフランはずっとそわそわしていた。

よくわからないけど可愛いなー。

私はそんな風にして、あんまり気にしていなかった。


でも朝の5時半。

フランのそわそわの正体が分かった。


「お嬢様!起きてください!

 今日はサッカーしましょう!」


昨日の映画で、フランの何かに火が点いたらしい。

フランは朝からすごくハイテンションだった。


「……まだもうちょっと寝させてぇ。」

布団に包まる。

今日はまだもうちょっと寝たい……。


「だーめーでーすー!

 善は急げ!ですよ!」

フランは無理やり布団を引き剥がしてしまった。


「お嬢様も昨日の映画楽しんでたじゃないですか!」

「観るのはいいけど、運動するのは苦手……。」

「お嬢様ちょっとずつ体力ついてるし大丈夫ですよ!」


その後も色々と言い訳をしたが、最後は私が負けてしまった。

寝ぼけた頭じゃ良い言い訳なんて思い浮かばなかった。



「でも人数どうするの……?

 あと21人足りないよ。」

「皆さん参加するので、あと18人です!」

「私、マネージャーがいい……。」

「マネージャーはめぐるお姉様に決定してます。」

「ぐぅ……」


さすがにめぐるちゃんを押しのけてマネージャーはできない。

めぐるちゃんは無理させたら倒れちゃいそうだし……。


「今日からチームメイト集めですね!」

「当てはあるの?」

「少林寺サークルが近くにあるらしいです!」

映画の影響を受けすぎてる……。


「あのね、フラン。」

「なんですか?お嬢様。」

「サッカーするのに少林寺のことは忘れて。」

「あんなに格好良かったのにですか?」

「うん、忘れて。」


フランを説得して少林寺とサッカーを切り離す。


「でもチームメイトかー……」

正直11人も集まる気は全くしない。

このアパートのメンバー、基本的にぼっち気質だし。


「お嬢様はメンバー探しが一番好きなんですよね!」

フランがキラキラした目で見つめてくる。

「映画のシーンの中だとね。

 でも私にそんなワクワクする友達の伝手はないの。」

一応、腕輪でりんの場所を調べてみる。

まだ徳島県。

呼ぶことはできなさそう。


「むぅ。じゃあゆっくり探すしかなさそうですね。」

ちょっとフランのテンションが下がった。


「でもとりあえず今日は1人見つけましょう!」

フランがジャージ姿で外に出ていく。

2人で話しているうちにいつもの時間になってしまった。


「サッカーかー……」

パスの練習中に腕を折った過去を思い出す。


まあでもフランがやりたいなら仕方ないか。

私はそう思いながら、フランのやりたいことを応援することに決めた。


できれば11人集めて2人目のマネージャーに就任したいけど。

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