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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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ボードゲームで遊ぼう 前編


「そういえば。

 めぐるちゃんはボードゲームとか得意なの?」

部屋には1人用のゲームだけでなく、多人数用のゲームもたくさん置いてある。

意外と学校の友達と集まって遊んだりとかするのかな?

そう思って聞いてみた。


「うっ」

めぐるちゃんは痛いところを突かれたような顔をした。


あ、これはやらかしたか。

聞かれたくない質問をしてしまったかもしれない。


「実は買ったはいいけどやったことはないんです。」

そう言ってめぐるちゃんは悲しそうな顔をした。


一瞬だけちょっと気まずい雰囲気が流れた。

でもそんな雰囲気はフランが明るく払拭してくれた。


「じゃあみんな初心者で遊べますね!

 なにかおすすめのゲームはありますか??」


それを聞いてめぐるちゃんの顔が明るくなる。

「じゃ、じゃあこれやってみたいです!!」

そう言うと1つのボードゲームを取り出した。


「ゾンビのゲームです。

 楽しそうで買ったんですけど遊ぶ相手がいなくて……」


めぐるちゃんが箱を開けると、そこには色んなものが入っていた。

プレイヤーの駒やゾンビの駒。

それに多種多様なカード。

こういうの初めてだからちょっとワクワクしてしまう。


「えっと、基本的には皆で協力するゲームです。

 それぞれ2つのキャラの駒を使います。

 みんなで協力しながら危機を対処して、6ラウンド生き延びたらゲームクリアとなります。」


めぐるちゃんがルールブックを読み上げる。

協力型のゲームか。

ゾンビのゲームだから殺伐とするかなって思ったけど、仲良くできそうで良かった。


そんなことを思っていたが、まだ説明は終わっていなかった。


「ただし、1人だけ裏切り者がいます。

 裏切り者は協力するふりをして、6ラウンドまでに自分だけの目標を達成しましょう。」


空気が変わったのを感じた。


「へー、そりゃ難しそうだな。

 あたしにできっかな。」

「私もルールを読んだのは初めてなので……。

 裏切り者なんてドキドキしちゃいますね……。」

「私は嘘つくの苦手です……。

 裏切り者にはなりたくないです。」

「私も正直者だから。

 嘘ついたらすぐにバレちゃうかも。」


全員が裏切り者になった時に備えて、無害さをアピールし始める。

この段階から勝負は始まっていた。


多分1番警戒すべきはフラン。

フランはゲームだと容赦ない。

普通にニコニコしながら嘘をついてくる。


次点はめぐるちゃん。

私の過去を知ってるから警戒してくる。

もし私が裏切り者になったら真っ先に殺す。


小鳥はまあいいや。

かっこつけてるけど、根が正直者だし。


それぞれが警戒態勢で準備を進める。


そして裏切り者を決めるカード。

それを引く時が来た。


『裏切り者の密命

 貴方の使命は5ラウンド目で生存者を全滅させること』


そっか。

私が裏切り者か。


中学演劇で一度は天下を取った私の実力を見せてやろう。

私は表情を変えず、ただその使命を胸に刻んだ。

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