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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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めぐるちゃんのお宅訪問


小鳥の家に泊まった翌々日。

私とフランと小鳥はめぐるちゃんの家に遊びに来ていた。


「……すごいね。」


めぐるちゃんの部屋を見て私は絶句した。

すごく綺麗に整頓されたホコリ一つない部屋。

ただ一人暮らしには不必要なもので溢れていた。


「これ!映画で見たことがあります!」

フランが目を輝かせる。

その先にあるのは海外の映画によく出てくるようなピンボール台。

他にも知らないボードゲームや雀卓。

そう言ったものがぎっしりと部屋に詰め込まれている。


何もない小鳥の部屋とは真逆。

ミニマリストの反対ってなんていうんだろう?

とにかくそんな雑多な部屋だった。


「ありがとうございます。

 私の自慢の部屋です。」

私の絶句を褒め言葉と受け取ったらしく、めぐるちゃんはにこやかに微笑んだ。


足の踏み場はあるし、動線は確保されている。

でも一列になって歩かないと奥に進むことができない。

なんとも不思議な部屋。


「これって奥の物を取り出したい時はどうするの?」

通路に面している物で遊ぶことはできそう。

でも奥にあるもので遊ぶことは難しそう。

疑問に思ったから聞いてみる。


「ふっふっふ。よくぞ聞いてくれました。」

めぐるちゃんはちょっとドヤ顔をした。


「試しにどれか指さしてくれませんか?」

「えっと、じゃあ1番端っこのあれかな。」

私が指さしたのは洋画に出てくるようなサッカーのボードゲーム。

それは部屋の角っ子に鎮座していた。

「はい!テーブルフットボールですね!」

あれってそんな名前なんだ。


「取り出すので、少し廊下に出てもらえませんか?」

めぐるちゃんの指示で廊下に戻る。


するとめぐるちゃんはスライドパズルを解くように、すらすらと家具を移動し始めた。


「はい!どうぞ!」

そうしてあっと言う間に奥の物を手前に持ってきた。


「おー、すごいな」

そう言って小鳥は小さく拍手をした。


「……ねえ小鳥。小鳥と正反対だけど大丈夫?」

小さな声で聞いてみる。

「まあ大丈夫だろ。部屋は別だし。」

小鳥は特に気にしていないようだった。


「こういう部屋が作りたくて、パズルの練習たくさんしたんですよ。」

そう言ってまた家具を元の位置に戻していく。

サッカーゲームはまた部屋の角へと戻っていった。


「楽しいお部屋ですね!

 私はこういう部屋も良いと思います!」

フランはどれから遊ぼうかそわそわしていた。


まあでも小鳥が大丈夫なら私から言えることはない。

それなら私もフランと一緒に何で遊びたいか考えることにする。


ミニマリストとその反対。

その2人が同居してどんな家が生まれるか。


私は他人事なのでのんびりと見守ることにした。



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