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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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隣の部屋は誰の部屋?


「うん、いいよ!めぐるちゃんなら大歓迎!」

めぐるちゃんの提案に私は歓迎の意を示した。

盗聴とか盗撮とかじゃなければ全然いいでしょ。

めぐるちゃんいい子だし。

「お嬢様が良いなら私も歓迎しますよ!」

フランも顎の下を撫でられながら言う。

すごく猫っぽくて可愛い。

今度私もしてみよう。


私とフランは大歓迎。

でも小鳥だけは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。


「……じかー……。……や……も……ちだしな……」

聞こえないくらい小さな声で、ぼそっと何かを言った。

「フラン、小鳥は今なんて言った?」

こんな時はフランの出番。

誤魔化しなんてできないと思え。

「まじかー。いやでも早い者勝ちだしな。

 小鳥お姉様はそう仰ってました。」

フランがそういうと、小鳥は頭を抱えた。

「どういうこと?

 フランの前で嘘がつけるとは思わないでね。」

フランがニコニコしながら手をかざす。

ウソ発見器の真似。

いやまあフランにそんな能力はないけどね。


観念したのか渋々と小鳥が喋りだす。


「いや、あたしも隣に住もうと思ってたんだよ。

 朝の日課にたまにしか来れないの寂しいし。」

「そんなに私のことを想ってくれてたんだね。

 でもごめんね。私にはフランがいるから。」

「黙れバカ」


「まあでも先に決心したのはめぐるの方だしな。

 あたしのことは気にすんな。」

そう言って小鳥はめぐるちゃんに笑いかけた。


「え、えっと……。急で変かもですけど。

 もし良ければ一緒に住みませんか……?」

「え?」

突然の提案に小鳥はそれだけ返した。


「いや、でもあたしとなんて怖いだろ?」


小鳥は目つきが悪くて背も高い。

まあ本人も人を寄せ付けないように使ってるから、気にしてるわけではないだろうけど。

それでも年下の女の子には気を遣うようだった。


「かっこよくて素敵だと思いますよ……?」


めぐるちゃんは全くそれを気にしない。


「1人で住むには広いですし、むしろ一緒に住んでくれると助かります。どうでしょうか……?」

「……ほんとにいいのか?」

「はい!」

「……じゃあよろしく頼む」


そうして2人の引っ越しが決まった。

隣の部屋に友達がいる。

きっとそれは間違いなく楽しい。


私は楽しい予感に胸を膨らませ、ただニコニコと笑うばかりだった。



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