帰宅いちゃいちゃ
「ただいまー!」
「ただいまです!」
メイドさん達との遊びも終わり、私たちは帰宅。
小鳥も今日はもうひとりでのんびりするということなので、私とフランのふたりきり。
「えへへー。ぎゅーです。」
お家に帰るなり、フランが抱きついてきた。
可愛い。
でもまだ手も洗えていない。
ここは我慢して、手を洗ってからにするべきだろう。
「えへへ。お嬢様もぎゅーしてください。」
「もう!しょうがないなー。えへへー。」
まあでもやっぱりフランのぎゅーに応えないなんてできるわけがない。
もしそんなことできたら、私は悪い宇宙人に乗っ取られてる。
「ふふー。えへへー。」
「フラン好きだよー。かわいいー。」
そのまま玄関で靴も脱がずにぎゅーをしばらく。
会えなかった1日分を満たしたところで、フランが私から離れた。
「えへへ。では手を洗わなきゃですね!
私が洗って差し上げます!」
そう言ってフランが私の手を引く。
お風呂はともかく、手を洗ってもらうのは初めてだ。
まあでもえへへ。
その申し出を断る理由もない。
「はい!どうぞです!」
洗面所。ぬるめのお水。
完璧な温度の水に手を差し出す。
すると私の手にフランが指を這わせる。
「えへへ。ちょっとくすぐったい。」
私がそう言うと、フランはわざとこしょこしょと指の間をくすぐった。
「わ、フランはいじわるだね。ふふっ。」
「えへへ。わざとじゃないです。」
フランはそんな風におどけて、今度は手のひらをこしょこしょ。
やっぱりいじわるだ。
「終わったらフランの番だよ?」
私がそう言うと、フランはまたえへへと笑った。
とびきりくすぐってあげよ。
そう思った瞬間にまた指の間をくすぐられた。
「えへへ。次は泡々ですよ。」
しゅっしゅとハンドソープを手にとって、フランはそう笑う。
私よりも小さな指。
石鹸でちょっとぬるぬるしてる。
「ふふー。お嬢様ぴかぴかになーれ!です!」
「わ、ちょっくすぐったいっ。ひゃっ。」
指の隙間まで一本一本丁寧に洗われる。
初めての経験にどうしても声が漏れてしまう。
でもフランは悪戯に笑うばかり。
手加減してくれる気配はない。
「もう、だめだって!ふふっ。」
「お嬢様はくすぐりに弱すぎるのです。
今日は特訓です。こしょこしょー。」
「ひゃ、ふふっ、えへへっ。」
「えへへー。」
洗面所に私の声が響く。
小指から薬指。
薬指から中指。
次に進むかと思えばまた小指。
ずるっこだ。
「あ!お嬢様!逃げちゃだめです!」
手を引こうとしたら、フランがぎゅっと掴んで戻す。
くすぐったさから逃げられない。
「まったくもうっ。
手はちゃんと洗わなきゃだめなのです!」
「ま、待って、ふふ、もう綺麗だよ!」
「まーだーでーすー!えへへー!」
指先が終われば今度は肘まで。
ずっとずっとくすぐったい。
しかもフランが洗ってるのは右手だけ。
このあとはまだ左手も残ってる。
「フラン、ギブ!ギブ!」
「ギブしたらお腹もくすぐります!
今日は特訓の日なのです!」
「それは、ひへへ、ずる、いよ!ひゃっ。」
今日の普段はいじわるフラン。
ギブアップも認められないままにフランの手は左腕へと移る。
当然だけど、左腕もくすぐったい。
どれだけ時間が経っただろう。
笑いすぎてお腹も痛くなってきた頃。
「ふふー。これでぴかぴかです!
すべすべのつるつるです!」
フランが私の両手を掴んでそう嬉しそうに笑ってみせた。
悪戯な笑顔とは打って変わって、天使のようなぴかぴか笑顔。
(うー。でもさすがに疲れた……。)
腕ってあんなにくすぐったいんだな。
フランのくすぐりはやっぱりすごく上手。
ひゃーってなっちゃう。
(でも満足してくれて良かった。)
私の腕をさすって満足げなフラン。
この可愛い笑顔を見ると、頑張って良かったって思える。
それからうがいをしてメイクも落として。
部屋着にも着替えた。
あとは何して遊ぼうかな。
そう考えた時だった。
「ん?どうしたの?」
「えへへー。」
ニコニコのフランが私の手を引く。
よく分からないけど可愛いからついていく。
とてとてと歩いて寝室。
しゃがむように促されたのでしゃがむ。
するとフランは優しく私をベットに押し倒した。
可愛いな。
そう思ったのも束の間。
「特訓の続きです。お嬢様。」
気づけばフランは悪戯笑顔。
お腹に手が潜り込む。
「まっ」
「待ちません!」
ということでくすぐり再開。
私の受難はまだ続くのであった。




