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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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王子様グッズについて


「こんにちは!今日はよろしくお願いします……」

小鳥が居るから少し緊張してる。

「ごめんね、小鳥の顔が恐くて。」

そう言うと小鳥が後ろから私の肩を小突いた。

「こちらこそよろしくな。仲良くしてくれよ。」

小鳥が差し出した手をめぐるちゃんが握る。

まだ緊張はしてるけど、問題はなさそうだった。


「そういえばグッズってどんなの作ってるの?」

私にとっての今日の本題。

さすがに昔の写真でも今の写真でもグッズ化されたくはない。

もし使ってるなら友人関係を少し考え直さなきゃいけなくなる。


「は、はい!こちらです!」

少し恥ずかしそうに、少し自慢げに。

めぐるちゃんが机の上に物を広げる。


王子様と執事の可愛らしいイラスト。

それが描かれた団扇やTシャツ。

そういったものが並べられていた。


「王子様とフランちゃんの2人をイメージしてみました」

そう言ってめぐるちゃんははにかんだ。


「おー、この感じはフランちゃんっぽい。

 すごいな。めっちゃ上手じゃん。」

「てっきり隠し撮り写真とか使ってるのかと思った。」

「隠し撮り写真なんて使ったら恐い人ですよ!

 そんな変なことしません!」


いや、でも昔は使ってたけどね。


「まあでもこれくらいならいいだろ?」

「うん、フランのイラスト可愛いし。

 お金出すからもらってもいい?」

「え、そんな……お金なんて要らないです!」


お金を貰おうとしないめぐるちゃん。

次のグッズの開発費用にと言ったらようやく受け取ってくれた。


冷静に考えたら私のグッズを作ってるって変なことだけど、目を瞑りたくなるくらい可愛いイラストだった。


「これ、私ですか?」

フランも目を輝かせてイラストを見てる。

「はい、気に入ってもらえたかな……?」

恐る恐るといった風にフランの顔を覗く。

「はい!めぐるお姉様すごいです!」

そう言ってめぐるちゃんに抱きついた。

めぐるちゃんは慣れてないのかあわあわとしてる。

でもフランの毒気のなさにすぐに落ち着いて、その頭を撫で始めた。


「あ、そういえば」

フランを撫でながらしばらく談笑した後。

めぐるちゃんは思い出したかのように声を上げた。


「今日は相談があって来たんでした。」

「うんうん、お姉さんに相談してみて。

 暴力沙汰でも小鳥が解決できるよ。」

「おい。」

また頭を軽くはたかれた。


「いえ、そういうのじゃないんです」

ちょっと焦りながらめぐるちゃんが手を振って否定する。


「私、引っ越ししようと思ってて……」


「隣の部屋、住んでもいいですか?」


それは驚きの提案だった。

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