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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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キャンプ場まであと1時間


「ついたぞー!!降りろー!!走れー!!」


歌って遊んで楽しみ尽くした長い長いドライブは、急ブレーキとともに終わりを迎えた。

キャンプ場、混んでなきゃいいなー。

喧騒があると、皆で星を眺めたりできないし。

とまあ、私はそんなことを考えていたのだけれども。


「あれ、鈴?ここに泊まるのか?」

「おうよ!ほら小鳥っち!荷物運んで!

 お前とフランちゃんが頼りだからさ!」


ふむ、そうか。

いやさ、混んでないところがいいかもってリクエストしたのは私だ。

でもこう……山登りから始まるキャンプだとはね。

初心者軍団には中々にハードルが高そうだ。


車が泊まったのは、人の手が最低限に入っている山奥だった。

舗装のされていないでこぼことした獣道。

ただ一応はロープが張ってあって、草も最近刈られた痕跡がある。

道の体はなしているといった様子だ。


「歩くの大変になったら言ってくださいね?

 私がおんぶして差し上げます。」


フランがテントや炭、寝袋などを軽々と背負って私に

見てるだけで重い……。

さすがに今のフランに頼るのは申し訳ないな。

頑張るしかあるまい。


「悪いな、フラン。あたしももっと持てりゃあな。」

「いえいえお気になさらずにです!

 小鳥お姉様も疲れたら無理しないでくださいね?」

「ふふ、心配してくれてありがとな。」


小鳥はそう言ってフランの頭をくしゃくしゃと撫でた。

うーむ。

でも小鳥もすごい量の荷物だ。

荷物の分配割合はフランが6、小鳥が3、鈴が1。

そして私はほとんど手ぶらだ。

自分用のちょっとした荷物だけ。

なんだか申し訳ない。


とはいえ無理はできない。

ぱちんっと頬を一度叩いて、登山開始。

まあ傾斜は急じゃない。

ちょっとしたハイキングだと思おう。


「鈴ー。これってどれくらい歩くー?」

「1時間くらいだよ!

 あ、でも途中で休む!俺は一気に登るの無理!」


ふむふむ。

まあそれくらいなら頑張れそう。


「でもここって無断侵入とかじゃねぇよな?

 誰か知らない人の山とか。」

「でぇーじょうぶ。でぇーじょうぶ。

 ここ、俺の山だからー。」

「へー。」


そうか、鈴の山なのか。

それなら安心だ。


「ねぇねぇ、みんなで歌いながら歩こーぜ!

 その方が楽しいし疲れない気がする!

 俺からな!あるーひ♪」


鈴は楽しそうにワンフレーズ口ずさんだ。

次は私かな?


「もりのなーか。」

「くまさーんに♪」

「であーた。」


フラン、小鳥も次いで歌った。

歌いながらの登山、確かにいいかも。

あんまり疲れない気がする。


『はなさーくもーりのみちー♪

 くまさーんにでーあーたー♪』


4人でコーラス。

さぁ次は2番だ。


「くまさんの

「……いや、ちょっと待て。鈴の山?」

「ん?それが……鈴の山?」


小鳥が首を傾げて、それで私も気づいた。

え、ここ鈴の山なの?

自分の山ってなに?


2人で鈴を見つめると、てへっと舌を出しておどけた。


「にゃー。そ、おれんち。

 散らかっててごめんなー。

 あ、エロ本探すなよ!」


なんでこんな山を持ってるんだろう。

そこまで考えて、ぴきんっと確信が走った。

鈴ならやりかねない。

そんな馬鹿げたアイデアを。


「まさか……このキャンプのために買ったの?」

「え、んな訳ないじゃん。バカなの?」


……。


「……いや、あたしもそう思ったから落ち込むなよ。」

「私もです……。鈴お姉様なら買うかなって……。」


良かった。

小鳥とフランも同じことを思ってたらしい。

鈴にバカって言われるのこたえる……。

2人も同じで良かった。

ひとりだったら膝から崩れてたかもしれない。


「ここさ、俺が墜落した山なんよ。

 そんで思い入れもあるからさー。

 ちょっと前に買ったんだー。ふひぃ。」


鈴は息を切らしながらそう言った。

でもそれで買っちゃうとは……。


「お金とかは大丈夫なの?

 めちゃくちゃ高かったんじゃないの?」

「まぁ安かったよ!

 当時の領主さんとは仲良かったからなー!」

「絶対ちょっと前じゃない……。」


領主さんて。

どう考えても明治以前じゃん。


「でもそんな大事な場所に呼んでいただけるなんて。

 今日は楽しませていただきますね。」


フランがそう纏めてくれたからお金の話は終わり。

うん、あとは登ることだけを考えよう。


「ふひぃ。疲れたー……。ちょっと休憩。」

「ごめん私も。」


ただまぁ中々にハードな道のり。

キャンプ場にたどり着く前に体力使い果たさないか、もしくはたどり着けるか、ちょっと心配。


「お嬢様、小鳥お姉様。お水です。」

「ありがとな。」

「ありがとー……。」


ちょっと休憩して、また登山再開。

何度も休憩を挟みつつ約1時間歩いて、私たちはキャンプ場にたどり着く。

そこは……。



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