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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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テントの予習


さてさて。

キャンプは来週だ。

ただし、それをただ待てるほど私たちは大人じゃない。

テントを買ったその日。

私とフランと小鳥の会話。


「なぁ。テントってやっぱり練習した方がいいよな。」

「あー……。確かにそうかもね。」

「ですねですね。練習しましょう!したいです!」


いやさ、本当は練習要らないの知ってるよ。

フランも鈴もめちゃくちゃ器用だからね。

でもさー。目の前にテントあるんだよ。

開いて見たくなるのは男の性ってもんじゃん。

男ではないけどね!


ということでお買い物から帰ってすぐ、私たちはアパートの駐車場で組み立てを始めた。

もちろん、大家さんの許可を取って。


「がんばってなー。」

「がんばれー。」


大家さんとみゆちゃんの応援を受けて、私たちはテントを袋から出した。

組み立て前から中々の大きさ。

これは腕が鳴りそうだ。


テントの組み立て動画をユーチューブで点けて作業開始。

さぁ頑張ろう!


「フラン、その柱?ポール?とって!」

「はい!かしこまりました!」


今回フランはお手伝い。

私だってちょっとは頑張りたいのだ。

フランが本気を出したら1分くらいでできちゃうからね。

私のそわそわを見て、今日はアシスタントをやってくれている。


テントの布地の中に支柱を通していく。

けっこう複雑。

それに2人でやるのはけっこう大変。


「せーので持ち上げんぞー。」

「はーい。みゆちゃんせーのおねがーい。」

「うん、せーのっ。」


みゆちゃんの掛け声に合わせて、支柱を通したテントを持ち上げる。

あっという間にツールームテントの寝室部分が出来上がった。


「おねえさんたち、きようだね。えらいね。」


みゆちゃんがぱちぱちと拍手を送ってくれた。

ふふふ。

そう言われると続きも頑張れる。

私は褒められることが大好きなのだ。


「ほらほら小鳥!続きも頑張ろ!」

「へいへーい。」


次はリビング部分。

また支柱を通して持ち上げ、テープで布と柱を固定する。

寝室部分で慣れたもの。

私、キャンプ向いてるかも。


無風ということもあり、作業はサクサクと進む。

リビング部分も早々にできあがり、テントのシルエットが完成した。


「いえーい!完成!」


私がそう万歳すると、みゆちゃんが駆け寄ってきた。

ハイタッチ、そして頭を下げると撫でてもらえた。

いい気分。

このままテントの中で寝ちゃいたいな。

程よく疲れた。


「おいバカ。まだ終わってねえぞ。」

「え。」


なに。

完璧にテントのシルエットは出来上がってる。

これ以上、なにをしろというのだ。


「お嬢様、インナーテントです。」

「いんなーてんと?」


知らない言葉だ。


「通気性を良くすんだってよ。

 あとちょっと頑張ろうぜ。」


ぽんと肩を叩かれた。

へー。

勉強になるな。

じゃあちょっとやる気出し直し!

あと少し頑張るぜ!


「みゆちゃん、あとちょっと待っててねー!」

「がんばれー!」


まあでもほんのあと少し。

可愛い応援をもらったし、体力は完全に回復。

みゆちゃんを見ると、テントに入るのが楽しみなのか足をぱたぱたとしている。

一刻も早く組み立てねば。

早くみゆちゃんにテントを楽しんでもらいたい。


テンポをちょっと上げて、最後の仕上げ。

今度は中身まで完璧。

最高のテントが出来上がった。


「ふふん、どうよ。完璧でしょー。」

「けっこう良い出来だろ?ふふふ。」


2人でドヤ顔。

小鳥ともハイタッチ。

さあお客様を迎え入れよう。

2人でテントの入り口を開くと、みゆちゃんとフランが手を繋ぎながら入っていった。

私たちもそれに続く。


「ひろびろ。かいてき。」

みゆちゃんが中を見てそう呟いた。

うん、ちゃんと4人だって狭くない。

「今日はここで寝る?」

「あぶない。だめ。」

即座に断れてしまった。

な、なんで。

「固定してねぇんだから危ないだろうが。

 風吹いたら崩れんぞ。」

小鳥の言葉に、みゆちゃんはこくりと頷いた。

そんなに危ないの?

フラン居れば大丈夫だと思うけどね。

「フラン、どう?」

「大丈夫です。安心してください!」

ふふーんと自信有りげな表情。

「大丈夫だって?」

「うーん。」

小鳥はちらりと大家さんの方向を見た。

「……でも爺さんに説明できねえだろ。」

あー。安全性については理解できる。

ただ大家さんにそれを証明するのは確かに難しいな。


こんこんっ

そんな時、テントの外からノックが聞こえた。


「おーい。」

「あ、はーい。今開けますねー!」


テントを開けると、大家さんがすぐ近くまで来ていた。

もうテントも撤収の時間かな。


「今日はここでお泊まりするんでしょ?

 風は吹かないけど、重りだけ入れときな〜。」


はい、撤収しますね!

その言葉を言う前に大家さんはそう言って両手に持った土嚢を手渡してくれた。


(え?いいの?)


「いいんですか?」

「いいよいいよ。でも土嚢運ぶの手伝ってね。」

「はい!」


私が困惑してる間に話が決まった。

お泊まりできるの?

わ、わ、超嬉しい!


「ふふっ。気をつけてな。」

「はい!ありがとうございます!」


ということで今日は急だけどお泊まりになった。

一足先にキャンプの予行練習。

すっごく楽しみだ。

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