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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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小鳥はキャンプに行きたい


「そういえばさ。キャンプとか興味ないか?」


ゲームをしてる最中、小鳥はそう呟いた。

その場に居合わせたのは私、フラン、それに鈴。

このメンバーだ。

その呟きへの答えは分かりきっていた。


「え!めっちゃ行きたい!」

「行きたい!行きたいです!」

「そんなの俺が断ると思うか??絶対に行く!!

 いーくー!!」


3人それぞれで行きたいと連呼。

だってキャンプだよ。

絶対楽しいに決まってる。


小鳥は安心するように一息をついた。

なに、断られると思ってたの?


「いやさ。昨日めぐるを誘ったら断られたんだよ。

 キャンプは虫がこわいってさ。」

「あー。このみも昔同じこと言ってたな。」


そっか、もう断られた後だったのか。

うー、でもめぐるちゃんは来ないのか。

それはちょっと残念。


「虫さん可愛いのに。めぐるお姉様ったら。」

フランはぷくりと頬を膨らませた。

「まあでもめぐるちゃんはアウトドア苦手だしね。

 あ、そうだ。みゆちゃんは?」

みゆちゃんは虫大好きだし。

きっと来たら大喜びだろう。

「いや、今回は初キャンプだしな。

 さすがに初心者のキャンプに連れてくのはな。」

「あー……。それは確かにだね。」

フランと鈴はいるけど……。

大家さん視点だとちょっとこわいかもだしね。

素人のキャンプ集団なわけだし。


「あとは雛乃かな?」


雛乃はどうだろ?

キャンプとか興味あるタイプかな。

良ければ来てくれないかなー。


「うーん、どうだろ。

 雛乃も虫苦手だった気がすんだよな。」

「まぁまぁ。意外と好きかもだし。

 とりあえず電話してみよ?」


善は急げだ。

さっそく雛乃に電話をかけてみた。


『もしもし、なんのよう?』

「いえーい、雛乃ー!元気ー??」

「ひなひなー!元気かー!!?」

「雛乃お姉様!ごきげんようです!」

『み、みんなは元気みたいね。ごきげんよう。』


声が被ってしっちゃかめっちゃか。

それでも雛乃はどうにか意図を読み取ってごきげんようしてくれた。

さすが雛乃だ。

さてさて本題。


「今度キャンプ行こうと思ってるんだけどさ。

 雛乃も来れないか?」

『わぇっ。きゃ、キャンプですか?

 い、え、う、うーん。

 行きた……う、うん。』

「言い淀んでない?」

『えっと、えっとそんなこと……な、いわ。』


物凄く言い淀んでる。

小鳥とは遊びたいけど、キャンプはこわい。

そんなところだろうか。


「虫こわい?」

『う、うー……。』


私が聞くと、完全に口ごもってしまった。

図星だったらしい。


「無理はすんなよ。

 じゃあまた別の遊びするときは誘うからな。」

『う、うぅ……。ごめんなさい、小鳥さん。』

「いいよいいよ。じゃあまたな。」


電話終わり。

雛乃もキャンプ来られないらしい。


「じゃあこの4人でかな?」

「えへへ。楽しみですね!」


フランが私の背中に思いっきり抱きついた。

とってもそわそわしてるのを感じる。

それだけフランも興奮しているんだろう。


ああでもキャンプ。

ずっと憧れてたんだよね。

みんなで焚き火を囲んでカレーを食べて。

そしてみんなで星を眺める。

めっっちゃロマンチックじゃん。

楽しみ……。


「フランー。一緒にお星様眺めようね。」

「えへへ。もちろんです。

 とっても素敵な夜になりそうですね。」


キャンプの夜に思いを馳せる。

そんな私たちを小鳥も鈴も微笑ましげに見つめていた。


「あ、そうだ!明日空いてる??

 キャンプギア見に行こうぜ!」

「「キャンプギア!?」」


でも鈴のひとことにフランもろとも意識を持ってかれた。

キャンプギア。

あれだよね。

テントとか、あのごちゃごちゃ色んなのついてるかっこいいナイフとかそういうの。


「めっちゃ見に行きたい!私もついてく!買う!」

「私も行きたいです!明日ですね!分かりました!」


2人で鈴に駆け寄ってぶんぶんと肩を揺らす。

すると鈴は楽しそうに歯を見せて笑った。


「よっしゃ。じゃあ明日な!

 へへへ。楽しみだぜ!」


これで明日の予定も決まった。

明日はキャンプギア探し。


えへへ。

どんなの買おっかな。

かっこいい奴買いたいな。



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