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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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みゆちゃんのご褒美マッサージ


「おねえさん、きもちいい?」

みゆちゃんが背中を踏みながら聞いてくる。

すごく気持ちいい……。


私が倒れるように走りきったあと、フランと小鳥はもう1周走りに行ってしまった。

今はみゆちゃんの申し出を受けてマッサージをしてもらっている。


「みゆちゃんも疲れた?」

「ううん、ぜんぜん」

「そっかー……」

運動不足は私だけみたいだった。


「わたし、クラスでいちばんなの」

意外にもみゆちゃんはフィジカルエリートらしい。

小鳥は一晩山を駆けずり回っても元気だし、フランも疲れ知らず。

1番下っ端になるのは避けたい……。

いっそ大家さんに勝負を挑むか?

おじいちゃん相手なら勝てるかもしれない。


「おじいちゃんはもっとすごいんだよ。

 もとオリンピックなんだって。」

さすがに嘘っぽい。

でもみゆちゃんが信じるなら、きっと相応に運動はできるはず。

挑まない方が身のためだろう。


でもふみふみマッサージすごく気持ちいい……。

肩もみとかは力が足りてないけど、体重を乗せるとすごく絶妙な気持ちよさ。

毎日でもしてもらいたい。


「このマッサージ毎日でもしてほしいな……」

つい口に出してしまった。


「!?プロポーズですか!?」

みゆちゃんが素っ頓狂な声をあげる。

え?なんで?


「おかあさんとおなじプロポーズです」

そんなことある?

「えっと!みゆちゃん……」

どうにか誤解を解かなければ、そう思って声を掛けようとした。

だけどみゆちゃんの返事の方が早かった。

「えっと、おねえさんがよければ……

 ふつつかなむこですがよろしくおねがいします!」

そう言うとみゆちゃんはぴゅーと走り去ってしまった。




「おじいちゃん!おねえさんとけっこんした!」

そんな声が窓の外から聞こえた。




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