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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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フランと小鳥とだらだらタイム


モヤモヤが晴れた記念の遊ぼう会。

とは言っても特になにも行く場所なんて思い浮かばず。

ただのんびりとお家で駄弁る会になった。

まあいいのです。

今はのんびりとお話したい気分だったからね!


「いやー。でも、ねー。」

「だなー。」


私の意図を察してくれたのか、小鳥はそう頷いてくれた。

だって彼氏が三股かけるの公認しました、なんて話はちょっと恥ずかしいからね。

濁して話さざるを得ないのです。


「めぐるお姉様、さすがです。

 お嬢様と小鳥お姉様とみゆ様。

 3人を……」

「フラン、しー。」

「?しー。」


人差し指を口に当ててフランに内緒のポーズ。

フランも首をかしげながら、同じポーズで返してくれた。


「ふーん、ふん、ふーん♪」


そしてそのすぐあとに鼻歌を歌い始めた。

綺麗な歌声。

今日のフランはいつもよりテンション高め。


「ふふん、ふふん、ふふーん♪っはい!」

「え、」

「ふふん、ふふん、ふふーん、です!はい!」


輪唱を求めてきた。

私もフランの歌に合わせて歌い出す。

小鳥はそれを微笑みながら聞いていた。


(でも……一人だけ歌わないなんてかわいそうだよね!)


「ふん、ふん、ふーん♪」

フランの歌。

「ふん、ふん、ふーん♪」

今度は私の番。

次はフランの順番だけど……。


「次、小鳥ソロ!」

「え、は!?」


フランもきらきらとした眼差しで小鳥を見た。

小鳥は一瞬だけ言葉に詰まったけど、すぐにフランの眼差しに負けた。


「ふ、ふん、ふふーん……♪」


顔を赤くしながら、そう小さく歌ってくれた。


「ブラボー!!」

「コングラッチュレーションです!」


2人でパチパチと拍手。

いやー、素晴らしいソロ。

録音すべきだったかな。


「じゃあ次はラップパート行こう!」

「ふふっ。小鳥お姉様、ラップもできるのですか?」

「頼むフラン、それは勘弁してくれ……。」


いくらフランの頼みでも、フリースタイルラップはできないらしい。

小鳥は珍しく頭を下げてギブアップした。


仕方ないから私とフランで輪唱続行。

小鳥のラップも聴きたかったなー。


(ああでも楽しいなー。)


最近のモヤモヤが嘘のよう。

小鳥もフランも楽しそうに一緒にのんびりしてくれてる。

こんなに幸せなことってない。


「ふふふふふ。」

「?えへへへ。」


笑っていたら、フランも一度首をかしげたあとに続いてくれた。

輪唱は終わり。

2人で笑い続ける。


「ふっふっふ。」

「えっへっへ。ふふふふふ。」

「なんだよ、二人そろって。」


小鳥はきょとんとしている。

こんなに楽しいのだから、笑わないと勿体ないのに。

よし、ここは私が人肌脱ごう。


「小鳥、おりゃー!」


小鳥にとびかかる。

くすぐり倒してやぎゃっ!


一瞬で取り押さえられた。

さすが小鳥、油断も隙もない。


「ことりー。なんでわらわないのー?」

床に抑えつけられながら、ジタバタと抗議。

小鳥はひとつため息をついた。

「あたしに変なテンションを強要するな。」

相変わらずつれない女だ。

まったく、クールな女は苦手だぜ。


「フラン、小鳥は冷たいねー。」

「ですね、冷たいです。ひえひえです!」


今日はフランも小鳥を弄るのに乗ってくれる日だ。

珍しい。

フランが弄ると、小鳥はぐぬぬと口をとがらせた。


「ふ、フラン。そ、そんなに冷たく……」

「では笑ってください!」

「え、えっと……ふふふ。」

「もっと高らかにです!」

「あーはっはっは!」


小鳥の高笑い。

これは珍しいものを聞けた。


「フラン。」

「もちろんです。お嬢様。」


フランがスマホを取り出した。

そしてそのスマホを少し弄ると……。


『あーはっはっは!』


小鳥の高笑いが流れた。

これは傑作だ。


「フラン、私の目覚ましに設定して。

 これで毎日……ちょっ待って!やめて!死ぬ!」


小鳥が無言で手首を極めてきた。

なにも言わない。

殺意しか感じない。


「ごめんフラン!けして!けして!ころされる!」

「かしこまりました。これで宜しいでしょうか?」


フランがスマホの画面を小鳥に向けた。

それで落ち着いたのか、私の手首は無事に繋がったまま解放された。


「千切られると思った……。」

「折るだけだから安心しろ。」

「安心できるか。小鳥のバカ。」


フーフーと手首に息を吹きかける。

すると小鳥は私の手首を撫で始めてくれた。

優しい。


「でもこれってDV彼氏がやる手法だよね。」

「え」


小鳥が心底驚いたような声を出した。

いや、だって自分で痛めつけて慰めるなんて。

テンプレ的なやつよ。


「え、ま、まじか。

 あたし、そんなつもりじゃ……。」


小鳥はガチで焦ってる。

なんかちょっと楽しい。


「大丈夫。私は小鳥になら殴られてもいいよ。

 これが小鳥の愛なんだもんね。」


私がそういうと、小鳥はスンとした顔になった。


「ごめん、それはガチで気持ち悪い。」

「え、ひどい。」

「そもそもあたしはお前の彼氏じゃないしな。」

「あ、そうだった。前言撤回。」


危ない危ない。

ちょっとうっかり。

あ、そういえば。


「雛乃にはなんて伝えるの?」

私が聞くと、小鳥は少し考え込んだ。

「……とりあえず連絡入れとくか。

 今日雛乃の家に行ってくる。」

そうしてスマホをポチポチと弄った。

雛乃には小鳥から伝えた方がいいだろう。

私が出る幕はなさそうだ。


ピロリンっ。

2分もしないうちに小鳥の携帯が鳴った。

さすが雛乃。

小鳥センサーが反応したのかもしれない。


『今から行きます!

 準備中なので、出発したらまたお返事しますね!』


というわけで雛乃がこれから来るらしい。

さすが雛乃。

小鳥の手を煩わせないようにするなんて。


でも雛乃どんな反応するかな……。

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