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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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私と小鳥とめぐるちゃんの更新


飛び込んできた小鳥は焦っていた。

当然だろう。

きっとフランが私たちの会話に聞き耳を立てていて、それを小鳥に伝えたんだと思う。

小鳥はきっと起きてすぐそんなことを伝えられた。

だから寝癖もそのまま、パジャマだって少しはだけている。

でもそんなことも気になっていないような声。

それだけ私とめぐるちゃんが付き合い始めた?ことが衝撃だったらしい。

とても狼狽えた様子で、私たちの姿を見る。

そして……。


「ごめん……。

 も、もうそんなに進んでたんだな……。

 悪かったよ……。」


一気に落ち着きを取り戻して、部屋から出ていこうとした。

なぜならその視界の先にいるのは縛られた私。

どうやら何か誤解をされてしまったようだ。


「ち、違うから!小鳥!戻ってきて!」

「ごめん!あたしにそんな趣味ないから!

 巻き込まないでくれ!」

「え、えっと小鳥ちゃん!これには訳が!」


めぐるちゃんが小鳥の腕にしがみついてその足を止めさせた。

私は転がったまま、その様子を眺める。

いや、動けるなら動きたいけどね。

さすがに小鳥やフランじゃないんだから、縛られた状態から自力脱出とか無理だよ。


「え、えっとね。

 王子様のこと愛おしくてね、ついね……。」

めぐるちゃんの弁解は最悪と言えた。

聞いた小鳥の顔は引きつったままだ。

「めぐる、人の趣味はとやかく言わないけどさ。

 みゆの前ではやめとけよ?」

ほら、そんな要らない心配までしてる。

めぐるちゃんはあわあわと口を開いてそれ以上の弁解はできそうにない。


(しょうがない……。ここは私が助け舟を出そう。)


「小鳥、めぐるちゃんにそんな趣味はないよ。」

「じゃあお前の趣味かよ。

 めぐるに変なこと吹き込むな。」


過去一レベルで冷たい目で見られた。

普通に悲しすぎる……。

私、なにか悪いことしたかなぁ……。


「あ、わ、わりぃ。気が動転してた。

 そんな顔するなよ。」

「許さないから。」


小鳥が私に近づいてきて、頭を撫でてくれた。

ちょっとは落ち着いたけどさ。

変な趣味があるって決めつけて睨んだのは忘れないからね。


「んで?付き合い始めたって本当か?」


小鳥は私の髪をかきあげながらそう問い詰めた。

え、このまま尋問始まるの?

こんな抵抗のできない状態で?


「え、えっと……。」

「はい!お付き合い始めました!」

「……」


言い淀む間にめぐるちゃんが答えた。

小鳥は黙ってる。

私はなんて答えればいいんだ。

だってめぐるちゃんすごく嬉しそうだもん!

これ以上ないくらい満面の笑顔。


私も小鳥も雰囲気に飲まれて何も言えない。

そんな中で最初に声を上げたのはめぐるちゃんだった。

でもその言葉はあまりに衝撃的で。

多分、冗談抜きで心臓が止まったと思う。


「えと……小鳥ちゃんも私の彼女にならない?」


当然だけど、小鳥も何も言えなかった。

ただ頭を抑えて、くらりと立ち眩みを起こしていた。

分かる、分かるよ。

私も現に今そうだから。


「めぐるちゃん」

「なぁめぐる」


私と小鳥の声が被った。

小鳥の目はお先にどうぞと言っていた。

その言葉に甘えることにする。


「本気?」

「本気です。」


曇りのない眼。

冗談で言ってるわけではない。

私はまた気圧されてしまった。


「王子様も小鳥ちゃんも……。

 最近、様子が変でしたよね?

 お互いのこと避けて、そわそわして。

 それで時折寂しそうにして。」


その言葉に小鳥も言葉を詰まらせた。


「だ、だけどそれはもう解決したから

「してないですよね?

 ため息たくさんついてるの知ってます。」


私の言い訳をめぐるちゃんが遮った。

小鳥も思うところがあるのか何も言えない。

そんな私たちにめぐるちゃんはトドメの言葉を刺す。

 

「2人まとめて私の彼女になれば解決ですよ?

 私は2人とも大事にしますし、ずっと仲良しです。

 それのなにが駄目なんですか……?」


倫理的に駄目。

それは分かってる。

だけど……。


「ねぇ小鳥。」

「なぁ。」


今度は小鳥に譲る。

多分、言いたいことは一緒だから。


「恋人らしいことは……期待すんなよ。」


小鳥はただそれだけ答えた。

めぐるちゃんは一瞬だけ言葉に詰まって……。


「はい!!

 えっと……よろしくお願いしますね!」


とだけ答えた。

これで私たちの関係は今までと少し変わる。

二人そろってめぐるちゃんの恋人に。


そういえば以前めぐるちゃんに小鳥のこと聞かれた時、二人そろってめぐるちゃんの恋人にしてって言ったっけ。

あの時は冗談だったけど、まさか本当になっちゃうとは。


人生、なにが起きるか分からない……。


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