仲直りの麻雀大会
麻雀って楽しそうだなって憧れで書いてるので、間違えてたらごめんなさいです…。
フランと仲直りして自分の部屋に戻ると、そこは麻雀大会の会場だった。
雀卓にコーラ。
ポテチまで用意されてる。
馬鹿な大学生のパーティー会場か?
「お、仲直りできたみたいだな。」
「じゃあさっそく始めましょう!
座ってください!」
遊ぶ気満々の2人。
さっきまでの真剣な雰囲気はどこかへと消え去った。
フランも雀卓を見て目を輝かせている。
「……よし」
時間がない。
遊ぶモードに切り替えよう。
よく分からないけど、2人が遊ぼうって言ってるんだ。
遊ばない手はない。
「フラン、そっち座って。」
「はい!かしこまりました!」
フラン共々席に着く。
するとめぐるちゃんは麻雀のルールブックをみんなに配った。
「私も初めてなので、今日は気楽に楽しみましょう!」
めぐるちゃんがニコニコとルール説明を始めた。
私は国士無双が超すごいくらいしか麻雀知識はない。
所々つっかえながら、めぐるちゃんは解説してくれた。
フランも小鳥もそれを頷きながら聞く。
麻雀のルールはすごく複雑。
ピンと来ないルールも多い。
でも大まかなルールは分かったかも?
とりあえず毎番ごとに山から1枚稗を取る。
自分の持ち稗13枚の中から要らない稗と交換する。
引いた稗が要らなければそのまま捨ててもおっけー。
あと他の人が捨てた稗は拾って自分の稗にすることもできる。
そうやって自分の手札で役の完成を目指すゲームらしい。
(思ったよりも難しいな……。
みんなは大丈夫かな。)
周りを見渡すと、フラン以外の2人は少し首を傾げていた。
良かった。
完璧に理解していないのは私だけじゃないらしい。
ひとまずやってみようということで、とりあえずの1局目を打つことになった。
親、つまり1番手は私。
ひとまず私は要らなそうな稗を捨てた。
「あ、それチー。」
「さっそくかますね。さすが小鳥。」
小鳥が私の捨てた『東』を自分の稗に加えた。
こんな序盤からチーをかますとは。
中々の勇気だ。
「小鳥お姉様。それはチーじゃなくてポンです。」
「あ、そっか。じゃあポンだ。」
言い直して次はフラン。
フランも1枚引いて、1枚捨てた。
続いてめぐるちゃんに小鳥。
全員が1回ずつその手番を終えた。
「うーん……。思ったよりも難しいです!」
めぐるちゃんが両手を上げた。
「ふふっ確かにね。
めぐるちゃんはどうして麻雀したかったの?」
私の言葉にめぐるちゃんはふーっと息を吐いた。
「徹夜で麻雀ってすごく仲良しっぽいなって。
でもこんなに難しいとは思いませんでした……。」
ルールブックをパラパラと捲り、小さなため息。
「役覚えるのが中々難しいよな。
まあでもせっかくだしもうちょっと続けようぜ?」
小鳥が私に次の1巡を始めるように手で示した。
それに合わせて私は山から1枚稗を取る。
そうしてぐるぐると順番は回る。
「リーチです!」
フランがそう宣言した。
リーチはあと1つで役が揃う状態。
フランが勝負を仕掛けてきたと言える。
でも残念。
「フラン。ロン。私の勝ちだね。」
フランが捨てた稗は私が欲しかった稗だった。
その稗で私の役は完成。
1巡目は私の勝利だ。
「なっ!?お嬢様!?」
フランは目を丸くした。
「ふっふっふ。」
フランの油断は丸わかりだった。
ルールをちゃんと全部把握してたのはフランだけだったしね。
その油断を逆手に取れたぜ。
「王子様もルールもう覚えたんですか!?」
めぐるちゃんも驚きの目で私を見る。
「実は私、けっこう頭良いんだよ。
ね、小鳥?」
小鳥を見ると嫌そうな顔で頷いた。
高校の頃は私が小鳥に勉強教えてあげてたからね。
小鳥に私の言葉は否定できまい。
「チーとポン間違えてたのは演技ですか?」
フランが悔しそうに私を見る。
「ううん。それは普通に気づかなかった。
チーもポンも私は狙ってなかったから。」
私が狙ってたのはリーチとロンだけ。
だからそこに関するルールだけ優先して頭に入れたのだ。
そんな感じで1巡目は私の勝利。
2巡目はフラン。
3巡目もフラン。
そんな感じでフラン優勢でのんびりと勝負は続いていく。
「そういえば……」
ちょっと慣れてきて麻雀以外の会話をする余裕が出てきた。
めぐるちゃんに声をかけると、難しそうな顔をしたまま私を見た。
「私とフランの喧嘩。
もし続いてたらどうしてたの?」
純粋な疑問。
もしそうなったら麻雀大会どころじゃない。
泣きながら部屋に帰って、麻雀卓がセッティングされてたらめちゃくちゃ気まずい。
「そこはお二人を信じてました。」
「だな。お前らが仲直りできねえわけねえだろ。」
事もなげに二人はそう言った。
すごく信頼されてる……。
「フランはどう思う?」
「私も同じ意見です!
私たちが仲直りできないはずないです!」
フランが胸を張って答えた。
じゃあきっとそうなのだろう。
私たちが仲直りできないはずない。
すごく力強くて嬉しい言葉。
当然だけどゲーム中、腕輪は使用禁止。
めぐるちゃんだけちょっと不利になるから。
それが今はありがたい。
腕輪ありなら小鳥とフランにすごくニマニマされていた所だ。
「仲直りしたら遊びたくなるかなって思ったのも正解だったね。」
「はい!めぐるお姉様大正解です!
褒めてあげます!」
「えへへ。フランちゃん、ありがとね。」
ニコニコと話すフランとめぐるちゃん。
さっきまで喧嘩してたとは思えない。
フランはそれくらい楽しそうにしている。
「めぐるちゃん、私からもありがとね。」
私がそう言うと、めぐるちゃんはまた可愛く笑った。
「ところで……」
めぐるちゃんの表情がコロリと変わった。
可愛い笑顔から打って変わって気恥ずかしそうな表情。
「ごめんなさい……。
やっぱりルール覚えきれないです……。
今日はスマブラ会にしてもいいですか……?」
ワンテンポ置いて小鳥が答える。
「あぁ!そうしよう!
あたしもさっぱりだ!」
それからめぐるちゃんが寝落ちするまで私たちはゲームで遊んだ。
夜のゲーム大会。
不健康だけどたまにはいいかもね。




