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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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夜ふかしの翌朝


次の日。

さすがにいつもの5時半に起きることができなかった。

目が覚めたら朝の8時。

朝ごはんの良い匂いで目が覚めた。


「あ、起きたな」

小鳥が私の顔を覗き込んでいた。

相変わらずかっこいい顔をしてる。

朝からいい気分だ。

と思ったら私のほっぺたをムニムニし始めた。

「おはよ……小鳥。それやめて……。」

「ほれほれ。早く起きろ。」

むぃーと頬を引っ張られた。

ちょっとだけ目が覚めた気がする。


手作りクロワッサンにサラダ。ほかほかのオムレツ。

それに美味しい紅茶。

すごく優雅な朝。


「まさか手作りパンまで極めてしまうとは。」

クロワッサンはサクサク。

なのにじわりと口の中でバターが薫る。

一口ごとに多幸感が滲み出る。

「もうお互いフランの居ない生活には戻れないな。」

小鳥も紅茶を飲みながら優雅な朝を楽しんでいる。

全くもってその通りだ。

私はその言葉に頷いて答えた。


「お二人がたくさん褒めてくれますからね!

 作るのもすごく楽しいです!」

にこやかにフランが紅茶のお代わりを注ぐ。

小鳥が頭を撫でると、フランは小鳥にくっつくように座った。


「あ、いいなー。

 私も食べたらそっち行くから。」

「急いで食べたら健康に悪いですよ。

 ちゃんとよく噛んで食べてくださいね。」


猫のように撫でられるフランを眺めながらの朝食。

これも優雅。なのかな?

いくら小鳥が羨ましくても、せっかくフランが作ってくれた朝ごはん。

味わわないのはもったいない。

のんびり噛み締めて食べる。


「フラン、今日も可愛いな。

 さらさらな髪も羨ましいな。」

「えへへ。小鳥お姉様もかっこいいです。」


オムレツとサラダはもう食べ終わった。

クロワッサンも最後の一口。

一呼吸して紅茶を飲み干す。


「ご馳走さまでした。」

フランに向けて両手を合わせる。

「お粗末様でした!」

フランが小鳥の膝の上でそう応える。

その身体は小鳥がしっかりと抱きかかえていた。


「残念。フランはあたしが預かったぞ。」

小鳥はフランを手放す気はないらしい。

意地悪な笑みを浮かべてニヤリと笑った。

「それなら私にも考えがあるから。」

椅子に座った小鳥。

その上に抱きかかえられたフラン。

うん、もう1人くらいなら座れるはず。


「フラン、苦しかったら言ってね。」

「大丈夫です!」

「いや、バカ!ちょっと待てって!」


フランをお腹で挟むように私も小鳥の膝に座る。

小鳥がバカ!降りろ!って騒いでる。

まあ気にすることではない。


「フラン、大丈夫?」

「2人に挟まれて幸せです!」

「バカ!近い!抱きしめんな!降りろ!」


私抜きでフランとイチャイチャしてた小鳥が悪い。

だから私は遠慮せずに抱きつく。


「フランといちゃつくなら私も混ざるから。」

「分かった!分かったから!降りろ!」


小鳥が観念したから渋々降りる。


「ほんとはもっと抱き締めて欲しいくせに。」

私がそう呟くと、小鳥は私を睨みつけた。

「んなわけねえだろ、バカ。」

そうは言うけど顔が真っ赤だ。

ほんとは楽しかったくせに恥ずかしがっちゃって。


「小鳥お姉様、私もっとしてほしいです。」

フランがもう一度座るように手招きする。

「ぐっいや……ちょっと待って……」

小鳥はどうするか迷ってる。

「待たない。」

「お前は待てって!」

そしてもう1回小鳥の膝の上。

小鳥はさっきよりも抵抗したけど、すぐに力が抜けていった。


3人小さくぎゅっと抱き締め合う。

ドキドキで目が覚めていく。


5分ほどして小鳥がギブアップした。

勝負した覚えはないけど勝ちは勝ち。

フランとハイタッチして勝利を祝う。


そうして今日という日も楽しくスタート。

今日も充実した1日になりそう!



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