冒険者ギルド③
瑞穂さんに突然愛美と戦う様にといわれ、愛美と戦う事になった翔。かたや異世界帰りの勇者、かたやギルドにおいて有名らしい愛美。勝負の行方は一体どうなるのだろうか。そして、叶美と愛美の様子が何かおかしいような?
あたりが騒がしい中、騒ぎの中心にいる僕たちは互いに顔を見合っていた。
(え?愛美がBランクの冒険者?しかも今、『閃光』とか言われてなかった?愛美ってもしかしてギルドで有名なのか?しかも愛美と戦う?)
そんな事を考えていたら愛美から声をかけられた。
「お兄ちゃん、どうするの?私とやるの?」
若干いつもと違う雰囲気を纏っている愛美。僕は向こうの世界で何度も感じた事のある感覚を愛美から感じ取っていた。
「愛美、どうしてそんなに急に戦うなんて。それに、『閃光』ってなに?」
そんな事を僕が言うと瑞穂さんは言った。
「愛美ちゃんは今最も日本でSランクに近い冒険者なんです。そして愛美ちゃんはSランクの方でも驚くほどの速さを有しています。だから翔さんが愛美ちゃんに勝つことが出来たら。翔さんはSランク相当の実力を持つことになります。」
「愛美がAランクを越えてSランクの冒険者!?じゃあなんで愛美はAランクではなくBランクなんですか?」
「それはね翔君。愛美ちゃんはずっと翔君のことを探していたからだよ。」
「愛美が僕の事を探していた?それと愛美がAランクになれない事になにか関係があるんですか?」
「Bランクは義務とかはなにもないんですけどね。Aランク以上になってくるとそうもいかなくなってしまうんです。いわゆる、義務が発生してしまうんです。その義務こそが所属している国家からの要請が来た場合。その要請を中々断る事が出来ないんです。だから愛美さんは今までAランクになる話を断っていたんです。まあ、翔さんを探しているうちに愛美さんがSランク相当の力を身につけて最近ではもう断ることも厳しくなって来ていたときに翔さんが見つかったんですけどね。」
「そうだよお兄ちゃん、危うくお兄ちゃんを見つけられないままAランクにさせられるところだったんだから。それに、叶美ちゃんだってお兄ちゃんが見つかるまでしおれながらお兄ちゃんの名前をムグ!?」愛美がなにかを言おうとしたところで叶美が慌てて愛美の口を塞ぐ。
「ちょっと愛美、そのことは内緒だっていったでしょ。それにあんただって翔のこと…。」
そこまで叶美が言ったところで愛美が叫びだす。そして愛美が叫び終わると愛美がいよいよ本題に入った。
「そんな事よりお兄ちゃん!決闘のことだけど勿論するよね?」
「まあ、僕はいいけど。でも愛美、どこで決闘をするの?」
「ここの建物の地下に闘技場があるんだよ。ギルド会員の人たちがよく訓練に使っているからね。今日はそこを使うよ。」
叶美がそう言いながら僕の前を歩いて行く。
~冒険者ギルド 地下闘技場~
地下闘技場に着いた後、僕は闘技場を見て驚いた。なぜならその闘技場は世界的に有名なサッカースタジアムと同じくらいの大きさの場所だったからだ。しかもかなりの人が観客席に座って僕と叶美の勝負の行く末を話し合っている様だった。そんな事を考えていると瑞穂さんが口を開いていった。
「それではお二人共、これから試合のルール説明を行います。ルールは簡単です、どちらかが降参もしくは戦闘不能状態に陥った場合試合終了です。」
「それじゃあお兄ちゃん、始めよっか。」
「僕はいつでも良いよ。」
僕がそう言うと愛美の周りの雰囲気が一気に変わった。そう感じると同時に瑞穂さんが試合開始の合図をする。
「じゃあ行くよ。お兄ちゃん。」
愛美がそう言うと同時に僕の視界から叶美が消えた。
(この一瞬で消えた?愛美は一体何処に?)
「ここだよ、お兄ちゃん。」
すると愛美の声が僕の背後から聞こえてきて僕は間一髪で叶美の放ったであろう斬撃をよけた。愛美が放った斬撃があたった場所を見てみるとそこにはくっきりと斬撃の跡が残っていた。そのあとも愛美の攻撃を避けていると愛美から声をかけられる。
「あの~愛美さん?なんか容赦がなくないですか?」
「そんなことないよ?そんな事よりお兄ちゃんも攻撃してよ。」
そんなこといっても愛美の居場所が分かんない位に愛美が速くて攻撃の仕様がない。一体どうしようかと考えていたところふとある作戦を思いつく。
「愛美~。今から攻撃するからケガしないようにしろよ~。」
「お兄ちゃん一体何をするつもり?」
愛美がそう言うと同時に僕は魔法を行使する。
《創造魔法 重力創造》
そう僕が唱えると同時に僕の周りに常人では立っていられないほどの重力が生み出される。そうして叶美は流石に動きまわっていられなくなったのか姿をみせた。
「お兄ちゃん一体何者?そんな魔法聞いたことがない。それに、重力を操るなんてそんなの普通できないよ。まあいいよ、第二ラウンドといこうかお兄ちゃん。」
先程の速さにはおよばないけどそれでも早い速さで叶美が剣を持ちながら迫ってくる。僕は急いで剣を取り出して愛美と剣を交える。
「お兄ちゃん剣も扱えるなんて、一体お兄ちゃんが行方不明になっていた間に何があったの?」
愛美に真剣な顔で聞かれて一瞬正直に話そうかとも考えたが、心苦しいが誤魔化すことにした。
「別になにもない。」
僕がそう言うと愛美は少しだけ不服そうにしながら話しかけた。
「そう、今はそれで納得してあげるけどいつかは絶対に話してもらうんだからね。じゃあこの戦いはそろそろ終わりにしようか。」
そう愛美が言うと。愛美は僕から少し距離を取って突きの構えをとった。
「いいよ。いつかは必ず本当の事を愛美にも話してあげるから。今はお互いに最善を尽くそう。」
そう言うと僕も突きの構えをとる。ふと愛美の顔を見ると微笑んでいた。周りが一気に静まり返り戦場のような緊張感が漂う。
”ハァ!!”
互いが同時に地面を蹴った。そしてほぼ同時に剣を振るう。
愛美がふらついて地面に倒れる。そんな叶美を地面につく前に抱きかかえる。僕が瑞穂さんを見ると瑞穂さんははっとしたかのように試合終了の合図をする。
「試合終了!愛美さんが戦闘不能により翔さんの勝利!また、特例により翔さんをBランクからのスタートといたします!」
瑞穂さんがそう言うと会場は打って変わって賑やかになる。
「まじかよ、Bランクからスタートなんて前代未聞だぞ!?」「アイツ一体なにものだ?」「あいつをパーティーになんとしてでもいれるぞ。」
などといった声があちこちから聞こえてくる。えらいことになったと思いながら僕は腕の中の叶美を見るのだった。
戦闘シーン難しいですね。え~しばらくリアルが忙しすぎて投稿出来ていませんでした。それでも見ていただけるのであれば幸いです。誤字脱字が有りましたらすみません。
次回 Sランク冒険者①




