宣言②
今回は少し短めとなっています。
~冒険者ギルド 会議室~
発表が終わってほんの数分後。僕たちのいる室内は現在、重い空気が漂っている。そんななか、瑞穂さんが口を開く。
「現在、先程の映像が世界中の動画配信サイトにばら撒かれています。今のところ冗談かなにかだと受け取られるていますが。混乱が広がるのは時間の問題かと。」
「それで、この人物が『HUMAN』のリーダーで間違いないのか?」
「ええ、通信機が使えなくなった後、私達があっていたのはこの人物に間違いありません。彼女は自身の事を神だと名乗っていたわ。」
僕はギルマスたちの会話を聞きながら初めて神と対峙したことを思い出す。
(あれは出会ってすぐにどこか神秘的で、生物として比較できないと本能で分かるくらい強かった。たぶん…神っていうのは本当なんだろうな。)
「自分は…多分、彼女は本当のことを言っているんだと思います。」
ギルマスが少し考えると、なにかを思い出したのかハッとした顔になる。
「そういえば日葵君。」
「なんですか、ギルマス。すでにいやな予感がするんですが。」
「まあまあ、そんなことをいわずに。わたしと日葵君のなかじゃないか。」
笑顔でそんなことを言っているギルマスに日葵さんがため息をつく。
「はぁ…それで、なんですか?」
「君の実家に連絡を取ってはくれないか?」
「は?」
後にも先にも、僕は日葵さんがあれほど嫌な顔をしているところを僕は知らないのだった。
~HUMAN 本部~
『HUMAN』の本部では乱れることなく整然と整列した数えきれないほどの人が集まっていた。
「我々はもはや限界である…人は本来あるべき姿を忘れてしまった。個を忘れ、群を忘れ、ついには和を忘れてしまった。我は人の営みを年月を忘れるほど見てきた。時に人間は互いに慈しみ、傷つけ、そして互いを愛する。しかしある時から、人の世は先の見えないほどの混沌に包まれている。いまここにいる諸君らのなかには理不尽によってすべてを失ったものばかりであろう。このような状況で、もはや再起できるはずもない。よって我は世界に対し宣戦を布告するッ。そして、計画の第一段階の発動をここに宣言する。」
その言葉に対し、群衆の反応は様々であった。歓喜するもの、涙を流すもの、怒りを顕にするもの等、様々だった。その様な異様な集団の中でも目立つ人物がいた。
「やっとだ、やっと約束を果たすことが出来る。」
そう語る人物の瞳には、確かな憎悪が宿っていた。
~九州 某所~
「あやつめ、やはりこうなってしまったか…。あれほど過去にとらわれるなと伝えたじゃろうが。じゃが、こうなってしまえばいた仕方あるまい。ワシも動かなければなるまい…」
そう語る女性は、まるでこの世の全てを憂いているような表情をしながらも、全てを魅了するものであった。
こうして、世界が混乱に包まれるなか、またひとつ大きな力が動き出すのであった。
いつもお読みいただきありがとうございます。もし誤字脱字がございましたらお手数ですがコメントにてお教えいただければ幸いです。
またこの物語はフィクションでございます。決して間に受けてはいけません。またいかなる実在する組織、団体、国家等とは一切関係ございません。
~次回 追憶 ①~




