邂逅②
一応事前に言っておきます。政治的意図等は一切ございません。
また、エピソードタイトルを変更しております。
<旧>分かれていた道①②→<新>邂逅①②
湖のほとりで一泊してから僕たちはさらに森の奥に進んでいた。
すると、だんだんと石畳のような人がいた痕跡が増えてきていた。
「なんか、人工物っぽいのが増えてきましたね。」
愛美がそうこぼすと日葵さんが反応する。
「そうね。、これは明らかに人の手で明らかに作られたものだわ。それに奥に行くほど徐々に石畳の作りがしっかりしてきてる。」
「この感じ…神社?」
そう一華さんが呟くと愛美が反応する。
「そういわれてみれば。」
「とりあえず、今は進むしかない。」
一華さんはそういいながら進んでいく。
「それにしてもこの感じ落ち着きますね。」
茜さんがそうつぶやくと日葵さんがうなずく。
「確かに、奥に進むほど不思議な感じがするようになっているな。」
「なんだか夢を見ているような感覚だ。」
そう僕が話すと何か建造物が見えてきた。
「これは…鳥居?」
「鳥居だね。しかもかなり大きい。ということは目的の場所はかなり近いんじゃないのかな。」
「其方ら、いつまでそこにおる。はようこい。」
「「なっ。」」
どこからかか声が聞こえたと思ったら、急に視界が目が開けられないほど真っ白になる。
「一体何が?」
僕たちが混乱するなか再び先程の声が聞こえてくる。
「ようやくふたたびそなたと相まみえることができた。」
声の主のいるであろう方を見るとそこには巫女装束に身を包んだ少女がご本殿の縁側に座っていた。
「いつまでそこにおる。はよう入れ。」
そういいながら手招きをする。僕たちは本殿のなかに入っていく。僕たちが本殿に上がっている間に少女は本殿の奥の方に入っていく。
「其方らはそこに座りなさい。」
指定された場所にはすでに人数分の座布団が敷かれていた。僕は前の方の座布団に座ると少女に問いかける。
「それで、あなたは一体何なんですか。」
僕がそう問うと少女は少しため息をつく。
「わしか?わしの名は…高天原命。神でも姫でもなんとでも呼ぶがよい。それで、なんの用と聞いたな。わしが用があるのはお主じゃ江藤翔。」
まさか自分の名前が呼ばれるとは思わなかった僕は呆けてしまう。
「僕ですか?」
「そうじゃ、江藤翔はお主しかおらんであろう。」
「なんで僕の名前を?」
「わしはこの社の祭神。貴様ら人間のことを知ることなどたやすい。」
そう言うと少女から神々しいオーラが溢れてくる。
「それで、なんで僕たちをここに?」
「貴様ら人間を見極めるためじゃ。このまま貴様らにこの世界を任せていてもよいのか。それを決めるためのな。」
「あの、見極めるってどういう事ですか?」
愛美がそう問うと、神様はふむ、となにか理解した様な表情をする。
「わしはな、貴様ら人間のことを長い間見守ってきた。じゃがな、ある時ふと思ったのじゃ。」
そこまで言うと少し声が低くなる。
「貴様らは口では平和を叫ぶ。じゃが実際にしていることは争いを招く事しかせん。だからこそ、今一度人間のことを見直すのだ。」
神様がそこまで言うとそれまで静かだった日葵さんが口を開く。
「それで、あなたの意に沿わない場合はどうするつもりなんですか。」
「それは貴様ら人間次第じゃ。そこに貴様ら人間の意志は必要ない。」
神様が放った言葉の意味。それすなわち人類の存続か滅亡どちらか二択を表していた。
「私たちに選択肢は存在しないと?」
神様の言葉を理解したうえでの日葵さんの質問。その質問に神様の表情が少し曇る。
「貴様ら人間の欲望は際限がない。そんななか貴様ら人間は技術革新によって精神的・物理的距離を縮めるすべを身に着けた。これがどういうことかわかるか?」
僕たちは神様に言われた意味が分からず困惑する。
「まさに貴様らの反応そのものなのじゃ。貴様ら人間は無意識に摩擦を生む。…いや、無自覚の方が正しいな。」
神様が手の上に球体のようなものを作り出し、それがまるで誰かの走馬灯のように円環状に僕らの周囲を廻る。
「人は愚かなものでな、自らが生きる過程で得た自己の思想を他人に押し付けようとする。それが正しいか正しくないかなんてものに限らずな。それによって生まれた摩擦に気づけるものは人間の中に何人おる?貴様ら人間は大概のものは手遅れになったときにようやく気付く。それによっていままでどれほど犠牲になった?どれほどのものを失った?そのせいでこれから何を失う?私はなにを許容すればよい?さぁ、答えてもらおう。貴様らは何をなす?」
その言葉に僕たちは少し考えこんでいると一華さんが反応する。
「たしかに、あなたの言うように私たち人間の歴史は多くの犠牲のうえで成り立っています。だからこそ、いままで私たちは歴史に学んで進んできました。だからこそ…」
急に一華さんが言いよどむ。
「だからこそ・・・どうしたのじゃ?はよう続きをはなさんか。それとも、話せんのか。」
神様が日葵さんの方を一瞥すると再び話し出す。
「まあ、じゃろうな。貴様ら人間の歴史は争いの歴史であるといっても過言ではない。変化しないものなど存在しない。それは貴様ら人間の生きる上での営みから果ては争いまでありとあらゆるものが変化していく。現に、貴様らが人魔事件と呼ぶものによっていくつもの変化が起きた。」
神様がそこまで言うとこれまで静かにしていた日葵さんが口を開く。
「・・・人魔事件の発生以降、それまでの国家間のパワーバランスは大きく崩れたわ。資源はもちろんのこと、軍事力や経済力ありとあらゆるものがね。なかでも問題になったのがダンジョンからもたらされる希少な鉱石や魔道具と呼ばれるものの数々。いま私たちが使っている通信機にもその技術が使われているわ。これが一番の問題だったのよね。」
「あの~。それに何か問題があるんですか?」
茜さんの質問に日葵さんが答える。
「日本は世界で初めてダンジョンができて、そのあとにアフリカ諸国や欧米といった順にダンジョンが出現していった。これは知ってるわね?」
日葵さんの言葉にみんな首を縦に振る。
「これが後々問題になったのよ。当時、日本は世界中から非難を受けていた。結局それどころじゃなくなったんだけどね。」
「そう…その時点で我等は人類を見捨てている。」
(なっ…。どういうことだ?最初神様は人間のことを見極めるためと言っていた。だけど、少なくてもすでに僕がこの世界に帰ってくる以前には人類のことを見捨てていた?意味がわからない。)
神様の言葉に僕たちはさらに困惑する。
「さて、此度はここまででよかろう。」
神様がそういうと自分たちの体が光りだす。
「これは一体ッ!?」
「なに、貴様らを地上に返すだけじゃ。ここで貴様らをとらえてもよいが今の我にそこまでの力はない。それに、我は今からなさねばならんことがあるでな。なに、どうせすぐまたまみえることになる。」
その言葉を最後に僕たちは光に包まれた。
「あともう少しじゃ--。」
いつもお読みいただきありがとうございます。もし誤字脱字がございましたらお手数ですがコメントにてお教えいただければ幸いです。
またこの物語はフィクションでございます。決して間に受けてはいけません。またいかなる実在する組織、団体、国家等とは一切関係ございません。
今回は少し長めです。あと自分でも思ったんですけどバトルシーンほぼないな。まあ、この後強制的にバトルシーン多めになるんですけどね。
~次回 宣言①~




