新しい生活②
失踪してました瑞使です。(n回目)
椿さんに促され店の中に入った僕たちは現在…日葵さんへの愚痴を聞かされていた。
「それでさあ。あいつったらいっつも無茶ぶりしてくるんだよぉ。」
なんでこんなことになっているのか。それは日葵さんが椿さんにいつも迷惑をかけているから…ではなく自分たちが渡したお土産にあった。
~数分前~
ちょうど制服の採寸が終わって日葵さんから事前に持たされていた椿さんに渡してみると良いといわれていた包みを渡してみたところ中身はチョコレートだった。なんでもチョコレートは椿さんの大好物なんだとか。中身を見てチョコレートだと分かった椿さんは僕たちにお茶を出すからと言って僕たちに座ることを促す。
「わざわざお土産なんて持ってきてもらってありがとうね。にしてもほんとにあなたたちも大変だったわね。」
椿さんの言葉に皆疑問の表情を浮かべてしまう。
「あなたたちも急に転校とかいろいろと決められちゃったんでしょ。しかも君たちの両親にはすでに了承を得てた状態であなたたちと話してたらしいし。」
あの話をしている時点でもう話は決まっていたことを改めて実感する。
「あ、そういえばチョコレート食べるの忘れてた。」
チョコレートの箱を開けながらそう話す椿さん。しかしチョコレートを3個ほどほおばった椿さんが突然うつむいて静かになった。
「あの、椿さん大丈夫ですか?」
そんなにチョコレートが美味しくてその味をかみしめているのかと思っていると椿さんが再び動き出しこちらを見る。
「あれぇ、翔君たちが重なって見える~。」
ゲラゲラと笑いながらこちらに話しかけてくる椿さんは完全に酔っていた。椿さんが酔いつぶれる前に食べていたのはチョコレート。そしてそのチョコレートは日葵さんから渡されたものだった。
「愛美、チョコレートの箱を見てくれない?」
僕が愛美にそう頼むと愛美は箱の裏側を見る。
「あ~お兄ちゃん、これアルコール入りのチョコレートだ。」
「あ~やっぱり。」
叶美が納得したような顔でうなずいた。
~時間軸はもとに戻る~
日葵さんの愚痴を延々と聞きながら椿さんをなだめていると突然部屋の扉が開く。
「ヤッホーみんな元気~?」
そこに現れたのはなんとこの状態を作った日葵さんだった。
「日葵さん、あなた椿さんがお酒に弱いの知っててわざとお酒入りのチョコレート渡しましたよね。」
そう怒気の籠った声で日葵さんを問い詰める。
「ん?当たり前じゃん。なんたって私は椿の幼馴染で椿が冒険者を引退するまではほぼ毎日一緒にいたんだから。」
「へ~そうなんですね。じゃなくてどうするんですか。」
心底不思議そうに日葵さんがこちらを見る。
「ん?どうもしないけど。どうせほっておいてもそのうち寝るんだろうから。まあ、今回は別の用事があるから酔いから醒まさせるけど。」
他人事のようにそう話す日葵さんに対してあなたが言うのかという視線で見てしまう。
「そんな目しないでよ~。」
「いやしますよ。第一、椿さんがこんなに酒に弱いの知ってながらなんで椿さんへのお土産として渡させたんですか。」
そういうと日葵さんがにやけながら胸元から瓶を取り出す。
「いや~実はこれを使ってみたくてね。」
日葵さんにそういわれ僕たちは再びいやな予感がしたのだった。
いつもお読みいただきありがとうございます。もし誤字脱字がございましたら申し訳ございません。
そして一年間拙い作品を読んでいただきありがとうございました。来年も見ていただければ幸いです。
また、ただいま2作品目の作成も進めております。来年も失踪しながらかもしれませんがよろしくお願いいたします。
~次回 新しい生活③~




