波乱の予兆 ①
~護送中の車内にて~
「先輩、今護送している奴って一体何をやらかしたんですか。」
まだ若手らしい警備員が50代くらいの警備員に尋ねる。
「さぁ分らんな。ただし重要参考人であることは確からしい。」
そんなことを話しながら若手の警備員がふとサイドミラーを見る。すると妙に近づいてくる黒塗りのバンに気づく。
「先輩、なんか妙に近づいてくる車がいるんですけど。」
すると先輩と呼ばれる男性がバックミラーを見ようとしたときに急ハンドルをきると同時に爆発音がする。
「おい、今すぐギルドと警察に通報しろ。」
先輩がすごい剣幕でそういう。そういっている間にも爆発音は続く。そしてついに車体が大きく傾き大きな音を立てながら倒れる。
「っ…。」
薄れゆく意識の中で先輩の方を見ると先輩は額から血を流しながらすでに気絶しており自分ももう限界が近づいている中で後ろの格納庫の扉が開く音と話し声が聞こえる。
「全く酷いじゃないか。こんなに手荒に迎えに来なくてもよかったじゃないか。」
そう男がいうと女性がけだるげな声で答える。
「あぁ?あんたが勝手に戦闘した挙句負けて捕まるのが悪いんでしょうが。」
「だって仕方ないでしょ。イレギュラーが想像以上に育っているんだもん。」
「それに関してはかえってから話すよ。ここでしてアジトでもすんのだるいから。」
「そんなこと言って君が早く姫に会いたいだけでしょ。」
そんな会話が続いていたのだろうがここで限界がきて意識を手放してしまった。
~同時刻 酒井家~
彼女がソファーに寝そべりながらゆっくりしながら天井を見ていると電話がなる。画面を見てみるとそれはギルマスからだった。
「なによこんな時間に。こっちはダンジョンから帰ったばっかりで疲れてんだけど。「
「こんな時間にすまないな。今お前の周りに誰かいるか。」
いつになく真剣な声で聴いてくるギルマス思わず顔が真剣になる。
「いないけど。ギルマスがそんな真剣に聞いてくるなんてただ事じゃないね。」
するとギルマスは深刻そうな声で話す。
「ああ、実はお前らが捕まえた高藤っていうやつがいるだろう。そいつが逃亡したらしい。しかも護送車が大破していたらしい。」
「なっ…。」
私はその言葉に言葉を失ってしまった。なぜなら人魔事件以来一新された護送車は私でも破壊するのは至難のわざだからだ。
「それで奴の行方はつかめているのか。」
「いいや、だが幸い車載カメラのデータは無事だからそこから手掛かりがないか探している。あとは護送員の意識が回復次第聞き取り調査をする予定だ。」
そこで瑞穂さんの声が聞こえてきて車載カメラのデータが回復したことが瑞穂さんから伝えられる。
いつもお読みいただきありがとうございます。もし誤字脱字がございましたら申し訳ございません。
~次回 波乱の予兆②~




