市ヶ谷ダンジョン③
みんなどんなドラゴンの姿が好きかな。
ドラゴンの放ったブレスの影響であたりはより一層混乱に包まれていた。ブレスが直撃したところはまるで溶岩のように溶けておりバリアが張られている周りはまさに地獄の様相だったからだ。
「この場所で態勢を整えなおすぞ。盾持ちと近接武器は防御に徹した後、折をみて反撃に転じる。魔法職と支援職は近接部隊の支援に回ってくれ。」
「おぉ!」
日葵さんの一声によってあれだけ乱れていた統率を立て直した。俺と愛美が後方で待機していると態勢を整えたころで強烈なドラゴンの攻撃が来た。
「防御態勢に入れ!」
盾と尻尾が激しくぶつかる。
「ぐぬぅ。」
タンカーが苦悶の顔を浮かべる。ドラゴンがタンカーに集中している隙を日葵さんは見逃さなかった。
「今だ!近接部隊は尻尾に集中攻撃。魔法部隊はドラゴンの頭部に攻撃を集中させて。」
日葵さんの指示で一斉に攻撃を開始する。そしてついに猛攻に耐え切れなくなったドラゴンが倒れる。一瞬の静寂の後歓声が上がる。そんななか日葵さんと望美さん。そして先程ドラゴンの攻撃を受け止めていたタンカーの人も一緒についてきた。
「ごめんね~。こんなことが起こるなんてね。予想外だったわ。」
「大丈夫ですよ。それにしてもこんなことよく起こるんですか?」
すると神妙な顔をしながら望美さんが口を開く。
「いや普通はこんなことは起こらないはず。そもそもこんな事がおこるなんていう前例なんてなかった。なのに今回こんなことが起こったのは明らかに異常。」
すると隣に立っていた一見タンカーに向いていなさそうな優しそうな男の人が今度は口を開いた。
「初めましてだよね。ぼくの名前は野口 秀一。気楽にしゅうって呼んでもらえると嬉しいかな。」
「わかりました。これからよろしくお願いしますねしゅうさん。」
「そういえばしゅう…」パチパチパチ
そんな音が望美さんの話を遮る。突如ダンジョン内で妙に響いた拍手の発生源のもとを一斉に振り返る。
「いや~見事だね。まあ、このぐらいのことはできてもらわないと困るんだけどね。」
すると日葵さんが謎の人物に話しかける。
「あんた一体何者だい。その言い方だとまるでさっきの出来事が自分が起こしたかのような言い分だけど。」
「あぁそうだよ僕がさっきのドラゴンをこの階層に放ったんだよ。」
いつもお読みいただきありがとうございます。もし誤字脱字がございましたら申し訳ございません。
やっと本格的に始まるよ。
~次回 市ヶ谷ダンジョン④~




