故郷編 終わりと始まり
異世界に召喚された日本の高校生江藤翔は異世界を救った。しかしながら彼に待ち受ける未来は残酷なものだった。
僕は元々そこら辺にどこにでもいるような平凡な高校1年生だった。優しい父と母、妹の4人の家族に囲まれながら平和に生活していた。そして僕はそんな生活に満足していて、そんな生活がいつまでも続くと信じていた。しかしながらある日突然そんな生活は一変してしまった。僕は異世界のドミタニア王国に勇者として召喚されてしまったのだ。その目的は魔王を倒すこと。そして1か月前遂に魔王を倒すことができたのだ。旅でいつも一緒にいたドミタニア王国の王女カティア・フォン・ドミタニアと仲良くなり互いに腹の内をさらけだせるようになりこれからもこの世界で順風満帆に過ごせると思っていた。なのにその思いはあっけなく裏切られてしまったのだ。ある日僕はいわれもない罪でとらえられた。
玉座の間は重い沈黙に包まれていた。玉座に座るドミタニア王国国王アデル・フォン・ドミタニアはその口を開く。
「さて元勇者江藤翔、お前には国家転覆の容疑が掛けられている。よって貴様を元いた世界に返す。最後に何か言いたいことはないか。」
国王が話し終えた途端、あたりには話し声と笑い声が聞こえてくる。僕は怒りと困惑で泣きそうになるのを抑えながら言った。
「何故何もしていない僕にこんなことをするんですか。あなたはそんなことをする人じゃないはずだ。」
すると国王はにやけた顔で言った。
「そんなことすらわからないからそんなことになるのだ。もうよい貴様と話すことはもうない、早くこいつを元居た世界に戻せ。」
そう国王が言った時、宮廷魔術師たちが俺の周りに魔方陣を描き始める。僕はあたりを見渡す。その中にこの世界で一番親しくなったカティアを見つけ話しかける。
「カティア、こんなの何かの間違いだよな。なあ、何か言ってくれよ。」
僕がそんなこと言っている間にもどんどん魔方陣は完成していく。そんな中でカティアは口を開いた。
「さようなら。」とだけしか言わなかった。そこで遂に僕は泣き出してしまった。カティアに、そして僕が守ったはずの世界に裏切られたことを理解したと同時に絶望した。徐々に僕の周りの光が強くなる。そして遂に完全に光に包まれるまえに見たカティアの顔は涙に濡れていた気がした。
~地球 日本~
次第に光が収まる。目を開けた先にあった光景は僕の知らない世界のあり方を大きく変えた世界の姿だった。
こんな駄文に付き合って頂きありがとうございました。誤字脱字があったらすみません。不定期投稿になるとは思いますが読んでいただければ幸いです。