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城内へと続く門


 ラークたちと別れた俺、セリヤ、ローズオーラは、それから城の方へと走り続けた。そして遂に――

「やっと着いたな。」

 俺たちは、今回の作戦で目指していた目的地であるリッチゾーンの城へと辿り着いた。


「こうやって近くで見るのはこれで二回目だけれど……やっぱりデカいわね。」

 セリヤが、城を見上げながらそう言う。

「全くだ。」

 これからこの中に入って王の居るところまで行くと思うと――骨が折れるぜ……


 あ、そういえば。

 そこで俺はある事に気づき、横にいるローズオーラの方を向くとこう言う。

「そういえばオーラ、さっきから喋って無いが、この城のデカさに驚いたりしないのか?」

 するとローズオーラは、「ん?驚く?」と、ミリゴで一緒に居た時に良くしていた、あの腰に両手を当ててドヤ顔スタイルでそう言うと、続けて、

「我を誰だと思ってるんだ?魔族であり、元レグル山賊リーダーのローズオーラだぞ?城なんていくらでも見たことがある。」

 自分のことを誇りながらそう言った。


 いや、城をいくつも見たことがあるのはまだしも、レグル山賊リーダーは誇るとこじゃねぇだろうが。

 俺はそうツッコミを入れようとしたが――やっぱりやめた。

 だってそれで今から一緒に戦うやつの機嫌を損ねたりするのはやだからな。――と、そろそろお前らも思って来ている頃だろう。

 なんで今俺たちはこう話をすることが出来ているのか。


 だって普通に考えておかしいよな。

 今、戦ってる最中で、しかも相手の本拠地の真ん前に居るんだぜ?普通こんな風に話なんて出来るわけが無い。

 だが、実際俺たちはこんな風に話をしている。城の門の前でな。

 それはなぜか――正解は敵が周りに全く居ないからだ。


 分かってる、お前らの言いたいことは十分分かる。

「なんでさっきはあんなに敵が居たってのに今は居ないんだよ!」「普通城の周りの方が居るだろ!」「設定の作成ミスか原作者!」ってな。だがな、本当に居ないんだよ。

 まぁだいたいその理由は分かるが。


 まず、多分だが幻影の騎士団(ファントムナイト)は人が少ないんだ。(その分、ひとりひとりが強いってのもあるが。)その理由は、ノーマルゾーンとリッチゾーンを仕切る壁を監視する奴がひとりしか居なかったこと。

 だって普通ならもっと監視を付けるだろ?


 あとは、戦う時に分散させず、固まって襲いかかって来たということだ。

 通常、城を守る場合、絶対そこら中に兵力を撒いた方が良い。そっちの方が敵も見つけやすいしな。

 でも、それをするだけの人数が居ないんだよ。きっと。


 これらが、俺が幻影の騎士団(ファントムナイト)の人数が少ないと思う理由だ。――と言っても、当然目の前の門を吹き飛ばせば、中から大人数の幻影の騎士団(ファントムナイト)が出て来るだろうけどな。


 ふう……少し話し過ぎたか、よし!じゃあ早速この門をぶち壊して、中で待ち構えてるヤツらとご対面と行きますかね。

「オーラ、この門を吹き飛ばすの、任せられるか?」

 俺はローズオーラの方を向くとそう言う。

 別に俺が魔法で壊しても良いんだが――ここは久しぶりのローズオーラのパンチを見たいからな。それに、

「今オーラがどれくらいの力強くを持ってるのか、見ておきたいからな。」


 すると、それを聞いたローズオーラは、

「なるほどな……よし!我に任せておけ!」

 超絶ドヤ顔でそう言い、右手を軽く引いて足を広げ、構えると、

「テツヤ!セリヤ!しゃがんどけ!」

 そう言った瞬間、地面を強く蹴り、一瞬にして門の目の前まで移動、そして――

「吹き飛べ!蒼炎の彗星(イフリートコメット)ッ!!」

 紫の炎が纏われた拳で、分厚い門を一撃で吹き飛ばした。


「す、すげぇ……」「全く、すごい技よね……」

 その攻撃を後ろから見ていた俺とセリヤの口からそう言葉が盛れる。

 壊れてから気づいたが、俺のファイアボールでも多分一撃じゃ壊せなかったぞこの門……


 しかし――

「話してる時間は無さそうだな。」

 ローズオーラが地面にスタッと着地すると、完全に壊れた門の方を見ながらそう言う。

 すると、それと同時に、

「お前らの思う通りにはさせない。」

 予想通り、中から幻影の騎士団(ファントムナイト)が、ぞろぞろと出てきた。


 ……やっぱり出てくるよな。

「セリヤ。」

「えぇ。」

 俺とセリヤはそう軽く言葉を交わすと、前にいるローズオーラのところまで歩いて行く。


 すると、ローズオーラは、俺とセリヤが横に並んだところで、

「お前ら先に行け、コイツらに時間を取られていてはもったいない。」

 そう言った。――って!?

「お、お前!この数をひとりで相手にする気か!?」

 2、30人は居るだろ!まぁ確かにコイツらに時間を取られるのはキツイけどよ!


 すると、そんな俺を見てローズオーラは呆れた様に笑うと、

「全く……我を誰だと思ってるんだ?こんなヤツら、逆に数が少ないくらいだ。」

 拳をゴキゴキと鳴らしながらそう言った。

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