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 門の爆発により巻き起こった砂煙の中を走り抜けると、そこは紛れも無い、俺が一度入った事のあるリッチゾーンだった。

 よっしゃ!何とか入れたみたいだな!

「「ウォォォォ!!」」

 初めてリッチゾーンに入った冒険者たちは、そう歓声を上げた。

「よし!侵入成功だ!今からあの城を目指して走るぞ!」

 しかし、俺たち全員がリッチゾーンに入ったことを確認したラークは、同じ様に歓声を上げることは無く、遠くに見える巨大な城を指さしながらそう言い、すぐに前を向くと走り始める。


 そう、ここで止まっては行けないのだ。

 俺たちにとって、こうやって大人数でリッチゾーンに入れた事もすごいことだが、目的地はラークが指さしたあの城だからな。

 それに――おそらくさっきの爆発音を聞いた幻影の騎士団(ファントムナイト)たちがこちらへ向かって来ている頃だろう。


 そしてここに居る全員、そんなことは重々承知だ。

 だから俺たちは、すぐに気持ちを入れ替えると、ラークを追うように走り始めた。




「なかなか現れないな。」

「あぁ、これは予想外だぞ……」

 そこから5分程走り続けた辺りで、俺とラークはそう会話を交わす。

 今のセリフ通り、俺たちはリッチゾーンに堂々と侵入したはずだが、一向に幻影の騎士団(ファントムナイト)が現れる気配は無かった。


 まぁだが、現れないなら現れないでそっちの方が好都合だからな。俺は後ろを向き、みんなの士気を高める為、

「よし!城までもう少しだ!スピード上げ――」

 そうセリフを放とうとする。

 するとそれを遮るようにラークが突然――

「止まれッ!!」

 身体に急ブレーキを掛けながらそう言った。


 ん?なんで今止まるんだよ?幻影の騎士団(ファントムナイト)が一向に現れないのは確かにおかしいとおもうが、逆に考えれば想定より戦闘が少ないってことだぞ?

 だから早く城に向かった方が――

 俺はそう言う為、後ろに向いていた身体を前に戻して、ラークの方を見る。


 するとラークは、背中にさしていた剣を抜き、いつ襲いかかられても対応出来るよう、構えていた。――って、まさか……

 俺はすぐに杖を構え、周りを見渡す。

 すると次の瞬間――

「今だ!かかれッ!!」

 周りの家の影や、屋根の上から一斉に黒いローブを身にまとった武装集団が襲いかかって来た。


「……ッ!お前ら!戦闘態勢ッ!!」

 それを見たラークは、すぐにそう指示を出す。

 そう、その集団こそが、今まで出てくる気配の無かった幻影の騎士団(ファントムナイト)だった。


 クッ……コイツらの態度を見る限り、今まで出てこなかったのはわざとだったってことか……?

 更に、今俺たちが幻影の騎士団(ファントムナイト)に囲まれている場所は、道が狭く、二階建ての家がびっしりと並ぶ住宅街の様な場所で、ここでファイアボールを撃ちでもしたら、爆発が俺たちにも被害が出そうだった。

 しかも、まるでそれが分かっているかのように、ここにいる幻影の騎士団(ファントムナイト)は、全員剣を武装していた。


 ……俺たちはここに誘い込まれていたみたいだな……

「やるしかないみたいだな……!」

「久しぶりに暴れてやるよ!」

 だが、こっちも負けてはいなかった。

 ギルとジェイドはそう言いながら剣を構え、

「「はぁぁぁぁ!!」」

 襲いかかって来る幻影の騎士団(ファントムナイト)たちを迎え撃つ。


 そしてそれを見た他の冒険者たちも、続くように戦いを開始した。

「おいセリヤ、俺たちは作戦通り先に行くぞ!」

 俺たちも課せられた役割を果たさなければならない。だから俺はセリヤにそう声を掛ける。

 しかしセリヤは、ここに来て、

「私、やっぱりみんなと戦うわ!」

 そう言い始めた。――って!?


「作戦と違ぇじゃねぇか!?」

 俺はセリヤにそう叫ぶ。確かにコイツらが心配ってのは分かるけどよ……!

「だ、だって!このままじゃみんなが――」

「何言ってるんだッ!」


 そこで、そんなセリヤにローズオーラがビンタをした。


「……ッ!?」

 いきなりの出来事に驚きながら打たれたところを触るセリヤ。しかし、そんなセリヤにお構い無しで、ローズオーラは、

「ここに居るみんな、そんなこと望んでないに決まってるだろ!みんなお前らを信じてるんだよ!」

「確かにコイツらは死ぬかもしれない……でもな、それでもお前らならやってくれるって……そう信じてるからこうやって懸命に戦ってるんだ!それを裏切る様なことを言うな!!」

 力強くそう言った。


 するとそれを聞いたセリヤは、力強く剣を握り、

「はぁッ!」

 城への道に立ち塞がっている幻影の騎士団(ファントムナイト)の足を浅く切り、地面にひれ伏せさせると、

「ありがとうオーラ……よし!2人とも行くわよ!!」

 こっちを振り向き、そう言った。


 ……お前はそれでこそだ。

「おう!」「我に任せておけ!」

 それに対して俺とローズオーラはそう強く返事をすると、

「先に行く!絶対に死ぬなよ!」

 そう言い残し、3人でもう目の前まで来ている城の方へと走り始めた。

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