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帰宅


「いや、俺だって最初は正面突破なんて全く考えて無かったよ。」

 先にそう正面突破を否定してから、

「でもよ?昨日通った所以外地形や造りの情報が分からないリッチゾーンで、わざと裏道的なルートを通るのは危険だと思ったんだよ。」

 正面突破以外の危険性を上げた。


 確かにわざわざ一度も通ったことの無い場所を通るくらいなら、一番幻影の騎士団(ファントムナイト)には見つかるが、城までの道が分かってる方が良いかもしれないな。

 でもよ――

「確かに分からない場所を通るのは危険だ。でも正面突破で行くとしたら恐らく幻影の騎士団(ファントムナイト)たちが一瞬で俺たちを見つけ出すだろ?」

「あぁ」

「それって城にたどり着くまで相当時間が掛からないか?」

 俺はそうこの作戦の疑問を聞いた。


 まぁ、そんなことラークにも当然分かってることだろうから、ちゃんと考えているのかを聞くと言うよりかは、どの様な考えを持っているかを確認する為なんだが。

 するとラークは、「あぁその通りだ。」そう俺の質問を肯定してから、

「だから、俺たちが道中で襲いかかってくる幻影の騎士団(ファントムナイト)の相手をするから、お前とセリヤで城へ行って欲しいんだ。」

 そう言った。


 ……なるほど、要するに死の道(デスロード)の時にセリヤを先に行かせたみたいな感じで、俺とセリヤを先に行かせるってことだろ?

 確かに良い案だとは思う。というかそうでもしないと、王に逃げられるかも知れないからな。

 だが、俺は二つ返事でその案を肯定する事は出来なかった。


 何故かって?それはな――俺は先に行かせる側のやつらの気持ちが分かるからだ。(死の道(デスロード)の時にセリヤを先に行かせたことがあるからな。)

 もしかすると先に行かせたやつが敵を倒して戻って来ないかもしれない。

 もしかすると戻って来る前に自分が死ぬかもしれない。


 そんな中でこいつらは俺たちが戻って来るまでに果たして戦い続けることは出来るのだろうか。

 俺がそう考えていると、

「なぁテツヤ」

 ラークが俺に声を掛けてきた。


 すぐに顔を上げると、

「もし、俺たちのことを心配してるなら、大丈夫だ。」

 まるで俺の心を見透かしているかのようにそう言った。

「で、でもよ――」

「大丈夫。俺たちはそんなに弱くねぇ。」

「……ッ」


 俺にそう言ったラークや、他の冒険者たちの目は、漆黒龍(ブラックドラゴン)から逃げようとしていた頃とは違い、闘志に満ち溢れていた。

 ……俺が心配する必要なんて無かったみたいだな。

「……分かった。じゃあ、お前の作戦で行こう。」

「おう、じゃあ実行日は明日にしよう。」


 あ、明日!?

「明日はちょっと早過ぎないか?」

「確かにそうかもしれないが、俺たちが城に攻め込もうとしていることが幻影の騎士団(ファントムナイト)にバレでもしたらまずいからな。」

 ……なるほど、まぁ確かにそうか。


「……分かった。じゃあお前から今日居なかったやつにも作戦のこと、言っておいてくれ。俺は家に帰ってメアリーに言ってくる。」

「了解。じゃあ俺たちも街の人たちに作戦のこと伝えておく。」

 こうして俺たちは、リッチゾーン襲撃作戦(テロみたいで嫌な名前だが……)の作戦を決めたのだった。



 それから俺たちはラークに言った通り、メアリーに明日の作戦を伝える為、家に帰った。

「ただいま」「今帰ったわ」

 俺とセリヤがそう言いながら玄関のドアを開ける。

 すると、

「おかえりなさい」

 中からエプロン姿のメアリーがせかせかとこっちへ来ながらそう返してきた。


 やっぱりメアリーは何度見ても可愛いぜ。

「なぁメアリー。少し話があるんだが」

 俺は何度見ても見飽きないメアリーの美貌に見とれながらも、早速本題を切り出す。

 するとメアリーは「話、ですか?」不思議そうにそう呟いてから、

「あ、ならもうすぐご飯が出来るのでその時話して下さい!」

 柔らかい笑顔でそう言った。


 それから少し時間が経って、今はご飯を待っているところだ。――お、きたきた。

 俺とセリヤがいつも通り並んで椅子に座って居ると、メアリーが料理を運んで来た。


「今日の料理は――って、え、」

 セリヤがそう言いながら席を立ち、メアリーの料理を見ると、そうイマイチな反応をした。

 おいおい……こんな可愛い女の子が一生懸命作った料理にその反応はないだろ。よし、俺がリアクションの手本というものを見せてやろう。


「なんなんだ?今日の料理は?」

 俺はわざとっぽくメアリーにそう言う。

 するとメアリーは、えへへと頬を赤らめながら、

「今日は――これですッ!」

 自信満々に料理の乗ったお皿を机に置いた。――って、

「パンじゃねぇか!?」


 俺はお皿に盛り付けられた(?)何の変哲もないフランスパンを見てそう叫ぶ。

 いや、だってフランスパンがただ3つ積まれてるだけ!こ、こんなのが料理と呼べるのだろうか……

 すると、そんな反応をした俺とセリヤを見たメアリーは、

「……やっぱり嫌ですよね……すいません、私料理出来なくて……」

 急に泣きそうな声になってそう言った。


 な、泣くなって!

「い、いや!パン食べたかったんだよ!」

 俺は急いでそう言うと、すぐに積まれたフランスパンをひとつ掴み、まるでハムスターの様に口にねじ込む。

 そして、(セリヤも会わせろって!)

 そう目で合図をした。


 するとセリヤは、(わ、分かったわよ!)そう目で返すと、

「私もパン食べたかったのよ!」

 わざとらしくそう言い、俺と同じようにフランスパンを口にねじ込んだ。

 すると、そんな俺たちを見たメアリーは、

「そ、そうですか?それなら良かったです!」

 一瞬で笑顔に戻り、そう言った。――って、

 い、いくらなんでも単純過ぎだろこいつ……

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