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ノーマルゾーンのイレギュラー


「いや、俺たちに協力させてくれ。」

 ラークは、俺のセリフを遮る様にそう言った。って――

「い、良いのか……?だってさっきは怖くて出来なかったって――」

「確かに怖かったし、今でも怖い。だが、前とは違ってお前らも居るんだ。だから大丈夫。」

 俺のセリフに、ラークはそう強く答えた。更にそれに続く様に、

「こいつの言う通りだ。」「協力させてくれよ」

 周りの冒険者たちも笑いながらそう言った。


「……ありがとうみんな、じゃあ協力してくれるか?」

「「おう!!」」

 こうして俺たちは、共にこの街を変える事になった。



「――といっても、」

「といってもなんだ?」

「どうすればこの国を変えれるんだ?」

「え?まさか考えて無いのにこの話出したのか?」

 いや、考えたっちゃ考えたんだが……

「いまいちいい考えが浮かばなくてな……」

 それに、本格的に考えるのはみんなが協力してくれるってなってからにしようと思ってたんだよ。


「まぁ確かに、難しいわよね。」

「やっぱりこの国の王に直接言いに行くしか無いんじゃないか?」

 ラークがそう言う。――って、そういえばこの国の王の名前、知らなかったな。

「この国の王って誰なんだ?」

 俺がそう聞くと、

「カルニル・カーライトって人だ。前、カーライト一族の事は軽く説明しただろ?」

 ラークはそう、王の名前を教えてくれた。

 忘れたやつの為に軽く説明すると、カーライト一族ってのは、グーネウム帝国を築き上げた鉄を売って生活していた一族の事な。


「なるほど……じゃあそのカルニルってやつのとこに行くって訳か。」

「あぁ」

 くぅ……俺話すの苦手なんだよな……まぁだからと言ってやめとくかとはならないけどよ。

「じゃあ一旦その案で行くとして、一体その王様は私たちの話を聞こうとしてくれるのかしら?」

 そこでセリヤがそう口を挟んできた。

「普通に言ったところで、リッチゾーンにも入れないだろうな。」

 続いてガタイのいい冒険者もそう言う。


 そう、次に出てくる問題がそれだった。

 いくら俺たちが強くても、相手はリッチゾーンに居る、しかもその中でも最上級の人間。

 対して俺たちはノーマルゾーンに住んでいる一人の冒険者に過ぎなかった。

「確かに……それは考えてなかったな……」

 二人のセリフに対して、ラークは腕を組んで考え込む様にしながらそう呟く。


 まぁでも、この問題に対して、俺は大体の対応策は出ていた。

「それに関しては、俺たちが漆黒龍(ブラックドラゴン)を倒したという実力を示せば何とかなるんじゃないか?」

 俺はみんなに聞こえる声でそう言う。

 しかし、その案に対してラークは、

「でもよ、そう言ったところで相手からの俺たちの評価は、ノーマルゾーンの冒険者たち。からは変わらなくないか?」

 そう否定の声を上げた。


「確かにその考えも分かる。けどよ――」

 俺たちは漆黒龍(ブラックドラゴン)が現れた時、完全に見捨てられていた。でも、実力で退けた。

 この結果は恐らくリッチゾーンや、幻影の騎士団(ファントムナイト)の奴らは思ってもみなかったと思うんだ。だから、

「――俺たちは今までの冒険者とは違う、イレギュラーな存在として興味を持たれる可能性もゼロじゃないと思うんだ。」


 それに、もしリッチゾーンに入ろうとして、門前払いを受けたとしても、だからって今の状況が悪化する訳でも無いだろうしな。(まぁ今のこの状況が良くないから変えに行こうとしてるのだが。)

「要するに、やってみないと分かんねぇって事だ。」

 俺はキッパリとそう言い切った。


 するとそれを聞いたラークは、

「確かにそうだな。やってみなきゃ分かんねぇ。」

 納得した様にそう言うと、笑顔を浮かべる。

 こうして俺たちは、ノーマルゾーンの人間は入る事の出来ない場所、リッチゾーンへと足を進めたのだった。

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