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その後


「二人ともありがとな。お前らがいなかったら、俺たちは漆黒龍(ブラックドラゴン)を倒すこと、いや、まず立ち向かうことも出来なかっただろう。」

 冒険者たちが騒ぐ冒険者ギルドの中、ラークが俺とセリヤの座る席に酒を運んできながらそう言う。――ん?なんでいきなり宴会パートに入ったのかって?よし、じゃあ少し前から軽く説明してやるよ。


 あの後(漆黒龍(ブラックドラゴン)を倒した直後の事だ。)俺たちは漆黒龍(ブラックドラゴン)を倒した事を確認し、みんなでわいわいしながらグーネウム帝国に帰って行ったんだ。

 それで、冒険者ギルドに入り、受け付けのお姉さんに勝った事を報告した。いやぁ、あの時のお姉さんの顔と来たら、めちゃくちゃ可愛いかったぜ。安心のあまり、膝から崩れ落ちてたからな。

 で、そこで解散かと思っていたんだが、誰かが「酒だ酒だ」と言い出し、そこから周りもその空気になって行き、気付けばこうなっていた。とまぁそんな感じだ。


 要するに、俺も今のお前らと同じ様に、いきなり宴会パートにスキップした感覚なんだよ。

「いやいや、お前のリーダーっぷりも良かったぜ?」

 俺はラークから酒を受け取りながらそう言う。

 今回の漆黒龍(ブラックドラゴン)討伐は、最後こそ俺のひらめきがあったからだが、そこまでみんなをまとめてくれていたのは、ラークのおかげだったからな。


 俺はそう本心で思っているのだが、どうやらラークはそれをお世辞か何かと勘違いしたらしい。

「いやいや、お世辞はいらないぜ?」

 笑いながらそう言った。

 ……コイツ、自分の評価がやけに低いんだよな。もっと自信を持っても良いと思うのは俺だけじゃないはずだ。

「いやいや、本当だって、なぁセリヤ?」

 俺はそう言いながら隣に座っているセリヤの方を向く。

 するとセリヤは、

「え、えぇ、そうね……」

 無理に笑顔を作ってそう言った。


 コイツ、まだ根に持ってるのか。

 そう、セリヤは漆黒龍(ブラックドラゴン)に魔法が効かないとなった時、先陣を切ってラークの命令を無視し、突っ込んで行った。そして、結果的にその行動で他の冒険者たちも命令を無視して突っ込んで行った。

 だからセリヤは、そこで怪我をした冒険者たちが出たという事もあり、責任を感じているのだ。


「セリヤ、結果的に俺たちは勝ったんだし、怪我をした冒険者たちも、命に関わる怪我をしている訳じゃない。だからそう気を落とすなって。」

「テツヤの言う通りだ。ほら、あの怪我をした冒険者だってあんなに元気そうだぞ?」

 ラークはそう言い、長いベンチの様なところに寝ている冒険者を指さす。

 そこには、両手両足に包帯をぐるぐる巻きにしている冒険者が居た。――って、


「なんでよりにもよって一番重症のやつを指さすんだよ!?」

 俺はそう突っ込む。

 いやだってこういう時は普通元気に酒を飲んで騒いでる様なやつを指さすとこだろ!?

 しかしラークは、

「いや、逆に考えてみろ?一番重症なやつでも死んではないって事だぜ?」

「なるほど……逆転の発想か――ってなるかぁ!」

 たく……戦う前はあんなにリーダーっぽかったのに、終わったらなんでこうモブに戻るんだよお前は(むしろ主要人物感出てるかもしれないが。)


「まぁでも、今こいつが言った通り、死人が出なかっただけ凄いと思うぜ?セリヤがあんな行動をしなくても恐らく怪我人は出てただろうしよ。」

「……まぁ、それもそうね。」

 そこでセリヤはやっと、ちゃんと笑った。

 ふぅ……とりあえず無事に倒せて良かったぜ。これで本当に一件落着だな。


 するとそこで、

「あぁ、そうだ」ラークは何かを思い出した様にそうつぶやき、「おい、お前ら!」そう言って冒険者ギルド内に居る冒険者たちを集めた。

「な、何が始まるってんだ……?」

 俺は自分の周りにずらりと集まった冒険者たちを見渡しながらそう呟く。いやだって、こんなにガタイのいい冒険者たちが急に集まって来て囲まれたらそりゃ怖いって!まぁ、こいつらはそんなことはしないだろうけどよ。


 俺は何が始まるんだとドキドキしながら待っていると、ラークが、

「実はな、さっきお前らが居ないところで話し合っていた事があるんだ。」

 そう言った。

 ん?話し合っていた事?俺とセリヤがお似合いカップルって話か?

「何を話し合ってたんだよ?」

 俺はそう聞くと、

「今回の漆黒龍(ブラックドラゴン)の討伐はお前ら二人のおかげだ。だから俺たちができる範囲で、お前らの願いを聞いてやろうという事になったんだ。」

 ラークはみんなと目を合わせながらそう言った。


 なるほど……

「で、何か願い事はないか?」

 願い事、かぁ……っていうかいきなりそんなこと言いやがって、お前らは玉を7個集めたら出てくる龍かよ。まぁ、あるがな。

「あるぜ、願い事。」

「お!どんな事だ?」

「今はまだ考えがまとまってないから、とりあえず明日の昼、冒険者ギルドに集まってくれ。」

「?まぁ良いが。」


 こうして俺たちの、真夜中漆黒龍(ブラックドラゴン)討伐は幕を閉じたのだった。

 あ、ちなみにこのあとめっちゃくちゃメアリーに謝罪した。

 (寝ぼけていて、俺たちが漆黒龍(ブラックドラゴン)を討伐しに行くという事を理解していなかったらしい。)

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