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恐ろしいモンスター


「涼しいな」

 俺はメアリー家の扉を開け、外に出るとそう呟く。

 久しぶりに夜に外へ出たけど、夜風が気持ちいい。たまにはこういうのもありかもな。

 だが、外に出たのは残念ながらただ涼みたいからでは無い。

 だとすると今手に持ってる杖はなんなんだって話だからな。


「テツヤ、どう?」

 俺が夜風に当たっていると、セリヤが家の中から出てきた。

 なんでこいつが後から出てきたのかって言うと、俺たちが今から外に出るという事をメアリーに伝えに行っていたからだ。メアリーとは別の部屋で寝ているからな。


「確かにこんな時間なのに明るい家が多いかもな」

 俺は周りの家を見渡しながらそう言う。でも、ガヤガヤ言う程はしてないぞ?

 しかし、セリヤは、

「これは何かが起きてるに違いないわ……!テツヤ、冒険者ギルドへ急ぐわよ!」

 険しい表情をしながらそう言うと、

「え?冒険者ギルド?って!?」

 俺が発言し終わる前に襟首を掴み、冒険者ギルドの方へ走り出した。


「ちょ、離せって!走るから!」

 こいついくらなんでも焦り過ぎだって!世界滅亡の未来でも見えたのかよ!

 俺はセリヤにそう言いながら暴れていると、

「あ、ごめんごめん、離すわよ。でも、急ぎましょ」

 セリヤは俺にそう軽く謝罪し、襟首を掴む手を離した。

「もう少し冷静になれよな。」

 俺は崩れた襟首を直しながらそう言った。

 たく、熱くなりすぎだろ。外はこんなに涼しいのによ。

 まぁだが、セリヤの言っていた様に今のこの街は少し様子がおかしい気もする。とりあえずセリヤの言う通り、冒険者ギルドへ行くとするか。

 こうして俺たちは夜の冒険者ギルドへと向かった。



 そこから少し走ると、冒険者ギルドが見えてきた。前から思っていたが冒険者ギルド、結構近いよな。

 俺は夜の冒険者ギルドの方を見る。すると、建物の中には明かりが付いており、サラマンダーが現れた時の冒険者ギルドを彷彿とさせる様な、そんな雰囲気が周囲を包み込んでいた。

「やっぱり……!」

 セリヤが冒険者ギルドの方を見てそう声を漏らす。

「あぁ、まさかとは思ってたが……」

 こりゃあ、本当に何かが起きてるのかも知れねぇな。


 

「とりあえず冒険者ギルドへ入るぞ」

「えぇ」

 冒険者ギルドの前に着くと、俺たちはそう軽く会話を交わし、扉を開けた。

 中に入ると、夜中とは思えないくらい凄い数の冒険者たちが集まっており、口々に話し合っていた。しかし、その会話にはピリピリとした緊張が漂っており、本当にサラマンダーがミリゴに現れた時みたいだった。


「お、おぉ!テツヤ!セリヤ!お前らも来たのか!」

 俺たちが冒険者ギルドに入ってすぐ、円形のクエストボードに難しい顔をしながらもたれかかっていたラークは、俺たちが来たのを見るや、一瞬で顔に笑顔を浮かべてそう言う。

 お、こいつも来てたのか。やっぱり只事じゃあ無さそうだな。

「一体どうなってるんだ?」

 俺はラークの方へ歩いて行きながらそう聞く。

 あ、一応ラークを覚えていないやつの為に軽く補足しておくと、こいつは俺とセリヤが初めてここでクエストを受ける時に、グーネウム鉱山まで案内してくれた、グーネウム帝国の中ではあまりいない、優しい冒険者だ。

 あの後も冒険者ギルドで会ったりすると、話したりしている。とりあえず今はこれくらいで良いか。


 すると、俺の質問を聞いたラークは、再び顔を険しくして、

「それがな……さっきグーネウム帝国のすぐ近くで恐ろしいモンスターが出現したという報告が入ったらしいんだ。」

 そう言った。

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