オーガがそこに居る理由
「結局オーガがグーネウム鉱山に居る理由はなんなんだよ」
俺は冒険者を急かすようにそう言う。だってグーネウム鉱山を見つけたカーライト一族が――とか、その鉄を売って――とか、歴史の授業みたいな話苦手なんだよ。すると冒険者は、
「そう急かすな、今から話す。」
俺を宥めるようにそう言うと、話の続きを始めた。
「それでさっきの話の続きなんだが、実はカーライト一族がグーネウム帝国を作った時、元々そこにあった森林を大幅に伐採したんだ――」
そこまで話したところで、
「それで、元々森に住んでいたオーガ達は住処を無くし、グーネウム鉱山に住み着いたって訳ね。」
セリヤが話に割り込んだ。
「お、よく分かってるじゃねぇか。まぁ、正確には住み着いたってよりは出現するだがな。だからオーガたちは毎回一体。多くても二体で現れる。だから未だに正確なオーガの住処は分かって居ないらしいんだ。」
「そうなのね」
ちょ、ちょっとたんま!!
「一旦止まってくれ、要するにどういう事だ?」
俺は二人の会話を切るように割り込むと、そう言う。
いや、だって話が急に展開し過ぎてついていけねぇんだもん。お前らは理解出来たか?
しかし、セリヤは、
「逆にここまで来て理解出来ない方がおかしいわ。」
そう言ってきた。
「いや、分からねぇもんは分からねぇんだよ!」
俺はそう言い返す。するとセリヤは、「はぁ」と、ため息を吐いたあと、
「……要するに、自分の住む場所を無くしたオーガたちは、隣にあったグーネウム鉱山に移動したって訳よ。」
呆れた様な口調で、簡単にそう説明した。
「なるほど……」
まぁ、これくらい単純に説明してくれりゃあ、俺にでも分かるわ。
するとそこで、
「ほら、着いたぜ。あの穴がグーネウム鉱山の入り口だ。」
冒険者が道の先を指さしながら、俺とセリヤにそう言ってきた。
俺はすぐに冒険者が指さす方に視線を向けると、そこには人一人が歩けるくらいの小さな穴が、ゴツゴツとした山の斜面に空いていた。その穴は、入り口が木で補強されており、中も崩れない様に木で補強されている。
「……あの穴の中に入るのか?」
俺は恐る恐る冒険者にそう質問する。
正直に言おう――入りたくねぇ!!
だって今にも崩れそうなんだぜ?あの穴!それに俺狭いところ苦手なんだよ!(ひとつ例を挙げるとすると、中学生の時、ふざけてクローゼットに入って出られなくなり泣きわめいた事がある。)
しかし、冒険者は、
「あぁ、恐らくな。俺もグーネウム鉱山でのクエストを受けた事は無いからよく分からないが、他の冒険者がこの穴に数人で入って行くのは見たことがある。」
そう言った。
「やっぱ入んのかよ……」
俺がそうテンションダウンしていると、隣ではセリヤが、
「なんかダンジョンみたいでワクワクするわね!じゃあ冒険者のアンタ!ここまで案内してくれてありがとう!行ってくるわ!」
元気よくそう言い、すぐに穴の方へ歩いて行く。
「あぁ、全然大丈夫だ。後、俺の名前はラークだ。」
対して冒険者、いや、ラークもセリヤにそう言う。
ちょっと待ってくれよぉ……心の準備くらいさせて欲しいものだぜ。
「お前は行かなくて良いのか?置いていかれるぞ?」
そんな俺に対して、不思議な顔をしながらそう言ってくるラーク。……たく!行けばいいんだろ行けば!!
「行くに決まってるだろ!」
俺はそうラークに逆ギレをかますと、足早にセリヤの方へ歩いて行った。
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