クエスト選び
「目の前で消えたですか......多分それはファビラスが持っているユニークスキルじゃないでしょうか。」
セリヤの質問に対して、メアリーはそう答えた。って!?
ユニークスキルだと!?じゃあ昨日のあれはやっぱりただ単に早くて消えた様に見えた訳じゃなく、本当に消えてたって事か!?
「まさか消えるユニークスキルを持ってるって事か!?」
俺は勢いよく立ち上がると、メアリーに身体をグッと近づけてそう言う。
しかしメアリーは、
「すいません、私もよく知らないんです。」
申し訳なさそうにそう返した。恐らくメアリーもファビラスが消えた理由が分からなくて、まだ一番可能性が高そうな「そういうユニークスキルを持っている」という説を答えたのだろう。
でも!それでも俺たちよりはこの街に長く住んでるんだから何かは知っているはずだ、だから俺は、
「頼む!何か教えてくれ!」
更にメアリーの方へ身を乗り出してそう言った。
するとそこで、
「テツヤ、そういうのはやめましょ。メアリーが可哀想だわ。」
セリヤがそう真剣な表情でそう言いながら止めてきた。
「……ッ」
その一言で、俺は自分のしていた事が脅迫じみた事だということに気づいた。
......セリヤの言う通りだな。
俺は消える事のできるユニークスキルという驚異的なユニークスキルのせいで動揺してたみたいだ。
「メアリー、変に問い詰めてごめんな」
俺は体勢を元に戻すと、メアリーにそう謝罪をする。
「いやいや!謝らないでください!テツヤさんが熱くなる理由もよく分かりますから!」
対してメアリーは、あたふたしながら俺にそう言った。
……本当に優しい子だよな。
「ありがとう」
俺は静かにそう言った。
それにしても、まだ確定では無いが、消える事の出来るユニークスキル、か。
どうやら俺たちの前には大きな壁があるみたいだな。
その後、朝ごはんを食べ終わった俺とセリヤは、メアリーが幻影の騎士団に払うゴールドを代わりに稼ぐ為、冒険者ギルドへと向かった。
ちなみになんで朝からクエストを受けに行くのかって言うと、万が一クエストが上手くいかずに時間が掛かった時、昼や夕方にクエストを受けていると次第に暗くなってきて危ないが、朝に受けることでどれだけ時間が掛かっても、流石に夜にはならないだろ?(多分)
だからだ。お前らも俺みたいに異世界転生した時には、この豆知識を使って見てくれ。多分だが役に立つぜ?
――と、豆知識披露はこのくらいにして、早速クエストを選んで行くとするかね。
「よし、じゃあ早速クエスト選ぶか。」
俺は隣にいるセリヤにそう一声掛けると、冒険者ギルドの真ん中にある円形のクエストボードに張り出されているクエストを見ていく――のだが……
「分かんねぇ……」
ミリゴに掲載されていた様なモンスターは居なく、代わりに名前すら知らないモンスターばかりが掲載されていた。
こりゃ、選べねぇな。
まぁ、俺は転生してきた身だ。ミリゴに居るモンスター以外は知らないのが普通なのだが。
「セリヤ、なんかいいクエストあったか?」
俺は横で同じようにクエストボードを見ているセリヤにそう言う。しかし、セリヤも俺と同じく、
「いや、まずどのモンスターが強いのかよく分からないわ......」
腕を組みながらそう言った。
コイツも分かんねぇのかよ。まさかセリヤって意外に知らない事が多いのか?
俺は「はぁ」とため息を吐くと、もう一度クエストボードとにらめっこをするが――やはり先程と同じく何が強くて何が弱いのか、全く分からなった。
ん?ゴールドを稼ぐ事が目的なんだからモンスターの名前とか強さとかじゃなくて報酬で選べばいいじゃないかって?
いや、ごもっともな意見なんだがな......その方法で選ぶことが出来たら今頃俺もセリヤも良いクエストを見つけてるだろうよ。
そう、なんとクエストボードに掲載されているクエストには場所とモンスター名のみで、報酬ゴールド額は全く書かれていないのだ。
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