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そんなユニークスキル


 次の日、俺とセリヤは冒険者ギルドに行く前に、メアリーが出してくれた朝ごはんを食べていた。

 なんで俺たちが冒険者ギルドに行くことになったのかを軽く説明すると、昨日俺とセリヤは、メアリーが幻影の騎士団(ファントムナイト)に払わなきゃいけないゴールドを俺たちが払う代わり、この家にグーネウム帝国にいる間は住ませてくれないかと交換条件を出したところ、メアリーはそれを承諾してくれた。

 だから俺たちは冒険者ギルドに行ってメアリーが払わなくてはいけない分のゴールドを稼がなくてはいけないのだ。


 今思えばわざわざメアリーにそんな交換条件を出してまでこの家に泊まらなくても、グーネウム帝国みたいなでっかい街なら旅人用の宿くらい幾らでもありそうだからそっちの方が良いのかもしれないが……

 それだとメアリーみたいな可愛い女の子とこうやって一緒に住む事も出来なかったしな!これはこれで良かったと思う。

 ――と、少し話が長くなったな。よし、じゃあ早速本編スタートだ。


「なんだかんだパンってのは美味いよな。」

「そうね、シンプルだけれど、それがまたいいわよね。」

 俺とセリヤはそう朝ごはんに出てきたパンを食べながら会話を交わす。すると、


「すいません、昨日と同じパンしかなくて」

 俺たちの対面に座っているメアリーが申し訳なさそうな顔をしながらそう言ってきた。

 いや、別に俺はパン好きだから全然良いけどな。

 食べ物にゴールドをあまり使えない理由も知ってるし。


 再度補足しておくが、メアリーは毎日幻影の騎士団(ファントムナイト)に高額のゴールドを払っている。

 両親と同じくグーネウム帝国の最下層、プアゾーンに行かせる為にな。

 だからそれ以外にはなかなかゴールドを使えないのだ。


「いや、旅人の俺たちをこうやって止めてくれてるだけで本当にありがたいから、ご飯で文句なんか言わないぜ?それに、本当にこの街のパンは美味いからな。」

 俺はそう明るい声でメアリーに言う。

 ちなみにパンが美味いってのは気を使って言ってるとかじゃなくてマジだからな?流石でっかい街って感じだ。


 そのセリフを聞いたメアリーは、

「そうですか、なら良かったです。」

 安心した表情でそう言った。

 するとそこで、

「そうだメアリー。一つ質問しても良いかしら?」

 急にセリヤがそう言い出した。

「質問……ですか?良いですよ?」

 いきなりのセリフに少々戸惑いながらも、そう返すメアリー。


 なんだ?質問のタイミングが不自然すぎるぜ?――はっ!まさかコイツ、この話の流れの中でさりげなぁ〜く「メアリーって何カップなの?」なんて聞いて、メアリーのカップ数を知ろうとしてるんじゃないだろうな?

 全く、けしからんなそれは。よし、仕方ない俺も聞いてやる。(未来の俺からの感想だが、こん時の思考はまじで狂ってるぜ……)


 俺はそうメアリーに対するセリヤの問いに期待をしたのだが、

「昨日冒険者ギルドにファビラスってやつが居たのよ。そいつの事、何か知ってる?」

 残念ながらセリヤはおっぱいの話ではなく、昨日冒険者ギルドに居た謎の男、ファビラスの事を質問した。

 ……まぁその事も気になるが。


 昨日、俺たちはあの男ファビラスが目の前で消えるのを見た。あれは只者では無いだろう。

 更に、昨日俺に忠告をした旅人はファビラスは幻影の騎士団(ファントムナイト)のリーダーと言ってたからな。

 後々激突する事になるなら彼の情報は知っていた方が良さそうだ。

 だから俺は、

「俺もファビラスの事は気になる、教えてくれ。」

 セリヤの問いに乗るようにそう言った。


 するとメアリーは、

「ファビラス......ですか。」

 そう言った後、知っている限りの情報を俺たちに話し始めた。

「ファビラスは幻影の騎士団(ファントムナイト)のリーダーで、この街の中でも恐らく一番強い人物です。」

 やっぱりファビラスは幻影の騎士団(ファントムナイト)のリーダーなのか。

幻影の騎士団(ファントムナイト)のリーダーって事は、ファビラスはこの家に金を取りに来た事はあるのか?」


「いえ、それは無いです。多分リーダーなので色々と忙しいんじゃないでしょうか。」

 なるほどな。

 するとそこで、

「昨日そのファビラスってやつが冒険者ギルドに居て、私たちの目の前で消えたのよ。それはどういう事なの?」

 セリヤがそう聞く。


 お、一番気になることを質問したな。

 その質問に対してメアリーは、

「目の前で消えたですか......多分それはファビラスが持っているユニークスキルじゃないでしょうか。」

 そう言った。

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