表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

58/98

特別な者


 俺とセリヤは旅人冒険者登録を終えると、後ろにも冒険者が並んでたから、足早に列から逸れた。


「今日はもうすぐ日も落ちるし、クエストを受けるのは明日からにしましょうか。」

 セリヤが俺にそう言う。

 確かにメアリーもまだ数日は持つって言ってたからな。

 初日から張り切って怪我でもしたら最悪だ。

 だから今日はメアリーの家でゆっくりさせてもらう事にするか。


「あぁ、そうだな。」

 俺はセリヤにそう返すと、冒険者ギルドから出る為に入り口の方へと歩いて行く。

 すると、俺たちが出る前に、一人の男が入ってきた。

 その男は背中に巨大な剣を背負っており、身体全身を黒いローブで隠していた。

 こりゃまた強そうな冒険者が入ってきたな。


 俺は頭の中でそう思っていると、なんと冒険者ギルドの中に居た冒険者たちは、その男を見た途端、顔に焦りを浮かべて、すぐに道を開けた。

 ん?なんだなんだ?そんなに危ないヤツなのかコイツは?

 その男は、冒険者たちが道を開けたことを確認すると、何も言わずに無言で真っ直ぐ歩き出す。

 どうやら酒場に向かっているみたいだ。


 するとそこで、

「なんだぁ〜お前ぇ」

 その男に一人の旅人が立ち塞がった。

 その瞬間、冒険者ギルド全体がざわつき始める。

 あ、あの酔っ払い……!


「ちょ、アイツヤバいんじゃねぇのか?」

 だってあの男、明らかに強キャラじゃん。

 あんなのにだる絡みしに行ったらぶちのめされちまうぞ。

 俺は直ぐにあの酔っ払った旅人を止めに行こうとする。

 が、受け付けの列に並んでいた旅人が、

「おい兄ちゃん、やめとけ。」

 俺にそう言い、止めに行く事を止められた。


「なんでだよ?あの酔っ払い危ないだろ。」

 俺はすぐさまそう反論をする。

 だって絶対あの男なんかするじゃん。

 しかし、俺を止めた旅人は冷静に、

「確かに危ないが、止めに行ったら兄ちゃんも危なくなるぜ?なんせあの男は幻影の騎士団(ファントムナイト)のリーダー、ファビラスだからな。」

 そう言った。


「ファビラス……?」

 俺はそう言いながらその男、ファビラスの方を見る。

 するとファビラスは、

「......どけ。」

 ドスの効いた低い声で酔っ払いの旅人にそう言う。

 しかし相手は酔っ払いだ。

 もちろん普通にどけと言ったところで退くはずが無い。なんと冒険者は、

「どけだぁ?やなこった!おしりぺぇんぺぇん!」

 そう言いながらケツを突き出してフリフリ煽り出した。


 げ......アイツ終わったな。

 すると次の瞬間、

「な!?」

 なんとファビラスは一瞬にして消えた。

 そして、

「ぐべぇ!?」

 それとほとんど同時に、酔っ払いの旅人は何者かに殴られた様に、吹き飛んだ。

 ちょ!?今何が起きたんだよ!?まさかあのファビラスとか言う奴が目にも止まらない速さであの酔っ払いを殴ったってのか!?


 しかし、ファビラスはそんなスピードで動いた様子は無く、

「......目障りなゴミめ、二度と俺の視界に入るな......」

 気付くと先程のようにスラッとそこに佇んでいた。



「帰ったぞ」「ただいま」

 その後、家に帰った俺たちはメアリーの家に入ると、そう言いメアリーに帰った事を知らせる。

「おかえりなさい」

 メアリーは、俺の声に気付くと、家の奥の方からこちらへ歩いてきた。


「ごめんなさいね、今日はもう時間が遅かったから、クエストは受けなかったの。」

 セリヤが俺の後ろから顔を出してメアリーにそう言う。

「いや、そんなの全然大丈夫ですよ!」

 対してメアリーは、謝らないで下さいと言わんばかりに、あたふたしながらそう言った。

 こいつ......一つ一つの動作がバカみてぇに可愛い野郎だな......


「それで、今日も来たのか?幻影の騎士団(ファントムナイト)は?」

 俺はメアリーにそう聞く。

 するとメアリーは、表情を暗くして、

「はい、来たのは来たんですけど......」

「いつもよりももっと多いゴールドを取られました。」

 涙ぐみながらそう言った。


「......そうか。」

 こりゃぁ、メアリーを今すぐにでもプアゾーンへ連れて行く気だな。

 これは急いでゴールドを稼いだ方が良さそうだ。

 すると、泣きそうになっているメアリーにセリヤが、

「大丈夫よ!私たちに任せて!」

 明るくそう言った。


 お、セリヤたまには良いこと言うじゃねぇか。

「あぁそうだ。メアリーが心配する必要は無い。俺たちが何とかしてやるからな。」

 俺もセリヤのセリフに乗っかるようにそう言う。

 すると、俺たちのセリフを聞いたメアリーは、

「テツヤさん、セリヤさん......!本当にありがとうございます!」

 涙を目尻に浮かべながら笑った。


 俺、やっぱり優しくなってるよな。

 まぁそれは良い事だから気にする事は無いんだが。

 よし!じゃあこの街をプアゾーンの人とかリッチゾーンの人とか関係無く、みんなが幸せに暮らせる街に変えてやろうじゃねぇか!

面白いと思ってくれた方は☆☆☆☆☆を押して下さると、嬉しいです!!そして是非ともブックマーク登録をして頂けるとありがたいです!凄く励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ