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衝撃の料理


「実はさっきから凄く腹が減っていてな......」

 俺はぐぅ〜っと低い音で唸る腹を押さえながらそう言うと、

「あ、そうだったのか!ちょっと待っててくれ!すぐに用意するからな!」

 男性は明るくそう言い、椅子から立ち上がると、キッチンの方へ歩いて行った。


「私も手伝うわ。」

 セリヤはそう言い立ち上がるが、

「ん?なんだ?姉ちゃん、俺が料理出来ないと思ってるのか?その気持ちは嬉しいが、大丈夫だ。だから椅子に座って待っててくれ。」

 男性は腰に手を当てながらそう言った。


 しかし、そこで終われば良いのにセリヤは、

「そう?で、でも――」

 まだ手伝おうとしていた。

 コイツどんだけ料理したいんだよ。――って、ちょっと待てよ?

 ま、まさか前のパンの時(忘れたやつは[ドッキリ]を読んでくれ)みたいにまた俺にドッキリを掛ける気か!?

 それだけはごめんだ!


 だから俺は、

「ほら、この人もそう言ってるんだから、静かに待っとこうぜ?」

 セリヤにそう言い、諦めさせようとした。

 すると、俺と男性二人にそう言われたセリヤは流石にこれ以上言うのは迷惑が掛かると思ったのか、

「......そうね、じゃあお願いするわ。」

 ニコッと笑いながらそう言い、手伝う事を諦めた。


「おう!任せとけ!」

 セリヤのセリフを聞いて、元気よくそう言う男性。

 よし!これでカビパンの可能性が無くなったぞ!

 俺はそっと胸を撫で下ろした。


 ……でもこのままだったら、なんかセリヤが意地でも俺にカビを食べさせようとしてたみたいになるよな。

 今の出来事のせいでお前らがセリヤに「カビを食べさせようとする女の子」なんて偏見持って欲しくは無いから、一応確認しておくか。


「なぁ、セリヤ。ちなみになんであんなに料理を手伝おうとしたんだ?」

 俺は机に置かれた水を飲みながらセリヤにそう聞く。

 するとセリヤは、

「あぁ、それはあの人と一緒にテツヤに対する「カビ料理ドッキリ」を仕掛けようと思ってたからよ。」

 ニコッと笑いながらそう言ったぁぁ!?


「ゲホッゲホッ!?」

 驚き過ぎて、飲んでた水が気管に入ったじゃねぇか!

「セ、セリヤ、今言ったのマジか?」

 呼吸を整えた後、俺は恐る恐るセリヤにそう聞く。

 するとセリヤは、

「当たり前じゃない!」

 先程と同じ様に、ニコニコしながらそう言った。

 ……前に俺はセリヤの可愛い笑顔に弱いと言ったが、今だけはそんな笑顔も怖く見えてくるぜ……

 まぁでもとりあえず、

 セリヤが手伝うのを諦めてくれてよかったぁ……

 俺はそっと胸を撫で下ろしたのだった。


 それからしばらくして、

「はいよ!出来たぜ!」

 男性が明るい声でそう言いながら、お皿に盛り付けられた料理を持ってきた。

 お、やっときたか!もうお腹と背中が引っ付きそうだぜ。

 次々と男性は、机に料理を並べていく。――って……ん?


「な、なぁ」

 俺はある事に気づき、すぐに男性にそう声を掛ける。

 しかし男性は、

「ん?なんだ?」

 不思議な顔をして俺の顔を見てくるだけ。


 コイツまさか何とも思って無いのか?っていうか、まさか動揺してるのは俺だけなのか?

 不思議に思った俺は、横に座るセリヤの方を見る。

 するとセリヤもやはり、

「……」

 先程から並べられ始めたものを見ながら固まっていた。


 ……これは言うしかないな。

 俺は鼻歌交じりに次々と料理を運んでくる男性にこう言った。

「なんで出てくる料理全てがキノコなんだ......?」

 そう、なんとこの男性が持ってきた料理は全てキノコ料理だったのだ!


 いや、お前らの言いたい事は分かる。

「わざわざ作って貰ったんだからつべこべ言わずに食べろ」だろ?

 確かにそれはそうなんだけどよ――

 全ての皿に全く同じキノコの素焼きが山積みにされてるんだよ!!


 流石にコレはヤバいだろ!

「あぁ、すまないな。家にキノコしか無くてな。まぁだが味には自信があるし、全部ここらの森で採れた新鮮なやつだ!」

 対して男性はというと、少しは申し訳ないと思ってる様だったが、別にそこまでおかしいとも思っていなさそうだった。


「ふぅ」

 俺は気持ちを切り替える為にそう大きく息を吐く。

 まぁだが、俺は先程言った通り、お腹と背中が引っ付きそうなくらい腹が減っている。

 胃の中に何も無さすぎて、今にも胃液で胃が溶けそうなくらいだ。

 食べないのも申し訳ないからな。


 だから俺は、料理と一緒に目の前に置かれたフォークを握ると、

「じゃあ、いただきます。」

 そう言い、山積みにされたキノコに刺した。

「おう!好きなだけ食ってくれ!」

 男性は、腰に手を当てながらドヤ顔で言ってくる。


 コイツ、この料理にそんなに自信あるのかよ。

 俺はそう思いながらフォークに刺したキノコを口の中に入れた。

 瞬間……!

「こ、これは……!」

 口の中をキノコの旨みが満たした。


 めちゃくちゃ美味いじゃねぇか!

 口の中を充満するキノコの深みのある味わい、そして鼻の中を走り抜ける香ばしい匂い!最高だ!

「やっべぇ!こんなキノコ食ったことねぇ!」

 俺は腹が減っていたという事もあったが、それ以上にキノコが予想を遥かに上回る美味さで、俺の手はもう止まらなくなっていた。

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