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近づく限界


 セリヤが奥の道へと走って行ってから、俺とローズオーラはセリヤの方へ行こうとするゴブリンと俺たちに襲いかかってくるゴブリンを倒し続けていた。


「はぁぁ!草木を燃やせ、ファイアボールッ!!」

 俺はそう呪文を唱え、杖からファイアボールを放つ。

 しかし、俺が体力の消耗が激しいという理由でコントロール機能を使わなかったからか、それともゴブリン達が学習をしたのか、ファイアボールは、ゴブリン達をすり抜けて後ろの木にぶつかった。


「クソ……」

 幸いゴブリンは爆風で吹き飛んだから攻撃自体は失敗では無いが、今の失敗が続けばマズイな。

 それに、俺の体力はどんどん削れて来ており、動け無くなるのは時間の問題だった。


「たぁぁぁぁぁ!!」

 疲れている俺の横でローズオーラが蹴りでゴブリン達を吹き飛ばす。

 強ぇな、ローズオーラは。よし、俺もこんな所で止まってられねぇ......!


 俺は疲れた身体を何とか起こし、

「大地を潤おせ、ウォーターボール!!」

 ゴブリン達の足元にウォーターボールを叩き込む。


「ギャギャァァ!?」

 俺の攻撃のパターンを読み始めていたゴブリン達も、この魔法は初めてだった為避ける事は出来ず、ウォーターボールの爆発に為す術なく飲み込まれた。


 すると、俺の前に突然、

  [レベルアップ!貴方はレベル20になりました。]

 そう、久しぶりのレベルアップ通知が表示された。


 お!久しぶりのレベルアップか。やっぱりこの位のレベルまで来たら上がりにくいんだな。

 まぁこれでさらに強くなったって訳だ。


 にしても――

「はぁはぁ……」

 そろそろ本当に体力の限界が近づいてきていた。

 おそらくレベルアップの影響もあるんだろう。魔法の威力が上がって行く度に、一発に使う体力が増えてる気がするぜ。


 俺は荒い息を吐きながら膝に手をついた。

 一旦休憩したい所だな……

 すると突然、

「テツヤ!後ろ!」

 ローズオーラが俺にそう叫んだ。


「......ッ!」

 俺は直ぐに後ろを振り向く――するとそこには、

「ギャギャギャァァァ!!」

 俺の背中を今にも切り裂こうとするゴブリンの姿があった。


 や、やばい……!

 だが、こんな近距離では魔法は使えない――いや、まず呪文を唱えてる間にいかれちまう!

 くっそ、こうなったら!

「クソッタレがぁぁ!!」

 俺はやけくそで、ゴブリンの頭をフルスイングした。


「ギャギャァァ!?」

 そのゴブリンは、俺が魔法ばかり撃っていたから、まさか近距離攻撃は出来ないと思っていたのだろう。

 そのまま2メートルくらい宙を舞って、そのまま地面に倒れた。

 ふっ、ゴブリンの賢さが、逆に(あだ)となったって訳だ。


「危なかったぜ......」

 俺は口からそう言葉を漏らす。

 とにかく、攻撃を受けなくて良かったよ。

 すると、ローズオーラが俺の方に移動してきて、

「大丈夫か?さっきから動きが遅くなってるぞ?」

 ゴブリンを殴りながらそう言ってくる。


 そりゃ動きも遅くなるよ、だってさっきから何発も魔法を撃ち続けてるんだぜ?なんかサラマンダーと戦った時を思い出すな。

 俺はそう魔法を連続で放ったサラマンダー戦を思い返していると、そこである事に気付いた。


 コイツ、汗を一滴も垂らしていないのだ。

 まさか疲れてないのか?こんなに長時間戦ってるのに?

「お前は......疲れないのか?」

 俺ははぁはぁと荒く息をしながらそう聞く。


 すると俺のセリフを聞いたローズオーラは、呆れた様な表情をして、

「我は魔族だぞ?この程度でへこたれるか。」

 そう吐き捨てた。


「な……」

 マジでバケモンじゃねぇかコイツ……まさかこの物語の最強キャラはコイツじゃないのか?

 俺は横で戦っているローズオーラがとうとう怖くなってきていた。

 すると突然、

「うがぁぁ!?」

 その叫び声と共に、奥から()()()飛んできた。


 その人は地面に強く当たりながらこっちに飛んできて、俺とローズオーラの前でやっと止まる。

 おいおい、これやばいんじゃないか?

 俺は直ぐにその人の前に屈むと、声を掛けた。

「おい!大丈夫か!って......ッ!?」


 そこで俺はやっと気付いたのだ。

「セリヤ!?」

 奥から吹き飛ばされてきたのはセリヤだったという事を。

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