表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/98

作戦


「確かに死ぬほど怖いさ、今すぐ家に帰りたいくらいだ。」

 ハチマキを巻いた冒険者はそう言いながらも、

 「でもな、ここに居る冒険者は兄ちゃん達を見て気付いたんだよ。勝てる勝てないじゃなくて、この街を守りたいって気持ちが大切だってな。」

 確かにそう言った。


 更にこう続ける。

「兄ちゃん達がサラマンダーと戦うと決めた時、俺たちは絶対に勝てないと思ってた。

 無駄死にだと、でもそうじゃなかった。

 だから俺たちは決めたんだ、たとえ負けるかもしれない相手でも、絶対に逃げないと!そうだろ?お前ら!」

 そう言い、ハチマキを巻いた冒険者が後ろを向いた瞬間、


「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」」

 周りに居た冒険者達はそう雄叫びを上げた。

 そして、それを確認すると、

「大丈夫、俺たちなら勝てる。一緒にゴブリン共をぶっ飛ばそうぜ。」

 そう言い、俺の方に拳を突き出してきた。


 なんだ、コイツらめちゃくちゃ成長してるじゃねぇか。

 俺の心配は必要無かったって訳だな。

「あぁ、当たり前だ。」

 俺はミリゴの冒険者がもう大丈夫な事を知るとそう言い、

 ハチマキを巻いた冒険者が突き出してきた拳に拳を合わせる。

 こうして、俺たちミリゴの冒険者と、ゴブリンキング率いるゴブリン軍団の戦いが始まったのだった。


 すると冒険者ギルドの中から村長が出て来て、

「皆さん、集まってくれてありがとうございます。時間が無いので早速説明をしていきます。」

 そう言い、作戦を話し始めた。


「ゴブリンキング率いるゴブリン軍団は、スライムの森の更に奥にある洞窟からこちらへと進んできます。」

 スライムの森の更に奥!?あんな初心者だらけの森の奥にそんな危険な奴らがいたなんて......この街怖ぇ……


「ですから、ここに居る冒険者のうち、前半分はスライムの森へと入り、進んでくるゴブリンを倒して下さい。

 残りの冒険者は、ここに残り、街に流れ込んでくるゴブリンを倒して下さい。」

 

 ん?ちょっと待てよ?ここに居る冒険者は30人くらいだ。

 それの半分だろ?15人で街に来るゴブリンを守るのはともかく、15人で森に入ってゴブリンキング率いるゴブリン軍団を迎え撃つのか!?

 それって大丈夫なのか……?

 まぁ確かにミリゴの人間がゴブリンに襲われる事が一番ダメだから、それだけ街の防衛に人数を割る意味も分からんでもないが……


 俺がそう頭の中で思考を巡らせていると、

「以上が作戦になります。」

 村長がそう言い、直ぐに、

「作戦開始ッ!!」

 開戦を意味するセリフを吐いた。


 ちょ!?もう作戦内容終わり!?

 俺はそういきなりの展開に戸惑うが、

 周りの冒険者達は、

「よし!じゃあ俺たちはスライムの森に行くぞ!」「ゴブリン共を返り討ちにしてやる!」「俺たちならやれるぞ!」

 そう言い、作戦通り前半分に居た冒険者達がスライムの森へと走って行く。


 コイツらはさっきの説明で分かったのかよ!?

 はぁ……ま、まぁ良い。

 確かに一刻も早くゴブリン共を止めに行かないと行けないからな。

 俺は何とかそう頭の中で結論を出すと、セリヤとローズオーラに、声を掛ける事にした。


 すると声を掛けようとしたその時、

「すいません、テツヤさん、セリヤさん、ローズオーラさん、こちらへ来て貰えますか?」

 村長からそう声が掛かった。


 ん?なんだ?

 俺は呼ばれた意味が分からず、

「なんだ?」

 首を傾げながらそう返す。


 すると村長は、

「貴方達はミリゴの冒険者の中で一番の力を持っています。ですから、ゴブリンキングの討伐をお願いしたい。」

 俺たちにそうゴブリンキングの討伐役を頼んできた。

 なるほど、まぁ言われなくても俺たちはそうするつもりだったけどな。


「良いよなお前ら?」

 俺は後ろにいるセリヤとローズオーラの方を見ながらそう言う。二人はもちろん、

「えぇ、もちろんよ。」「当たり前だ!」

 そう言った。

 まぁ分かってたけどな。


「そう言う事だ。」

 俺は顔を村長の方に向けてそう言う。

 すると村長は、

「ありがとうございます!では、貴方立て三人は、私の横にいる冒険者達と一緒に、スライムの森の入り口から道通りに進んで下さい。」

 そう言う。


 そこに居たのは、俺が先程話した頭に赤いハチマキを巻いた冒険者率いる数人の冒険者だった。

 コイツらと行動するのか。これも何かの縁なのかもな。

「分かった。」

 俺は一緒に行動する冒険者達を確認するとそう言うと、少し遅れながらもスライムの森へと走り出した。

面白いと思ってくれた方は正直な評価で構いませんので下の☆☆☆☆☆で評価してくれると嬉しいです!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ