衝撃の家主
「なんだお前ら、俺に何か用か?」
真っピンクな家の家主はドアを開けると、俺とセリヤの方を見ながらそう言った。
え……?えぇぇぇぇぇぇ!?!?
まさかの男なのかよ!?しかもなんだよコイツ、ムッキムキじゃねぇか!もはや男じゃなくて漢だよ!?
俺は予想外の家主に度肝を抜かれながらも、何とか顔をひきつらせながら笑顔にして、
「お、お前がユニークスキルの内容を見れると言う人物か?」
そう聞いた。
すると家主は、
「あぁ、そうだが。」
そう答えた。
ふぅ……何とか目的の人物には会えたみたいだな。
俺は、家主がまさかの漢という事に驚かされはしたが、とりあえず本題に入る事にした。
「村長にお前の事を紹介されたんだ、大丈夫ならコイツのユニークスキルの内容を見てやってくれないか?」
俺はさっきから家主が漢という事に度肝を抜かれ、石像の様に固まっているセリヤの肩に手を置き、そう言った。
すると、家主は俺とセリヤが村長の知り合いと知った途端、
顔を明るくして、
「お前ら村長の知り合いだったのか!良いぜ!まずは家に入ってくれ!」
そう言い、笑顔で俺たちを迎え入れた。
「お、お邪魔します。」
俺はそう言い、家の中に入ると、やはり見た目は外見通り真っピンクだった。
こんなのお姫様でもしねぇよ。
間取りはというと、村長の家とほとんど変わらず、入ってすぐにリビングがあるこじんまりとした家だった。
それに比べてセリヤの家は結構広いからもしかしたらミリゴの中ではデカいのかもしんねぇな。
俺とセリヤが玄関に入ってすぐ、棒立ちをしていると、家主は、「おいおい、そんなとこに突っ立ってないで、遠慮しなくていいから真ん中の椅子に座ってくれ」
明るく俺とセリヤにそう言った。
「あ、あぁ」「分かったわ」
俺たちはそう返すと、リビングの真ん中に置いてある椅子(マジで村長の家とほとんど変わらん)に隣同士で座る。
それを見た家主も俺たちの正面に座った。
よし、ここらで自己紹介でもしておくか。
俺は家主の方に片手を伸ばすと、
「俺の名前はテツヤ、そんで隣にいる奴はセリヤだ。よろしくな。」
そう言った。
すると家主は俺の片手をガッチリと掴み、
「俺はジェイド、よろしく。今日はそこにいるお嬢ちゃんのユニークスキルの内容を教えて欲しいんだよな?」
自分の名前を名乗り、続けてそう聞いてきた。
お、話が分かる奴で良かったぜ。
俺は軽く頷くと、
「あぁ、そうだ。」
ジェイドの問いに同意した。
すると、ジェイドはすぐに
「よし、じゃあ早速セリヤっつったか?片手を出してくれ。」
そう言い、ユニークスキルを見る準備を始めた。
「えぇ、分かったわ。」
セリヤがそう言って片手をジェイドの方に伸ばすと、ジェイドはその手に自分の手をかざして目を瞑り、集中し始めた。
ん?こんなんでユニークスキルの内容が分かんのか?
俺はそう思ったが、集中し始めてから20秒位経つと、ジェイドは分かったらしい。
ジェイドは目を開けると、
「セリヤの手に入れたユニークスキルの名前は獣の記憶で合ってるか?」
そう聞いてきた。
おぉすげぇ!本当に分かってるじゃねぇか!
俺がそうジェイドの実力に驚いていると、セリヤも驚いたらしい、
「えぇ、そうよ。よく分かったわね。」
驚いた表情でそう言った。
あっている事を確認したジェイドは、まるでそれが当たり前かのように、
「よし、合ってるなら、早速このユニークスキルの内容を説明していく。」
そう言った。
コイツ案外すげぇ奴なのかもしんねぇな。
俺はそう関心していると、ジェイドはユニークスキルの説明を始めた。
「このユニークスキルは、持っている冒険者が倒したモンスターの攻撃を武器に乗せて放つ事が出来る能力を持っているな。セリヤ、今まで倒して来た中で一番強かったモンスターはなんだ?」
そう聞かれたセリヤは、この前俺たちが命懸けで倒したモンスターの名前を出した。
「サラマンダーよ。」
それを聞いたジェイドは少し驚き、
「おぉ、中々の腕を持ってるな。
なら、サラマンダーの攻撃や、サラマンダーの特徴を武器に乗せて放つ事が出来る。」
そう言った。
ちょっと待てよ?それってめっちゃ強くね?
だって要するにサラマンダーが使っていたブレスを剣に乗せて放てるんだろ?ヤバいじゃん。
「それってめっちゃ強くないか?」
俺はジェイドにそう聞く。
するとジェイドは、
「あぁ、凄く強力なユニークスキルだ。」
そう言い、俺の問いを肯定した。
「良かったじゃねぇかセリヤ!」
俺は明るくセリヤにそう言う。
「あの時手に入れたのは、そんなスキルだったのね......まだ実感が湧いてないけど……嬉しいわ!」
セリヤも凄く嬉しそうだった。
でも、なんでジェイドは他の人間のユニークスキルの内容を見る事が出来るんだろう。
その時、俺の頭にはその様な疑問が生まれた。だから俺は、
「なんでジェイドはユニークスキルの内容を見る事が出来るんだ?」
ジェイドにそう聞いた。
するとジェイドは、
「実はそういうユニークスキルを持ってるんだ。」
そう言った。
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