〜魔法使ってもバレなきゃいいよね!〜
「チャリンチャリン」
俺は、バスの代金を入れ、バスに乗った。バスはの席は満席だったので、俺は立つ事にし、降りる次のバス停まで待った。
そして、次のバス停に着いた。すると、俺はすぐに降り、待ち合わせの場所に向かった。だが、降りる事は出来なかった。三人組の男がナイフや拳銃を持ってバスに乗り込んできたのだ。俺は、その男たちの一人の肩にぶつかり、
「なんだよ!」
と叫ばれた。そして、その男たちは
「おい、お前たち!自分たちの席に座れ!自分の席がないやつは床に座れ!」
と叫んだ。
俺たちは、その通りに自分の席か床に座った。そして、三人組の男たちは何かゴニョゴニョ話しをしていた。大事な話そうだったので俺は盗み聞き魔法を使って盗み聞きをしようとした。俺が盗み聞きをすると、三人組の男たちはこの様な事を言っていた。
「この中で一番弱いやつを人質にしようぜ」
と話していた。俺は、
「やばい!」
と思い、何か解決方法を考えた。バスジャックされている上に人質など取られたらたまったもんじゃない。しかし、何も解決方法は浮かばなかった。
そこで、俺は最終手段に出た。それは、俺が代わりに人質になる事だ。
俺が、
「人質になりたいです!」
と手を挙げれば三人組の男も俺を人質にしてくれるだろう。
そして、三人組の男はとうとう人質を選び始めた。
三人組の人質候補はこの五人らしい。
1人目
鈴木 小春 (20歳)女性
ちょっと金持ち
2人目
木下 エマ (25歳)女性
もしかしたら金持
3人目
田川 颯太(6歳)男子
親が少し金持ち
4人目
瀬川 蒼(5歳)男子
瀬川 緑の双子のお兄ちゃん
5人目
瀬川 緑(5歳)女子
瀬川 蒼の双子の妹
三人組の男たちはこの五人の中で決める事にした。そして、この中で誰を一番人質にすればよいか男たちは考えた。やっぱりお金持ちの人を人質にした方が良いと三人組の男たちは考え、五人いる選択肢から瀬川蒼と瀬川緑を無くした。それで、その後女性を人質にするか子供を人質にするかどちらか三人で考えた。
考えた結果、やっぱり子供の方が人質にしやすいのでは、と思い田川颯太を人質にする事にした。
そして、三人組の男は田川颯太を三人組の男がいるバスの運転席近くまで呼んだ。すると、颯太は大人しく三人組の男の所まで向かい、人質になった。俺は、この状況があまりにも酷いと思ったので、人質を
「自分がやります!」
と言い、人質を代わろうとした。
だが、三人組の男の返答は皆揃って同じだった。
「人質は決まっている。だから、お前の人質はいらない!」
俺は、そう返答され、これからどうすればよいかが分からなくなった。
だが、三十秒ほど考えるとある解決方法が思いついた。それは、魔法を使う事だ。魔法を使う事は人間世界では禁止されているがバレなければよいと俺は思っているのだ。
だが、それは危険な行為だ。普通魔法を使ったら皆注目してしまう。それを注目せずにしかもバレずに魔法を使うというのは、至難の技だ。
俺は、早速、魔法を使った。俺が使った魔法は三つだ。三つの魔法を混ぜて同時に使ったのだ。その魔法とは、場所交換魔法と透明化魔法と忘却魔法だ。
俺は、まず透明化魔法を使って自分の姿と颯太の姿を消した。この魔法を使えば一回殴られない限り透明でい続ける事ができる。そして、その次に場所交換魔法を使った。この魔法は、颯太にかける事で颯太の位置と俺の位置を代える事ができるのだ。最後に、忘却魔法を使い、俺と颯太の存在を忘れさせた。この魔法を使って俺は、人質のショーを始めた。
今、俺は人質になっている。なぜなら、場所交換魔法を使ったからだ。そして、透明にもなっている。俺は、この状況を利用して、三人組の男たちをぶっ倒す事にした。相手から存在を忘れられているなんてこんなにラッキーな事はない。そして、この魔法が誰にもバレずに上手くもいった。もし、俺が三人組の男たちをぶっ倒す事ができれば、皆も喜んでくれるだろう。そう思って、俺はナイフや拳銃を持っている三人組の男たちに
「ぶっ倒してやる!」
と挑んでいった。相手からは見えていないので、一回殴られるまでは俺の方が確実に強い。俺は、声を出さずに足音もできるだけ出さずに
「そぉ〜」
と歩いた。
しかし、三人組の男たちを警戒する必要は全く無かった。
俺と颯太は忘却魔法のおかげでバスの中にいる人全員から存在を忘れられている。
その為、もし、俺が一回殴られて姿が見えたとしても俺の方向に拳銃の弾などが飛んでくる事はないのだ。俺は、
「この勝負は楽勝だ!」
と思い、存在も忘れられているので魔法を使った。俺が持っている中で一番強い攻撃の
「ファイヤービーム爆弾!」
という攻撃をした。この攻撃は、炎系魔法の上級系魔法で、ファイヤーのビームを発射すると同時にファイヤーの爆弾も好きな場所に仕掛ける事が出来る。俺はこの魔法を使い、三人組の男たちの足元に爆弾を仕掛けた。
「バーン!」
すると、爆発した。三人組の男たちは髭も服も黒焦げになってしまっていた。
そして、突然の爆弾に三人組の男たちは、驚き、バスから逃げていった。しかし、爆弾を使ったのでバスの中が黒焦げだ。そして、怪我人も出ている。俺は、
「ちょっと派手にやりすぎたかな?」
と反省し、ヒール魔法を使う事にした。この魔法を使うと何でも回復する事が出来る。三人組の男たちは逃げてしまったので、
「もういいか?」
と思ったが怪我人も出ている。
そこの怪我人や黒焦げになったバスは回復しなければならないと俺は思った。
「ヒール!」
俺がそう叫ぶと黒焦げになったバスや怪我人の全てが回復し、元通りのバスになった。俺と颯太を除いては。俺と颯太は、まだバスにいる全員に忘れられている。流石にそれは可哀想すぎるので、俺は元通りに戻す呪文を唱えた。
「俺と颯太〜バスの中にいる人〜思い出させて〜ください〜」
すると、俺と颯太の存在が思い出され、俺は英雄として接しられるのでもなく皆の命を救った魔法学校の生徒として接しられるのでもなくただの夏休みの高校生として接しられた。
そして、皆は急に事件が解決した事に驚いていた。だが、誰かしらが解決してくれたのだろうと皆が思い、事件を終わらせた英雄の存在は皆、うやむやにしていた。
平和なバスの運転がまた始まった。
バスの運転手は事件が解決すると、元の状態に戻り、バスの運転を始めた。そして、バスを運転する前にこうアナウンスで言った。
「このバス停で降りる人はいますか?」
ここは、三人組の男たちが乗り込んできた所だ。三人組の男たちが乗り込んできた為、降りる人が誰も降りれなかったのだ。その為、バスの運転手はこのバス停で
「降りたければ、降りていいよ!」
と言ってくれたのだ。
俺は、このバス停で降りて、待ち合わせの用事があった為、このバス停で降りた。だが、待ち合わせにはバスジャックのせいで二時間も遅れている彼女はまだいるのか。それとも、怒って帰ってしまったのだろうか。
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