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プロローグ
この作品は「ブラック・シープ ~特殊軍事作戦部門~」の外伝であり、重大なネタバレを含んでいます。
狭い部屋で裸の男―ソーヤ―が「何か」を見つめている。
男の歳は20~30代に見える。その身体は異様に痩せており、肌は青白く、全身に蛇が這ったような模様がある。模様は、皮膚を長時間強く圧迫したことで出来た内出血のあとだった。
呼吸をしたはずみでソーヤの口内が見える。そこには歯が一本もない。
眼は充血していたが、正気を失っているようでも、絶望に打ちひしがれているようでもない。ただ、強い意志を感じさせた。
ソーヤの視線の先には、無造作に吊り下げられた人皮。
しかし、ソーヤは人皮を見ているわけではない、その先を睥睨していた。
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