【フリー台本04】男性一人用_全年齢向け現代(1200文字)
■概要
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■本文/台本
柚木ー、次個人レッスンだろ? 途中まで一緒に行こうぜ。
ん? 講師準備室? いいけど――って、数学の課題もう終わったんかよ。
一年の時からホントはえーな。
あーあ、こりゃ座学は今年もずっと柚木の下だな。
お前がやってると簡単そうに見えるんだけどな。
いいよ俺は。平均取れてればそれで。別に上行こうって思ってねーし。
いいから、行こうぜ。ノリちゃん今日はもう授業無いって言ってたし、入れ違いになるぞ。
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講師って大変そうだよなー。ノリちゃんなんていっつも忙しそうだし。
"うち"に普通科があればノリちゃんも教員になってたんかなー。
知ってたか? ノリちゃんも音大出身なんだぜ?
あんまり聞いたことないところだったけど、フルートやってたらしい。なんかイメージ通りだよなー。
ま、芸大ほぼ当確してる柚木みたいなやつにはどうでもいいか。
そういや音大って言えば、転校生知ってるか? なんか普通科しかないところから転入してきた子がいるって噂になってる。
それこそどうでもいいって――お前な……。
知ってるか? その子もピアノ専攻らしいぞ。
しかも専攻テストぶっちぎりだったって。
――ビビった? お、その顔はちょっと意識したな。眉間の皺の寄り具合が物語ってる。
不思議だよなー。普通校からきてそんなのあんのかよって話だ。
お、噂をすれば――あの子だよ。ちょうど中庭通ってこっち来る子。
天音詩羽、俺らと同じ音楽科器楽専攻二年次生、
んで――突如現れた天才ピアニストの卵ってやつ。
いいんだよ、こういう話は盛れるだけ盛っておけば。
でもなんか様子が変だな。もしかして迷ってる、とか?
ちょうどいいや。話してみたかったし、案内してあげようぜ。
ふふん。いやだね、もう決めた。
おーいっ、天音さーん!
お、振り向いた。へー、「天才」なんて言うからなんか孤高っぽい雰囲気イメージしてたけど、可愛い感じの子じゃん。
こっちこっち!
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天音さん、だよね? 転校生の。
そっか。俺"浅木 蓮也"、でこっちが"柚木 颯馬"。ぶすっとして愛想ないけど元からだから気にしないで。
二年生、でいいんだよね? 俺達もなんだ。
急にごめんね。何か困ってる風だったからちょっと気になって。次の授業の場所でしょ? 良かったら案内しようか?
――へぇ、講堂棟使うんだ。それじゃあ少し急いだ方がいいかな。
そうそう、予鈴鳴らないから気が付くと始まってたりするんだよねー。
柚木なんてしょっちゅう遅れてるよ。こう見えて意外とヤンキーなんだ、柚木は。
――いてっ。冗談だって。
だな、俺達はいいとしても天音さんを遅刻させるわけにはいかないか。
行こう、天音さん。講堂棟は結構ぎりぎりなっちゃうかも。急ごう。