31話《緊張》
「それじゃ、俺は行ってくるな」
時刻は15時。そろそろ買い物をして蓮の家に向かわないといけない。後、危ないくない包丁も買わないと。
「行ってらっしゃい」
「写真送ってね」
玄関までわざわざおばさんと香澄が見送りをしてくれた。
晩御飯は俺以外のメンツで久々に外食に行くらしい。逆に何食べたか教えて欲しい。
「それじゃあおばさん。留守番お願いします」
「任された」
「お兄ちゃん。私は?」
「はいはい、香澄よろしくな」
少しだけ雑に頭を撫でてあげ、そのまま家を出た。
「はぁ……」
パタリと扉を閉めた瞬間、深いため息が溢れて、そしてまた緊張が込み上がってくる。
二人の前だと安心感があったから大丈夫だったけど、一人になるとまた不安が体を襲ってくる。
「ダメだダメだ。落ち着け……」
軽く深呼吸を数度して、いざ一歩を踏み出す。
買い物する場所は、昨日と同じ場所。
少しだけキョロキョロするけど、空野は今日バイトの日ではないため、探したところでいるはずもない。
「よい、しょっと」
少し多めに作ろうと思って、結構買い込んだけど……重いな……
「自転車借りればよかったな……」
そんなことを思いながら一歩を踏み出した瞬間。
「あれ、颯音?」




