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Vox-ウォックス-  作者: 暁紅桜
26/40

26話《わがまま》

「それじゃあ俺帰るな」

「う、うん……」


あまり遅くなるのも良くないし、俺は少しだけ名残惜しさを感じながら家に帰ることに。

流石にこのまま二人っきりになって、れんに何もしないっていうのは絶対に無理だ。絶対手出しそうだ。


「ねぇ颯音はやと

「ん?」

「あ、えっと……迷惑じゃなければなんだけど」


少しだけもじもじしながら、何か言いたそうにしていた。

あぁほんと可愛いな……やばい、辛い。


「いや、やっぱり」

「だーめ。そういうのは今後なし」

「へ?」

「いうのを我慢するの。言いたことがあるならちゃんという。答えを聞いてないのに悪い方向に考えんな」


この性格はどうにも改善されそうにないな。少しずつ注意しながら無くしていかないとだな。


「ちゃんと聞くから。ほら、言ってみ」

「……あ、明日さ」

「うん」

「あ、明日も来て、くれない、かな?」


何かをお願いしようとしていたのは、発言的に予想はしていたけど、まさか明日もきて欲しいというお誘いだったとは……


「だ、だめ……かな……?」


だめじゃないです!寧ろこさせてください!!明日もお前に会いたいです。

と、こんな激しい考えは口には出さずに、そっと胸の中に止める。


「もちろん。せっかくだし、また飯作ってやるよ。何が食いたい?」

「えっと……颯音が作ったものなら、なんでもいいよ」

「だめだ。なんでもは認めない」

「えー……」

「お前は、何が食べたい?」


こうやって、少しずつわがままを言わせていこう。そうすればきっと、蓮は我慢しなくなったりすると思う。


「それじゃあ……オ、オムライス食べたい」

「よし、任せろ。普通のオムライスがいいか?」

「あ、えっと……」

「ん?」

「……出来れば、オムハヤシがいい、かな」

「任せろ。うんとうまいの作ったやるからな」


少しわしゃわしゃと蓮の頭を撫でてやる。

そういえば、こうやって頭撫でるの初めてだな……すっごいふわふわしてるな……


「は、颯音……」

「ん?」

「そっ、そろそろやめてもらえると……」


恥ずかしそうに顔を真っ赤にする蓮。反射的に勢い良く手を離しそうとしたが、その表情に愛おしさを感じて、そのまま蓮を抱きしめてしまった。


「え!? は、颯音!?」

「はぁ……ホントお前可愛い」

「あ、いや……その……」


あたふたする蓮。だけど俺は、もう本当に愛おしくて愛おしくてたまらない……


「また明日な」

「……うん、また明日な」


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