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Vox-ウォックス-  作者: 暁紅桜
25/40

25話《愛おしさ》

「なぁれん。おーい」


少しだけ気持ちが落ち着いたところで、今だにソファーの上で、クッションに顔を埋める蓮の側で声をかける。

全然顔を上げてくれないんだよなー……恥ずかしいのはわかるんだけど、流石にそろそろ顔を上げてほしい。


「そろそろ顔を上げてくれませんかねー?」

「嫌だ」

「子供か」

「だって……恥ずかしい……だもん……」


少しだけ顔をのぞかせた蓮の顔は言葉通り恥ずかしそうで、顔を真っ赤だった。

クッソ……両想いだとわかると、なんか前以上に蓮が可愛く見えてしまう。


「そんなの俺だって恥ずかしい……ほら、メガネぐらい外せ。危ないだろ」

「んっ……」


さて、どうしたもんか……なんていうか、別の意味で気まずい……

だって、両想いなんだぞ……俺ら……


颯音はやとは、さ……」

「え……」

「僕のこと、す、好きなの?」

「え、お、おう……」


改めて聞かれるとやばいなこれ……超恥ずかしい……あぁ俺も蓮と顔合わせられない……


「じゃあ、本当に……ぼ、僕の声が好き、なんだ……」


後半、声を小さくしながらそう言っている蓮は、また恥ずかしそうにした。

うん、可愛いです。本当に可愛いです。


「きっかけは、本当に声だった。声が目的だったけど、時間が立つに連れて、蓮自身に会いたくてあそこに行ってた」

「……たから」

「ん?」


クッションに顔を埋めてるせいか、声がうまく聞こえない。

「なんて言った?」と尋ねれば、また少しだけ顔をのぞかせて、恥ずかしそうに俺の顔を見てくる。


「僕も、お弁当もだけど……颯音に会いたくて、あそこに行ってたから……ちょっと嬉しかった」


あ、俺死んだわ。

何それ可愛いな!マジか!お前、弁当欲しさにきてたんじゃないのか!!

あぁまじどうしよう!恥ずかしいけど、それ以上に嬉しいが優ってる!死にそう!!

とまぁ、内心こんなに荒ぶっていますが、表情には一切出さなかった。

意外と俺の表情筋は仕事をしてくれるみたいです。


「ふーん。ちょっとだけか。俺はめちゃくちゃ嬉しかったけどなぁ」

「う……颯音はずるい……」


少しだけ拗ねながら、蓮はゆっくりと体を起こし、俺と目を合わせてくれた。

あぁなんていうか、しっかり好きであることを自覚し、伝えて、両想いになるとこんなにも世界が変わるんだな。


「へ?は、颯音!?」


衝動的に、俺はそのまま蓮を抱きしめた。

そういえば、こんな風に蓮に触れるのは初めてだった……体つきとか感触はやっぱり男だけど……うん、なんかすごい落ち着く。


「あ、あの……」

「もう少しだけこのまま……頼む」


ずっと、ずっとお前を抱きしめたかったんだ。抱きしめるだけじゃない。手を握ったり、頬にだって触れたいと思ってた。

だから頼むよ蓮……今だけは、抱きしめることを許してくれ……じゃないと俺、自分の理性を保てないような気がする……


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