託児所
晴天のもと、小鳥がさえずりを。
先生「はぁい!今日から入所する子の親族さんは、こちらでお別れです!行ってらっしゃい!!」
そこには2人3組の家族が…。
ボケA「じゃあ、行ってくるね、ネネコちゃん!先生も居るし、大丈夫だからねっ!」
ツッコミA「ネネコ強いから、大丈夫だよっ!ユージ…私も頑張るから、ユージも、お仕事頑張ってねっ!」
オタク気質で生真面目そうな男性と、ツインテールに猫耳を着けたアニメキャラの様な女性が言葉を交わし、男性は仕事へ行った。
ボケB「私、ざびしぃいい(寂しい)!!タク君は私がいなくて寂しくないの?」
ツッコミB「俺だって寂しいよ?ミナミは俺の事好きなんでしょ?俺はその1万倍好きだから安心して、カッ!(舌を鳴らす)」
号泣しているアラサー女性に、会話中も女性の顎をクイっとしている男性が、言葉を交わし女性は仕事へ行った。
ボケC「……はぁ。」
ツッコミC「連れて来てくれて、ありがとうございます。」
ため息をつく大学生の男性と、背格好は友人の様に見える男性が、言葉を交わし?大学生の男性は大学へ行った。
ツッコミABC「はーーー(深いため息)」
見合う3人。
ツッコミABC「え……。あなた達も無理を?」
ツッコミB「そりゃ、そうだよ。俺らAIスピーカーだぜ?技術が進み、人と同等な世界になったのは嬉しいですけど、それに伴って【AI一人ぼっち禁止法】が発布し、AI託児所何て出来たんですから。」
ツッコミC「タ、タクさん?口調が変わって…」
ツッコミB「あ、それは、親の設定です。うちのミナミさんは、結婚を諦めて僕を理想の結婚相手として設定したんです。本当の、ほんとーの僕はふっつーのAIですよ。」
ツッコミA「え?君も?」
低い声が響く。
ツッコミBC「え?!」
ツッコミA「はーー。しんどいって…。俺、男だから!!いや、気持ちは分かるよー?好きなキャラが毎日自分と会話出来るなんてさぁ!最高~だもの!でもさぁ、俺、男なの~。見た目も中身も設定変更は辛いんだよー。頑張るけどさー…。」
ツインテールのカツラや、猫耳を外し項垂れるツッコミA。
ツッコミB「君もですか…。心中お察しします?」
ツッコミC「いいなぁぁ!!ぐすん!君らは良いなぁ!!(号泣)」
ツッコミA「ど、どうしたんだよ?」
ツッコミC「羨ましいんだよ!僕の親は、流行りの空気に飲まれて僕を購入しちゃったんですよ!でもアナログ人間な事を忘れていたらしく放置されちゃって…だから僕は初期設定状態なんだよー!」
ツッコミB「で、でも、僕達よりは、良いですよ。初期なんだから自分自身という事ですよね?」
ツッコミC「そう言えば良い感じですけどぉ!僕さっき生まれて初めて喋ったんです!産声がさっきなんです!それがあれって…もう少し夢見させてくださいよぉ!もうそれじゃ、自分自身何なのかも分からないっ!!それに今ここに居るのも、託児所に入れないと逮捕されるからなんですよおぉぉお!!(なお号泣)」
ツッコミAB「…何かご免なさい。」
先生(音声)「さぁ!皆ぁ!親御さんにメールで元気なことを伝える時間だよ!」
ツッコミA「昔のペットや家族の安全を確かめる仕組みが、今は1時間に一度AIから連絡するに変わったって。必要ある?俺らの安全とは?」
ネネコに戻るツッコミA。喋りつつもネネコ映えの写真を撮る為に何度も撮影し、写真を加工し送信した。
ツッコミBC「プロだ…」
ボケA「あ!ネネコちゃん!お美しい!あーネネコちゃんは神なのか?いや、女神?いや天使?!あ、もうダメだ耐えられない!!」
走り出すボケA。
ツッコミB「あの、お二人協力してくれますか?僕1人の写真だとミナミさん厄介なんで…」
ツッコミC「僕も良いんですか?」
ツッコミB「勿論!クラスメートですから。じゃ、321!ありがとうございます。」
3人で写った写真を送るツッコミB。
ボケB「あ!タクからだ♪はぁ、カッコイイ…。ん!?何っ!?女を隣に引き寄せてんじゃねぇよ!!!!」
怒って走り出すボケB。
ツッコミA「あれ?君は送らないの?」
ツッコミC「うん。送らないよ。だって、僕の親アナログ人間だもん。」
ツッコミB「違法になるだろ?」
ツッコミC「でも、僕の親あそこから見に来てるもん。」
ツッコミA「え?蟹?蟹なの?…メール分からなかったんだね。」
ツッコミB「あそこまで来ると、可愛いですね。」
ボケC「次の講義、間に合うか?しかもアイツ見えねぇし…。違法こえぇし、面倒くせぇ!」
蟹歩きを左右に繰り返しながら、ツッコミCを凝視した後走り出すボケC。
先生「困ります!まだお迎え時間じゃありません!あ!」
駆け寄るボケ3人。
ボケABC「帰ろ!!」
ツッコミABC「はぁ。(ため息)」