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国際公営鉄道(仮題)  作者: 急行 千鳥
ライーズ連邦編
17/23

16.

お久しぶりです。急行 千鳥です。

コロナ蔓延に伴い、すっかり出かける先がなくなった旅行オタクです。

ストレス満点ですが、我慢ですね・・・・

16.


4号車の食堂車で俺、ヨルク車掌、ネル車掌が集まった。


「では、改めて。

機関士のエトムントです。」

事業登録証とC55-12の車検証をテーブルに置き、二人に見せる。

「客車のオーナー、という形になるのですかね。ネルです。この度は車掌としてお世話になります。」

「ヨルクです。車掌としてお世話になります。」


簡単に自己紹介が終わったところで、今度は依頼書を見せる。

「これも改めてになりますが、この度の依頼はライーズ連邦、アダミーシン大帝駅までの往復行路です。往路は今夜、19:20にこの操車場を出て、19:28にサクセルン中央駅5番線に入線、乗客は20:00までに乗り込む予定です。乗り込み次第、発車となります」

ここでヨルクが手を挙げた。

「失礼ぼ・・・エト機関士。乗り込み次第発車とのことですが、時刻は決まっていないのですか?」

「ああ、貸し切りだからね。公営鉄道から受注した仕事だったらダイヤは指定が来るけど、それ以外の仕事は依頼主の指定がない限りはダイヤの指定はないんだ。」

「ありがとうございます。不勉強でした」

「まぁ、ヨルク坊ちゃんは公営鉄道このぎょうかいにあまりなじみないでしょうから、当然の質問よね。それにきちんと答えられるエト坊ちゃまは成長なされましたね。」

「・・・うん。それはいいんだけど・・・頭撫でないで・・・」

「!!?」

そして“なんで!?なんでダメなの!?”みたいな顔しないで・・・ネル・・・。

「坊ちゃまも・・・成長なされましたね・・・」

「泣かなくていいから・・・。」



気を取り直して

「それでは、一応車掌長はネル、よろしく。ヨルクは何かわからなければ基本的にネルに聞いてください。俺でもいいけど、基本的に運転台にいるので、炭水車の上を移動するのは大変だと思うので。」

「わかりました。」

「車掌長、よろこんで務めるわ。安全運転よろしくね。エト坊ちゃま」

「だから撫でないで・・・」

「!!?」

「それじゃ、ネルとヨルクは食料品関係の在庫チェック!足りないものは早急に発注して!車内清掃も再チェックしといて。俺はC55-12の点検するから!発車まで7時間しかないよ!」



一度留置線構内を移動して、道路わきの線路に移動する。

食堂車にトラックが横付けされ、追加の食料品が運び込まれると同時に重機によって炭水車に追加の石炭が積み込まれる。それが終わると、今度は客車の水タンク、炭水車の水タンクに水が並々積み込まれ、発車準備完了となった。

ちなみにこの道路わきの線路でのサービスは料金が高い。通常であれば物資はトラックから手運びで客車へ運び込むのが一般的だ。



サクセルン中央駅5番線

19:45


隣の4番線からは通勤列車が次々発車している。形式はばらばらだが、さすがは鉄道の町サクセルン市。本数だけは確保しているようだ。


「5番線は貸し切り列車です。ご利用になれません。」

何度も何度も駅員が繰り返し案内放送する。


「やぁ。」

唐突に金髪の駅員が声をかけてきた。

「どうも」

俺も適当に会釈する。

「貸し切り列車なんて大変っすね~。」

「まぁ。」

なんだこいつ。

「貸し切り列車経験は多いんっすか?」

「まぁ、初めてではないな」

「あら、てことはどっかの専属ってわけでもないんだ。」

「まぁな。」

「へぇ~。それでこれからどこへ?」

「・・・」

「?」

なおも金髪駅員氏は顔を覗き込んでくる。

「・・・察しろよ。いえるわけないだろ。

お前、もうちょっと貸し切り列車の機関士に話しかけるときは気をつけろよ。そのくらい常識だろ?お前、本当に駅員か?」



「貴様!動くな!」

突然俺の目の前をサーベルが通り過ぎる。

「アハハハハ!バレちゃった?」

金髪駅員氏はバックステップでそれをかわす。

緑色軍服を着た女性が第二撃を加えるが、金髪駅員氏はひらりひらりと紙のようにかわす。

「待て!この野郎!」


ピリリリリリリ!!

「鉄道公安隊集合―――!!」

「武器を下ろせ!」

「そこの金髪も待て!貴様、ここの駅員ではないな!」


状況が分かっていない鉄道公安隊が金髪駅員氏、緑色軍服女性両方に拳銃を向ける。

「それじゃ!」

緑色軍服女性が鉄道公安隊に一瞬気を取られた隙に金髪駅員氏は4番線から3番線に向け飛び込んだ。

「待て!」


緑色軍服女性が追おうとした瞬間、高速で貨物列車が通過し、通過し終わった後には金髪駅員氏の姿はなかった。



「貴様!動くな!」からここまで1分足らず。あまりにも突発的な出来事に俺は唖然と立っていることしかできなかった。


少し落ち着いて鉄道公安隊から事情を聴かれている緑色軍服女性を見る。

「アイシャ姉さん?」

思わず口に出た。

「おお、エトか!久しいな!よろしく頼むぞ!」


数年ぶりに再会した姉は、まさかの軍人になっていた。


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